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南米漂流
     フェルナンド山本の「夜な夜な日記」  (最終更新日 : 2013/01/21)
夜話その21 情の深い女

夜話その21 情の深い女 (2009/11/26) ナイトクラブのソファーでウイスキーを一人で飲んでいると、ミニスカートのモレーナが横に身体を滑り込ましてきた。彼女はなにも言わずに僕のフトモモに手をのせるとゆっくりとさすり始めた。そうしているうちに、さっと僕のヒザの上に座り込んでしまった。ふっとミニスカートの中に手をすべりこませお尻を触ると、パンティーをはいていないではないか! 張りのあるすべすべのひんやりとしたお尻が、僕のスケベ心に火をつけた。オオッ、これは・・・。そうしているうちに彼女は僕のズボンのジッパーをゆっくりと下ろし始めた。そんな彼女の大胆な行動に身を固くしたまま僕ははじっとしていた。そして、ズボンの中に彼女の細い手がかかった瞬間、目が覚めてしまった。淫夢を見るなんて・・・・。
 数日前のストリップ劇場でのことが脳裏によみがえった。
 いつものように、ストリッパーたちが、かたちの良い腰をふり、少々たれ始めた大きな胸をもみもみ、エロチックなポーズで踊る姿をただただぼーっと、眺めていた。別に女の裸が見たい、というのでも、彼女らと接したい、というのでもなく、ただなんとなく何かに誘われるように月に1度くらいストリップ劇場にいくのである。行ってもただ踊りをみるだけで女性たちにチップをあげるわけでも、酒を飲ませるわけでもないから、女性たちは僕のところには一切よってこなかった。
「タチアーナよ。あなたの名前は?」黒髪の細身の女性が横にやってきた。顔を一度もみたことがないし、僕の所に来るのだから新人の女性なのだろう。「一緒にお酒のまない?」1杯が30レアル(1500円)もすることを知っていたから飲ますつもりはなかった。「いや今日はいいよ」と断っても彼女は去らず話をはじめた。
「ここは、踊ってもお金はくれないの。客とお酒を飲むか、プログラマ(客と別の個室でひと時をともにする)かなのよ。最近、踊り始めたばかりなの」「どこの出身なの?」「レシフェよ」「僕の前の彼女もレシフェ出身で火のように気が強かったよ。君もそうなの」「へえ~、そうなの。・・・」すっかり話しが弾んでしまった。どうやら彼女はお金が必要で一時的に働いているようで、お金がたまり次第やめるようだ。今日は一人もお客がつかず、彼女の住んでいるスザノまでバス代がないという。そんなことを聞いているとだんだんかわいそうになり、お酒を飲ましてやることになってしまった。
 ここの劇場は下半分が普通の映画館のような座席になっており、半分はテーブルの座席になっている。テーブルの座席に座ってお酒を注文してあげた。
「実わね。私、夫がいるんだけど、ひどい夫で殴る蹴るなんて日常茶飯事なのよ。ちょっと前は他に女作って、ずっと帰ってこなかった。その女がまた男みたいな女でガニ股であるくの。どうしてそんな女がいいのかまったくわからない。それから別れたようだけど、もう一切彼は私とセックスしたがらないわ。だけど、どうしても彼と別れられないのよ。好きなんでしょうね彼が。
 他の男とできた子供が一人いるんだけど、子供は今、ママイのところに預けているわ。一度彼の子供を妊娠していたんだけど、ころんじゃって流れたの。彼がおかしくなったのはそれからみたいなきがするわ。別れた方がいいとは分かっているんだけど、どうしても別れられないの」
 彼女は身の上話をいろいろと話してくれた。そうしている間も、僕の手をミニスカートの中にすべりこませてくれたり、僕の股間に手をおいたり、いろいろサービスをしてくれようとする。汗ばんだ、彼女のすいつくような肌がなんとも言えぬ手触りですっかり興奮してしまったが、彼女の暗い話を聞いて再びしぼんでしまった。
 子供を親に預けてまでも、そんな暴力的男といるなんて僕にはとうてい信じられないようなことであるが、人を本気に好きになると情の深い人ほどそうなるのであろう。男女の関係の不思議なところである。


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