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南米漂流
     過去 の写真日記  (最終更新日 : 2022/11/25)
2006年6月 [全画像を表示]

2006年6月 (2010/08/17) 6・2 心地よい目覚め 

今日は久しぶりに快適に目覚めることができた。時計を見るとまだ6時だ。
あんまり気持ちがいいので今日から写真日記を始めることにする。

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6・3 ジャルジン地区の散策

 ジャルジン地区は、いわゆるお金持ちの集まる地区として有名で、洒落たブティックやレストランなどが多い。日本から来た友達の案内を兼ねて久しぶりに歩いた。静かな佇まいといい、いかにも育ちのよさそうな人々といい、僕の住むセントロとはえらい違いだ。
 歩き疲れたので、ちょっと洒落たカフェテリアに入って一休み。エスプレッソのカフェ・コン・レイチが3.5レアル。高すぎる! セントロではあと1レアルも足せば、昼飯が食える値段だ。

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なんとなく引っかかる階段があったので、
昇っていくと、お土産屋があり、いろんな
ブラジルのお土産に混じってゴジラやウル
トラマンのDVDがあった。オーナーのパ
ブロは大の怪獣ファンでウルトラマンやゴジラについては僕よりしっていた。ブラジルにもオタクはいるのだ。


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大分前からブラジルでも刺青がはやっている。青刺彫り屋さんにおいてあった刺青人形。


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椅子の修理屋と店のガードマン。


6・4 老後の楽しみ方

 数年前から日系人のご老人の間でカラオケダンスが大流行。カラオケダンスに行くために、ダンスやカラオケを先生について習う人もたくさんいる。
このカラオケダンス場には毎週200~300人も老人が集まり、ちょっとした社交の場になっている。
「健康にもいいし、楽しいし、いいよ。カミさんおいて一人できとるよ。わはははは」と毎日曜日やってくるおじいさん。

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6・5 サンパウロの秋葉原、サンタエフジェニア [全画像を表示]

 今日も日本からの友人と一緒に町の散策。サンパウロの秋葉原、サンタエフジェニアに行った。
 コンピューター技師の彼は最初はあまり気が乗らなかったようだが、ルス駅付近の汚いアパートや40年前のコンピュータ関係の機械をみつけて大喜び。
「店員の目つきといい、雰囲気といい、秋葉原と同じ匂いがするよ」と感激していた。

 さあ、写真を載せようかとイメージを見ると、肝心のサンタエフジェニアが撮れてない! 文章を直そうかと思ったが時間がないので、これで終了。次回行ったときに撮ってアップします。

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ルス駅。最近改修されすっかりきれいになった


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「使用後の髭剃りのように汚いビルだね」と友人。
潰れかけたような建物。


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もっと納得のいくように
撮りたかったが、警官がいたので断念。汚い写真
や路上生活者を撮っていると尋問を受ける時があ
る。


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サンパウロでも有名なショッペリア(生ビール
屋)。今日はなぜかおいしくなかった。
「水で薄めた馬のションベンみたいな味」
と友人。


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ジャルジン・ルス(ルス公園)。この公園はいろんな意味で異様な雰囲気が漂う。僕はこの雰囲気を味わいに時々行く。


6・6 夕暮れ時のサンパウロ

 今日のサンパウロの夕暮れは、寂寥感が漂っている。M氏が今日、日本に帰国するせいか僕の気持ちがそう見せさせるのかもしれない。
 M氏とは13、14年前に、彼が世界旅行を続けている途中に偶然出会い、ブラジルのいろんな所を一緒に旅行した仲である。このサイトもM氏の勧めで作ることになった。年を重ね、お互いに見かけはすっかりおじさんになってしまったが、M氏の感性は昔のままで瑞々しく、昔の自分を思い出させてくれた。
「日本に帰ったら、今ブラジルにいることは夢の中のように感じるだろうな」遠くを見るような目つきでM氏がつぶやいた。
 もしかしたら、僕はずーと夢の中に住んでいるのかもしれない。そう思うととても不思議な気分になった。

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セントロクルツラルから見たサンパウロの町。
ここは妙に落ち着く場所である。


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小さく見える人影がM氏。


6・7 カイピリーニャの頼み方

 日本にいる頃は、毎晩一升酒を飲んでいたので、飲まなくなった僕を見ると日本の友人たちは驚きの表情をみせる。ブラジルに来て飲まなくなったのは別に無理にやめたわけでなく、ひとつには身体に合わなくなって飲みたくなくなったこと、もうひとつは、いつもカメラを持っているので酔っ払って歩いていると危ないこと、が主な理由である。
 一人でいるときはまったく飲まない。多分もともとお酒は好きでなかったのだろう。
 久しぶりにカイピーリーニャ(ブラジル焼酎ピンガに潰したライム、砂糖を入れたカクテル)を飲んだ。うまかった。
 カイピリーニャを一般の日本人がおいしくお店で飲むには頼み方に気をつけた方が良い。ブラジル人はとにかく甘いのが好きなので、何も言わなければドサドサと砂糖を入れられ、日本人には甘すぎて飲めない。
「ポコ アスーカ(砂糖は少し)」「セン アスーカ(砂糖なし)」と注文するときに頼むのが無難である。
 ピンガを使ったカイピリーニャの他、ウオッカを使うカイピロスカ、果ては日本酒を使う○○○(名前を忘れてしまった)などもある。ちなみに僕が二日酔いになりにくいのはカイピロスカである。

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カイピリーニャは口当たりがいいのでついつ
い飲み過ぎてしまう。要注意!


6・8 もうすぐワールドカップ

 ぼくはあまりサッカーには関心がないので、サッカーのワールドカップと言ってもあまりピンとこないが、ブラジル人の関心度は非常に強い。今回は、前回以上にその関心度は強いように感じる。
 僕のアパートの前の小さなプラサ(広場)にはブラジルの旗が飾られ、さらにコンクリートの地面にも国旗が書かれていた。さらに、さらにアパートの玄関にも国旗が飾られた。
 街中を歩くと、国旗がいたるところに飾られ、町中が緑と黄色て彩られているような感じである。もちろんワールドカップに向けてのブラジルの応援であるがブラジル人の自国を誇りに思う気持ちの強さの表れである。ブラジル人のこんな点を僕は大好きである。今、日本では日の丸が町中に飾られている所があるだろうか? 多分ないだろうな。自分の生まれた国を愛せない人間はやはり寂しい。という僕も日本を離れるまでは、日本を誇りに思うことはほとんどなかったが、今は日本という国を愛しているし、誇りに思う。

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僕のアパートの前にある広場が、ワールドカップ応援に
向けてブラジル国旗で飾られた。


6・18 ミス七夕コンテスト

 昨晩遅く、マナウスから帰り着き、身体はクタクタであったが、カラオケの写真を撮る仕事があった。重たい身体を起こしてやっと会場に向かった。もっと寝たい・・・
 毎年、東洋人街のリベルダーデで行われる七夕祭りは宮城県人会が中心になって行われる。ちょうど今日は、宮城県人会が会場になっており、カラオケの合間にミス七夕のコンテストが行われることになっていた。最近、カラオケでおじさんおばさんの写真ばかり撮っているせいか、ファインダーを通して若いピチピチ娘を見ると思わずドキドキしてしまった。すっかりおじさんになった自分を実感。

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コンテストの参加者。4人とも日系3世。


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日本語はほとんど話せないとのことであったが、皆驚く
ほど歌がうまい


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感情表現のうまさはさすがブラジル人


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僕の好み。この娘が選ばれると思ったが残念ながら落選。


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一番日本的な雰囲気があったが、グラマーすぎて浴衣が
似合わなかった。


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優勝したさゆりちゃん。


6・19 ゲイの時代

 今日は、何故かゲイやトラベスチ(女性の格好をした男性、中にはチンチンを切除した男性もいる)が目につく。いつもは、どちらかというと、コソコソ歩くか、逆にわざと目立つように大声で話しながら、腰を振って2,3人で歩くことが多いのだが、今日の彼らは一味違う。どことなく堂々とした雰囲気が感じられるのである。道を歩いていても、スーパーで買い物をしていても、そんな彼らを感じた。
 考えるに、先週あったブラジル最大のゲイパレードが影響しているのではないだろうか。ブラジル全国からゲイやトラベスチがこのパレードに集まって、いつもは小さくなっている彼らも、思う存分に行動しウサを晴らしたようだ。ちょうどこの日僕はマナウスから夜11時にサンパウロにつき、レプブリカ広場に集まったゲイ達に遭遇した。人の目をはばかることなく男同士が抱き合い、ディープキスをしている姿がいたるところで見られた。ムサイ男同士がキスをする姿はあまり見たくないものだが・・・・。
 ブラジルでは、ゲイが次第に認知されつつある。それほど、ゲイが多くなっている。ゲイであることが、恥ずかしいことではなくて、誇りとなる時代が来るのはもう間近かもしれない。

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昨年のゲイパレードで。毎年、参加者は増えている


6・20 セントロを歩く

 今日は暑いのか寒いのか解らないような変な1日。セントロを歩く人々の服装もジャケットを着ている人がいるかと思えばTシャツの人もいる。アニャンガバウーを抜け、サンジョン大通りに入る。
 夕日が建物を赤く彩るこの時間のセントロは、僕の一番好きな時間である。

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サンジョン大通り。今ではすっかり寂れてしまったが昔
はサンパウロで一番活気のある通りだった。


6・21 日本戦前日
1日中家で写真の整理をしていたせいか、夕方になったことをまったく気づかなかった。「今日の写真」を撮るために慌ててアパートを出てた。明日日本戦があるせいか街は妙にひっそりしている。そんな街を徘徊していると、市立劇場の光線状態が非常によく、劇場がぼんやり浮かんでいるように見えた。そして撮ったのがこの写真である。
 先ほど日本のラジオ局から取材を受け、「日本がブラジルに勝つにはどうすれば良いでしょうね」と聞かれた。思わず笑ってしまった。日本がブラジルに勝つと思っているのだろうか? 日本×クロアチア戦をみる限り、それは限りなく難しいと思う。川口を除いて日本の選手には何が何でも勝つんだというガッツがまるで感じられなかったからだ。
 後で、日本を一生懸命応援している人に失礼なことをしてしまった、と、笑ったことを深く反省。

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6・22 ニヤリ笑いは災いの元 [画像を表示]

 今日はブラジル×日本戦。午前中から、街中はさまざまな鳴り物が鳴らされ、黄色に緑のTシャツやブラジルの国旗を模した服を着た人が多い。町全体がこの一戦に向けてそわそわしている。ほとんどの会社が昼で終わり、学校は休み、ブラジル人にとってサッカーは何よりも大切なものなのだ。
 前回のオーストラリア戦で4万人集まった、アニャンガバウーの大画面特設会場にいくと大画面の前はすでに人で埋まっていた。もし万一にも日本が勝つようなら早い目に帰った方がよさそうだ。酔っ払いにちょっかいをかけられたら堪ったものではない。
 カメラを向けると、皆ポーズをとってくれ、これはいいな、と思いつつ写真を撮っていた。そのとき「ゴール! ジャポン」アナウンサーの声が耳に入った。えっ、まさか日本が点をいれるとは! 昨日のラジオで「万が一にも日本は勝てない」と言ったことが頭に浮かんだ。もしかしたら、もしかするかも??? そう思うとニヤリと独り笑いがでてしまった。それを見ていた数人の観客が騒ぎ始めた。「ジャポネスが笑ってる!」黒人女性が僕を指差しながら大声をあげて非難している。そ、そんな、僕は点を入れられたブラジルを笑ったつもりは全くない。僕のニヤリ笑いは、人を小ばかにしたように見えるらしく、小学生の頃、同じクラスの女の子に指摘され、ショックに感じたことを未だに覚えている。
 その騒ぎから、観客の僕に対する態度が変わってしまった。
 ニヤリ笑いは災いの元なのである。

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ブラジルに2点目が入り余裕の喜び。僕に対する冷たい視
線もやっと消えた


6・23 夕のプラサ・ダ・セ

 プラサ・ダ・セはサンパウロ市内でもかなり不思議な場所だと思う。
サンパウロの中心点地点にあたるセ広場には、さまざまな人々が集まる。そのほとんどはいわゆる路上生活者、そして失業者、宣教師、大道芸人、すりにかっぱらい、麻薬の売人、麻薬の常習者、娼婦、インディオ風の薬草露天商・・・・。言わば、社会から落ちこぼれた人々が吹き溜まる場所だ。
ひんやりとした、教会の石段に腰をおろして、ぼんやりと広場を見下ろしていると不思議に落ち着くのは、自分と同じような人間、あるいは自分より行き詰った人間がいるのを見て安心するせいだろうか? それとも、この広場は癒しのエネルギーがあるからだろうか? 
昼間はあんなにたくさんいた人々も日が落ちるにつれ、1人、2人と消えていく。みんないったいどこにいくのだろう。

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6・24 父親似?

ブラジルでは6月にフェスタ・デ・ジュニアーナ(6月のお祭り)という収穫を祝う全国的なお祭りがある。各学校やクラブでは6月の週末にこのお祭りを行い、男の子たちはジーンズに格子のシャツ、そして麦藁帽子、女の子たちはひらひらスカートに麦藁帽子といった田舎風の服装で踊りをして楽しむのが一般的である。
 ちょうど今日は息子の学校でこのお祭りが行われた。僕の気持ちの中にはこの機会を利用して写真をとりたいと思っていた。
「写真撮ってあげるから、女の子連れてきて」と息子に言った。
 そして彼が連れてきた女の子はいかにも我ままそうな女の子、息子がもたもたしているうちに、ツンとしてどこかに行ってしまった。「他の女の子連れてこいよ」ともう一度行かせたが結局ダメ。父親に似て、女の子にもてないのだなーと、妙なところで関心してしまった。

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近くにいる女の子と一緒に撮ろうとするが、今度もま
た女の子が乗り気でない


6・25 日曜日のお仕事 [画像を表示]

毎週、日曜日、カラオケダンスに通っている。注文で1枚5レアルで写真を撮る仕事のためだ。
仕事があるから、と人に紹介され行ったのがきっかけだった。気がつくとこの仕事を請けていた。はっきりいって、かかる時間、技術代、機械の減価償却を考えるとまったく合わない。さらについつい、プレゼントしてしまうから、ヘタをすると赤字だ。
 しかし、おじいちゃんやおばあちゃんが、僕の撮った写真を手にして「まあ、きれい」と喜んで、いろんな人に見せている姿をみると、そんなことも忘れてしまう。さらに、たとえ5レアルといえどもお金をもらう以上は手を抜けないから写真を撮る訓練には非常にいい。
自分の作品はもちろんだが、人に喜んでもらえる写真を撮り続けていきたい。

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毎週訪れる鴛鴦夫婦。奥さんは若い頃はきれい
だったんだろうな? そんなことを考えながらフ
ァインダーを覗くのも楽しい。



6・27 ブラジル×ガーナ [画像を表示]

 セントロにある銀行街は爆竹の音、歓声、鳴り物の音が反響し、携帯の相手の声が聞こえないほどでの熱狂ぶりであった。
 試合が始まってすぐにブラジルが1点先取。さらに2点を決め、人々の顔に余裕みられられた。
 前回のワールドカップは接戦が多かったせいか、観戦中に失神する人が多かったが、今年は余裕の勝利が多く、失神した人の話はきかない。フランス戦もこのままいってもらいたいものだ。

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6・28寒いサンパウロ

 今朝起きると、窓の外にはガロア(霧)のかかった街が広がっていた。白い霞のかかった灰色の建物群がいかにも寒そうである。テレビのニュースでは今日の最低気温は7度とのこと。
 午後4時から写真をとりながら歩くと手が少しかじかむ。道行く人々も黒っぽい厚手の上着を着た人が多く、いかにも寒そうである。中にはマフラーに帽子に手袋までしている人がいて、そのぎょうぎょうしさに笑ってしまう。やはりブラジル人は寒さに弱いのである。
 札幌に住んでいた頃、凍死者のニュースをときどき聞いたし、僕自身も酔いつぶれて何回か凍死ししそうになったが、サンパウロでも毎年冬になると路上生活者が何人か凍死するそうである。
 早く暖かくならないかなー。

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冬は、貧富の差が歴然。貧しい人は冬でもTシャツで通す。


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バスを待つ人々。昔はみんな同じような服装だったが、最
近は洒落た上着を着る人が多くなった。


6・29 道を歩く憂鬱

 今日は昨日よりも寒く、今年一番の寒さだそうだ。家のアクアリユムのサーモスタットの電気は付きっぱなし。来月、今月の電気料を見るのが恐ろしい。
 僕がブラジルに来た頃は、魚や動物を買うという趣味は今ほど一般的でなく、魚やカメをたくさん飼っているというと、変な顔をされたものだ。
 ここ数年、サンパウロではペットを飼う人が急激に増え、犬や猫を飼っても良いアパートがごく普通になってきた。それだけサンパウロが殺伐とし、東京同様癒しを求める人が増えてきているからだろう。動物を飼うことは非常にいいことだと思うのだが、ほとんどの飼い主は犬がした糞を放置して平気な顔をしているので、歩道は飼い犬の糞で一杯である。道を歩くのに、泥棒だけでなく、ウンコにも気をつけて歩かなければならなくなったのは憂鬱である。

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サンパウロの道は犬の糞が一杯なので注意が必要

 


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