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南米漂流
     農場戦記  (最終更新日 : 2022/09/04)
その2

その2 (2022/09/04)  土地は農家の知人に聞いていた以上に高かった。3年前彼が買った時には1h100万以下だったそうだが、僕が買おうとしたときには1h200万円いじょうした。サンパウロ近くの土地が別荘としてのにんきがたかまりねあがっていたのだ。探しに探し、安くしてもらってやっとミナスジェライス州に2h350万円の家付きの土地2hをみつけた。ボロボロの1990年度製の中古のフォード製ピックアップも一緒にも一緒に購入した。占めて日本円で380万円。このお金は日本にある銀行口座をすべて解約して、かき集め、妹に150万円かりたもので、日本にある最後のお金である。今回の土地購入は今後の人生をかけたおおきなかけである。それだけに絶対失敗するわけにはいかなかった。本当はお金をため、農家に修行に行きブラジル農業をしっかり学んでから実行するつもりであったが、思ったより早く、それも急に、老いがやってきた。このままいけば、すぐに身体が動かなると思ったので土地の購入を早め農業をやることにした。
 しかし、土地を購入したものの、畑の耕し方も種の植え方も全く分からなかった。家付きの土地を購入したので、とりあえず寝る場所はある。しかし、電気線、電話線はついていているが断線している可能性もある。家はぼろぼろで屋根は雨が降ったら水漏れがするだろう。いちおう水道はついていた数年前まではひとがすんでいたらしい。引っ越し、すぐに快適に住める都会での生活がいかに快適かを実感した。井戸も家から数十mはなれたところにあった。とりあえず水はかくほされているが、煮沸してからでないと怖くて飲めない。台所には薪きようの土で作った壊れた竈があった。ガスボンベが必要だ。明日にでも買いにいかなくては。こんな状態で明日からだいじょうぶだろうか。とりあえず土地さえ購入すればどうとでもなる、とおもっていたが、かんがえがが甘すぎた。あ~
家の入口にあった切り株におもわずへたりこんでしまった。そんなぼくのそばにリンがやってきて顔をなめて慰めてくれた
 日が暮れる前にとりあえず、寝る準備と夕飯の支度をしなければならない。ジジババ犬たちの寝床を段ボール箱でつくってやり、ハンモックをつるせる場所を探す。べっどでねるのはいつになることやら。ハンモックをつかうなんて20年前にアマゾンのパレンチンスに行ったときいらいである。ハンモックの下にリンが入るくらいの段ボールをおく。いぬたちとねどこをとりあえずかくほした。屋根が壊れているので、雨がふってきたら大変である。明日、雨がもらないよう屋根をなおそう。そして、薪用の乾いた木を集めて湯をわかした。とりあえず今日の夕食用にカップラーメンをかってきていたので湯を注いで食べた。これじゃー、まるでキャンプ生活をしているようなものである。いや、もっとひどいかもしれない。犬たちにはドッグフードをやる。さんぱうろでは豚肉を煮てご飯と混ぜてやっていた。 既成のどっぐふーどには犬の身体に悪いものがたくさん含まれているという話を聞いたからだ。早急に冷蔵庫をなんとかしなくては しかし、それにはまず電気が通じているか確認する必要がある。明日、電気会社に電話をかけて電気をながしてもらおう。
 こんな状態でやっていけるのだろうか。
 今日は今日は電気も水道も、ガスもなにもな。水は井戸からくむとしてもガスはぼんべで買ってこなければならないし、簡単にはとてもできそうにない。それをかんがえると暗いきもちになった。野菜をつくれるようになるまでにやらなければならないことが山積みされていた。
 ここはサンパウロではない。僕の知らない毒虫などもいるだろうし、プーマなどの獣もいるかもしれない。
 まずは電気をとおしてもらおう。今は電線が盗まれて断線している可能性もある。
まず、犬たちにノミやダニがつかないように駆除剤をのませなければんらない。
 まるで開拓時代のアメリカにきたようだ。いったいいつになったら野菜作りができるだろう。

 まずやらなければならないことは、家を修理してすめるようにすることである。部屋数は全部で4部屋あった。居間、2つの寝室、そして台所。とりあえず、黒ビニールを買ってきて屋根にはろう。壁は石と粘土で作り直そう。明日からやらなければならないことが山積みである。


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