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憩の園
     2003年度事業報告  (最終更新日 : 2004/05/05)
第 I 部

第 I 部 (2004/05/05) -事業内容


1、地域福祉
 準備ができないままでブラジルは高齢化の過程にあることを近年社会は認識し始めました。この問題に対応するには住民が老化に関する正しい情報を得て自助、互助について学ぴ、家庭や地域での介護者になれるよう指導が必要です。

講習会を行う目的
 1.老化と老年期を多面的で複雑な現実として認識する
 2.加齢する人の体に起こる正常な変化を学ぶ
 3.老人に多い病気にっいて
 4.健康に老いるために
 5.日常生活に於る老人介護の技能
  上記の理由と目的に基づき次の講習会が実施されました
-施設職員ならぴに地域の家族と老人介護者・ボランティアヘの講習会      2003年3月12日から7月30日
-自助、互助、家庭と地域に於る老人介護
 上級講座       2003年9月3日から10月29日
教授法について
 今回も問題提起の技法が用いられ各自の生活体験に根ざした理解力によって活発に参加しつつ学習ができました。授業は問題に注意をそそぎ、問題点を見いだして、理論化を行い、解決の仮説を立てるという行程を進みました。
教師の陣容
Ariane Claudia Garcia Fagundes Corrales
Clara Nakagawa
Elisabete Branco
Denise Rodrigues Yuaso
Guilherme Turolla Sguizzatto
Haydee Barreto Aguiar Silva
Monica V. Nakahara
Tatiane M. Murohashi
Tomiko Born
管理と統括
田名網 とみ子Born
支援団体
宮坂国人財団
共催団体
グアルーリョス市衛生局
時間
13,00~16,00時
人数
30人 毎回
期間
上半期-36時間
下半期-24時間
場所
憩の園講堂

・下半期講習会参加の前提条件として
 1.すでに介護者講習会参加者であること
 2.講習会期間中一人の老人と接触を保つこと

講習会の評価
 この講習会は最初地域の老人福祉施設職員を対象として始まりましたが、参加者が小人数であったことから間口を広げて、効率化の観点からも一般を対象とするこれまで数回行われたものに変更されました。変更によって人数は10人から35人に増加して対応の正しさが証明されました。
 途中脱落者があって25名が修業証書を手にしました。いつもの如く女性の参加が多く、しかし今回は男性が4名でした。修業式には34名が出席しました。学歴に関しては少し向上して8名が8年未満、13名が高校卒4名が大学卒でした。学校歴の向上によってグループ活動の活発化が見られたが、それは他の参加の妨げにはならなかった。職業歴は9名が准看護婦、7名が主婦、4名が老人介護士、1名が付添婦でその他は雑多で、教師、学生、仕立て屋、支配人、等。職業にかかわりなく幾人かのカトリック信者は歩行困難な高齢者に聖体拝領のため家庭訪問を行って居るとの報告があった。
 授業に先だって毎回柔軟体操が介護者に自己の健康管理の重要性を自覚させる目的を持って行われた。
 修了式に先だって各自が自宅で書き込む下記の質問からなる評価の書式が配られました。
 1.貴方はどんな老人になりたいと思いますか?
 2.お年寄りをどのように介護すべきでしょう?
 3.すべてのお年寄りは子供と同じだというのは正しいでしょうか?
 4.この講習会に参加して貴方のお年寄りに対する評価が変わりましたか?どの様な変化ですか?
 5.この講習会の何を一番よかったと思いますか?
 6.何を一番むづかしかったと思いますか?
 7.講習会にまた参加したいと思いますか?
この方式は下記の評価を可能にしました。
 1.各自の成長の度合い。
 2.各自にとってのむづかしさ
 3.参加者人々々の満足感
 講習会の重要性については全員賛成意見で23名が再度参加したいと表明したことは受講者の満足感の指数と考えられる。むづかしかったと指摘されたのは実技にかんするものでたとえぱベッドでの清拭、お年寄りを寝かせたままでのベッドメイキング、衣服の着脱、移動等ですがしかし心理的テーマもあった。

下半期講習会に関する評価
 介護者上級講座は初級者コースを補完する意図で企画され、理論を掘りさげ実技を増しました。よって登録はすでに参加した者か実際に老人を介護した経験者に限られました。また登録に際して週一回お年寄りを訪問することが、その日常を観察して次の授業の準備をするために義務づけられました。この訪問用に情報の収集と観察を支援する質問が用意されました。
 脱落者があって27名が修業証書を手にしました。前回同様大多数が女性で男性は一人のみでした。修業式には全員が出席しました。グアルーリョス市衛生局の老人の健康プログラム部門が技術者を派遣して今回も共催しました。
 何時ものように10名が准看護婦で、やはり12名が家庭の主婦でした。最後の日に質問用紙を配り一っ一っ、コーデネーターが問題を読み上げて回答してもらいました。しかしこのような配慮にもかかわらず、一人の生徒が質問を正しく答えられず、26人分しか答えは集計できませんでした。
集計の結果は下記でした:
 1.大多数、14名が前受講者でした。
 2.大多数、15名が家庭訪問を6回行いました。
 -6名が家庭訪問 5回
 -1名が家庭訪問 4回
 -1名が家庭訪問 3回
 -3名が家庭訪問 1回
 3.授業への参加についての自己評価は14名が良かった。9名が大変良かった、そして3名はまあまあ
 4.講習会でむづかしいと思ったかという問いに18名が問題なしと答え、8名が多少という答えであった。
 5.教授法については、なにが一番理解の助けになったかという質問に対して答えの順位は
  ・先生の説明 24名
  ・戯曲化 17名
  ・グループ対議 14名
  ・ビデオ 0名
 6.大事と生徒が思った3つの授業の順位
  ・理学療法 18名
  ・栄養学 16名
  ・心理学 11名
  ・作業療法 9名
  ・老人病学 7名
  ・看護学 7名
  ・言語療法 6名
 理学療法の授業は特養ホムで行われ在園者や職員の参加があったため実際的で活発な授業となり問題提起の授業法実施の場となった。
 すべての老人は子供と同じだと言うのは正しいかと言う間に全員授業で対議されたように否定的に答えた。
 結論として、今回対象となった住民にとってこの様な催しの重要性を強調できます。
 採用された教授法は生徒が参加しやすい環境条件をかもし各自の能力を重視することによって自信を与えます。又プログラムの内容は健康にっいての情報を提供する結果、自己管理の大切さを教えます。


2、施設福祉

(表 I) 『憩の園』の動静
 入園希望新規入園退 園死 亡在園者 
年 月
2002/12--------286492
2003/010407000101010001276390
020401010000000100276390
030410000000000000276390
040205010100000100276491
050403010001000100266490
060202010101010000266490
070307000100000100256590
080605010400010000266894
090107000101010003256590
100204000200020000256590
110308010100010100256590
120205030102010000266591
小 計3764091306080504---
合 計10122 (*)14 (**)09-
注 (*) 13名の短期入園者を含む (**)12名の短期入園者を含む

 2003年度初めに於ける憩の園の在園者は92名で、新規入園、退園、死亡などにより、年間を通じその数は92名から94名への変動を示し、年末の12月には91名でした。新規入園希望者はl01名で、その内実現した新規入園は22名で半介護者7名、要介護者は15名でした。全員1ヶ月の短期入園を体験して、他の人達との共同生活になじめるかを判断しました。長期入園の手続は本人の意思の確認と同時に現場担当者、家族が共にお年寄りの幸福に協力する合意が得られた時、実施されます。尚、短期入園の制度は在宅老人の介護者が疲労したり、その他の理由で困難な立場にある時にも期間を定めて適用されます。可能な限り在宅の期間を延長させるための制度です。
 2003年度退園者は14名の内12名は短期入園者でした。2名が長期在園者で家族のもとへ復帰しました。死亡は9名、女4名男5名。

(表 II) 2003年新規入園希望者の健康状況
自立者半介護者要介護者
人員人員人員人員
000,003635,646564,36101100,00


 本年度の入園希望者101名の内、要介護者が65名、64,36%でした。
-歩行困難で思う距離速度で移動ができない老人。トイレヘたどり着けない。
-物忘れがひどく、鍵を出入り口に付けたままにする。なべを火にかけたままにする、水のしめ忘れ、物をしまい込み忘れて他人を疑う(子供、孫、妻、嫁、婿)、盗まれたと言う。食事したことを忘れてしょっちゅう食べたがる。同じことを繰り返ししゃべる。意味不明。ひっきりなしに歩く。外出したがるが迷子になる。夢と現実の区別がっかない。意思伝達が不能で怒り攻撃的となる。
-慢性疾患保持者:脳卒中後遺症を持った老人。方向、言語、失禁、えんか障害、脳障害痴呆
-日常生活動作のほとんどに支援が必要な老人である。このような場合の介護者はほとんどがっれあいで共に高齢のため健康に問題があって、自身支援が必要で介護の役務を果たせない。子供は仕事のため家を外にして居て介護者になれない。人間関係の問題もある。
 半介護者は36名で、35,64%でした。
 ・管理下にある慢性疾患保持者で比較的健康な老人
 ・たまに物忘れがある
 ・家事能力があり、買い物、銀行など金銭の管理は出来るが高齢のため何時なんどき転倒又は健康上の事故がおきかねない
 ・家族関係の変化、つれあいの死、日本への出稼ぎなどでいっしょに居た子供がいなくなる等
 このような場合、一人で住む事は危険です。
 安全と快適性のためには誰かその日常を見守る人が必要です。
 子供と同居する場合においても老人は一人になって話し相手がなく、外出したくも危険。よって本人又は家族が何処か安全で友達が出来たり、生きがいを感じる場所はないかと探すことになります。
 健康で自立したお年寄りの入園申込はありませんでした。このようなお年寄りには多様な可能性が社会の中にあって、無料バスの思典もあり、行動の範囲が広くなっております。徒って、連邦政府の老人施策が勧めるように施設入園は地域社会に於ける居宅での生活が不可能になった時のみになって居ります。
 憩の園での受入れが不可能なケースは他の施設やサービスが紹介されました。人材銀行などを通じ日本語で会話ができる介護人の斡旋等、痴呆老人の家族には支援グループを紹介して情報の交換、介護技術の向上、ビデオ・テプの貸出などが行われました。

(表 III) 2003年度新規入園希望者の婚姻状況と性別
婚姻状況\性別
夫婦21143534,65
未婚02000201,98
死別12475958,42
別居02030504,95
3764101100,00


 入園希望者の婚姻状況と性別を見ると、59名、58,42%、男12名、女47名が死別者です。

(表 IV) 2003年度新規入園希望者の年齢と性別
性別\年齢
65~6905030807,92
70~7406061211,88
75~7910152524,76
80~8406162221,78
85~8905131817,82
90~9404081211,88
95歳以上 01030403,96
3764101100,00


 2003年度新規入園希望者を年齢的に見ると75才~89才が65名で64,36%。16名が90才以上で15,84%に該当します。

(表 V) 2003年12月に於ける憩の園の在園者の健康状況
健康\性別
人員人員人員
自立者0000,000000,000000,00
半介護者1246,162640,003841,76
要介護者1453,843960,005358,24
26100,0065100,0092100,00


 2003年度12月に於ける憩の園在園者の健康状況は虚弱化が顕著で介護を必要とする要介護者数が全体の58,24%に達した。

(表 VI) 2003年12月に於ける憩の園の在園者の性別と婚姻状況
婚姻状況\性別
人員人員人員
夫婦0103,850101,540202,20
未婚1246,160710,771920,88
死別1142,305483,086571,43
別居0207,690304,610505,49
26100,0065100,0091100,00


 憩の園在園者の婚姻状況は死別者の数は71,43%で、男 42,30%、女 83,08%です。

(表 VII) 2003年12月に於ける憩の園の在園者の年齢と性別
年齢\性別
人員人員人員
70~740207,690304,620505,49
75~790623,081218,461819,78
80~840726,920609,231314,29
85~890311,542132,312426,37
90~940726,921827,692527,47
95~990103,850304,620404,40
100歳以上0000,000203,070202,20
26100,0065100,0091100,00


平均年齢:85,78才    最高年齢:105才

 在園者の高齢化現象は進んで居り、平均年齢 85,78才、最高年齢105才。一番多い年齢層は 75才~ 94才80名で、全体の87,91%、68名が80才以上の方たち。女性の増加、男 26名に対し女65名、男 1名に対し女2,50名。この傾向は年齢層が 80才以上になると男 18名に対し女性は50名で、男 1名に対し、女 2,8名になります。

(表 VIII) 2003年12月に於ける憩の園の在園者の在園期間
滞在期間年\性別
< 01050510
01~04021012
05~09092332
10~14050914
15~19021012
20~24010405
25~29020103
30~34000202
> 35000101
266591


 最高在園期間 40年(女)

 憩の園の在園期間を示す表によれば 1~9年は54名。10~24年が31名で、6名の女性は25~40年憩の園で生活して居ります。

(表 IX) 2003年に於ける憩の園の在園者の死亡状況
年齢\性別
70~79000101
80~89040004
90~99010304
> 100000000
050409


 2003年に於ける死亡者は9名で、男5名、女4名、70才~99才の方々でした。4名が 90才以上で9名の内3名の在園期間は25、23、21年で最低は1年6ヶ月でした。

(表 X) 2003年12月に於ける憩の園の在園者のブラジル在住期間
着伯年在住期間年\性別
1978~198716~25010001
1968~197726~35010102
1958~196736~45040307
1948~195746~55020406
1938~194756~65000101
1928~193766~75144155
1918~192776~85011112
1908~191786~95 000000
日系人---030407
---266591


 憩の園在園者のブラジル在住期間は73,63%が66年~85年で、移民初期の過酷な農村生活に生き残った人達です。

(表 XI) 2003年12月に於ける憩の園の在園者の園費負担状況
負担状況\健康度自立者半介護者要介護者
人員
100%0007132021,98
60%0009091819,78
30%0010122224,17
10%0009132224,17
00%0003060909,90
00385391100,00


 園費負担状況は表 XIが示すように費用を全額負担出来たのは20名です。18名が60%、22名が30%、27名が10%、9名は負担出来ませんでした。金額にすると本人又は家族が負担出来たのは38,61%で残りは一般社会の相互扶助によって運営されました。

(表 XII) 2003年12月に於ける憩の園在園者の家族状況
家族状況\性別
家族あり09263538,47
親戚あり10283841,75
家族なし07111819,78
266591100,00


 憩の園在園者の家族状況は、家族有りが35名、親戚有りが38名(兄弟、甥、姪、孫)家族のない方々が18名です。

(表 XIII) 2003年12月に於ける憩の園在園者の家族の接触状況
接触頻度\性別
無し05081314,29
たまに10142426,37
有り11435459,34
266591100,00


 在園者の家族との接触状況は表 XIIIで見る如く54名は定期的訪問があり、24名はたまにではあるが親戚又は知人の訪問を受ける。13名の在園者は訪問者のない方々です。

『憩の園』在園者の作業活動
 在園のお年寄りが携わる作業、余暇活動は下記のものです。
 1. 園内の環境維持
 2. 食料品の生産(野菜、果樹)
 3. 陶芸、手芸
 4. 体操、踊
 5. 精神の健康維持
 6. 記念祝日の集まり-2ヶ月ごとに特養のホールで全在園者のお誕生日会が催され、90才以上の長寿者の表彰が行われました。クリスマス・新年会など。

『憩の園』の各専門部門活動状況
 2003年度憩の園に於いて働いた健康保持部門の専門職は下記でした。
 医師        3名
 看護婦       1名
 福祉士       1名(本部 1)
 理学療法士     1名
 栄養士       2〃

1、看護と介護
 看護と介護のチームは人の最も基礎的要求、話をゆっくり聞くとか虚弱なお年寄りを支える動作を含む大切な役割を果たしました。
 憩の園全体として、また特養の部に於いて看護と介護部門の果たした役割は大きく、特養の部門では看護婦の下で33名の職員が勤務しました。在園のお年寄りへの対応は、予防に重点をおいて全人格的見地からの幸福感が求められました。
日常的には、
 -床ずれと事故の防止
 -食事と排泄の介助
 -健康状態の管理
 -薬餌(薬草を含む)
が行われ、その専門的対応がなされました。
特養の部門は2003年度、年間を通じ常に満床であり、年度末12月においては53名が生活していて、下記の状況にありました。
 -ねたきり一日の大部分 3名
 -車椅子 28名
 -歩行器使用 6名
 -杖使用 3名
 -食事介助 15名
 -経管栄養 2名
 -おむつ使用者 36名

 特養部門への入園には短期入園の制度が用いられましたが痴呆性老人の場合、憩の園の特養施設が専門施設でないため受入れ不可能なケ-スもたくさんありました。
 半介護の部門の状況は下記の如くでした。
 -車椅子利用者      1名
 -歩行器・つえ 使用者  6名
 -失禁者         3名
 -トイレ誘導       5名
 -入浴介助        4名

・介護者が行った日常の業務は
 -洗面口腔清拭、洗髪、ひげそり、つめきり、入浴介助、おむつ交換又はトイレ誘導、食事介助、体位交換、屋外散歩介助。
・准看護者日常の役割は
 介護者と同じ業務の他に
 -傷の治療
 -バイタルチェック
 -経管栄養
 -吸引
 -電話ナ-スコ-ル
 -点眼
 -投薬
 -看護の専門的援助

医療
 2003年度も3名の専門医の方々が無料奉仕で憩の園の医療活動に従事して下さいました。
 -DRA.藤井えみ子 クラリッセ
 -DR.岡本 オズワルド
 -DR.金田 セバスチオン
 当会の要請に応じ、アフォンソ松本医師は憩の園の主治医として1995年度から責任者になって下さって居ります。
 必要に応じて専門医の診療・検査が私立病院や保険を利用して行われました。
 サンタ・クル-ス病院は、病院に於ける診察・検査・入院の他に医師を動員して2003年4月憩の園在園者全員の健康審査を実施してお年寄りの健康保持に寄与しました。

サンタ・クルース病院に於る対応:
 - 緊急対応 19件
 - 眼科 1件
 - 整形外科 3件
 - 脳神経科 4件
 - 脳CT 2件
 - 消化器科 2件
 - 内視鏡検査食堂 1件
 - 泌尿器科 4件
 - 超音波 1件
 - 心臓科 2件
 - その他 4件
 - 入院 13件
 サンタ・クルース病院はカゼの予防注射を87名の在園者と職員50名に行いました。

栄養
 技術や医学の発達に伴って人間の寿命はのぴつづけています。
 適切な食事が老年期に多い慢性病の予防や管理に寄与します。
 老年期の食事は成人のものとかわりありません。しかし老齢と共におこる体の変化に留意が必要になります。高齢期の不適切な食事の要因は
-嗅覚、食覚の衰え
-歯科関係 -合わない入れ歯、歯の脱落
-嚥下機能 -ダエキの減少、嚥下困難、食道の病気、
-精神的 -無気力、悲哀、孤独
-社会 -購買力の低減
-病気 -糖尿病、高血圧、心臓・肺機能、神経、肝障害
     胃腸障害
-運動の減少による肥満と便秘
お年寄りの食事に下記のような注意がはらわれました。
-必要なカロリーの確保で肥満と栄養失調の回避。特に米、いも、パン、ボラッシャ、めん類の摂取
-果物を多くもちいて菓子、さとうを控える
-たんぱく質を豊富に含む食料を使用して、筋力の維持、免疫性をたかめ、床ずれを防ぐ。食材としては牛乳、牛肉、鶏卵、豆類
-コレステロールの増加が循環器疾患につながる飽和脂肪を避ける
-野菜や果物をそのまま、小さく刻んで使用するとか、少量の水で蒸し煮にする。又は蒸気を使って調理してビタミン、ミネラルや繊維を保持する。
-鉄分をたくさん含む肉類(牛乳、鳥類、魚、レバー)、豆類(フェイジョン、えんどう、大豆、レンチーリャ)、緑黄色の野菜。鉄分はビタミンCと摂取すると効率が良くなる。例えば蜜柑、タンジェリナ、マラクジャ、レモン
-牛乳や乳製品をたくさん使用してカルシュウムとビタミンDの補給につとめ、朝の日光浴はビタミンDの吸収にっながる下痢の場合は牛乳を豆乳に代え、りんご、バナナ、水、うすめたジュースを用いる。
-便秘の場合は繊維の多い食材を用いて腸の運動をうながす。例えば、生の野菜、果物、かぼちゃ、キアボ、玄米、玄米パン、からす麦を牛乳し、ジュース、果物と
-日に6~8カップの液体を食事の間にあたえて欠水を予防すると共に腸の動きを助ける(水、お茶、ジュース)
-食事を5~6回の小分量に分けて消化と吸収に配慮する
-献立を変化させ色彩を豊かにして基本基準を尊重した調理を心がける
-食事は常にお年寄りが座った姿勢又は少し寄り揖かった状態で食べ物がぎゃく流して肺にゆかないよう注意する。
-歯の欠損又は合わない入れ歯等にはやわらかな物(スープ、ひき肉、マッシュポテト、やわらかな御飯、っぶした果物、ビタミナ、ミンガウ)
-スパイスを用いて食覚、嗅覚の衰えを補う。
-他の人達との食事にお年寄りが参加できるようにする。

理学療法
 2003年度理学療法の部門は1480の個人対応を行いました。そしてお年寄りと職員を対象としたグループ活動と健康指導を行いました。針とおきゅうを取り入れた痛みの緩和や予防の補助的療法がお年寄りに使用されました。
 グループ活動のプログラムを変更して記憶力活性化とか音楽の利用が予防体操とレクリエーションにくみこまれました。これはお年寄りの興味をひき参加を多くしました。本年理学療法はボランティアと連携が深くなり特にJICA派遣の清岡弘子氏シニア・ボランティアとの協力がレクリエーションと予防体操にあり、松井オルガ氏は整体術、清水ジョルジ氏は指圧で参加して下さいました。ボランティアの方々の協力によってお年寄りの快適感が向上しました。
 2004年度は情報を収集し調査を広げてグループ活動とお年寄りの健康や生活指導に新しい側面を加えたいと思います。

歯科
 憩の園の歯科室は小川ファビオ歯科医の奉仕活動でお年寄りや職員の治療が行われて喜ばれて居ります。

福祉
 福祉士の活動は本部事務局と憩の園に於いて行われております。本部では、新規入園の相談を受け、お年寄りやその家族が当面する問題の解決に参加しました。憩の園では在園者の日常生活の円滑化に努力しました。家族と連絡を常に保って施設に於ける生活の限界を説明して協力を求め必要な助言を行いました。家族会の集まりを担当し、グァルーリョス市に於ける福祉の集まりに会を代表して出席しました。

シニア・ボランティア - JICA
 国際協力機構派遣の清岡弘子シニア・ボランティアは憩の園の生活に溶け込んで信頼関係を樹立して貴重な活動を展開して居ります。
 お年寄りと日常を共にしながら3册の『お母さんの思い出』という文集を天国のお母さんたちへの鎮魂文として作成しました。素朴な文章から各自の人柄や家族の側面がうかがえます。これはお年寄り一人々々に喜びと自己の尊厳を意識させました。
また憩の園はJICAから清岡弘子氏の携行機材として業務に必要な貴重な機器の寄贈を受けました。
           
家族会の集まり
 お年寄りの生活の質は多様な協力に左右されますが、特に家族の支援が大切です。このような観点からお年寄り、家族、職員、支援者が一緒に集う催しが 3回行われました。
 2月 親睦昼食会
 5月 運動会
 10月 実施プログラムの評価と次年度の企画
 それぞれ催は選出された委員によって企画、実施され、終了後は反省会を行って充実が図られました。
 10月の家族会に於は憩の園の日常について対議されました。
 1-どうしたら家族会や訪問に家族の参加を増やすことが出来るか?家族の出席はお年寄りに落ち着きと満足をもたらします。
 2-部屋に食べ物をしまい込んで腐敗したものを食べ、病気になるなどをどうして防ぐか?
 3-お小使いの問題、しまい忘れて、取られたという
解決法としては
 家族不参加の場合は原因を確かめる。乗り物のためであるならお互いに便宜をはかる。大量の食べ物の場合、その日の内に分け合って始末する。
 残ったら管理部門に渡して、虫や小動物をさける。訪問時に家族が戸棚やたんすを整理して使えない物は処分する。お小使いについては出来る限りお年寄りの自立を尊重して問題があるにしても管理の自由を残すようにする。

3、憩の園との関連活動

・高齢者福祉法人の集い
 8施設で10回の会合がもたれ、それぞれの現場に接することが出来ました。15の老人福祉施設と3か所の営利団体が参加しました。
福祉施設名
Assistencia Social Dom Jos Gaspar
Associao Toca das Horttensias
Abrigo dos Velhinhos Ondina Lobo
Casa Transitoria
Cidade dos Veliinhos Luiza de Marillac
Instituto Assistencial Nosso Lar
Lar dos Velhinhos de Campinas
Lar Golda Meir
OASE Ordem Auxiliadora das Senhoras Evangelicas
Recanto Monte Alegre
Sociedade Beneficente "A Mao Branca"
Sociedade Beneficente Alema
Sociedade Filantropica Pau1ista
営利団体
Casa Pro Idoso
Recanto So Camilo
Casa de Repouso Higienopolis
招待団体
Faculdade de Saude Publica - USP
Faculdade de Enfermagem UNIFESP - Universidade Federal de SP
Comisso de Instituies da SBGG
COREN - Conselho Regional de Enfermagem SP
対議された主なテーマは
-痴呆の予防
-記憶の活性化術
-人事部門
-業務内規と介護に関する書類
-尊厳死
-財源の活用
-老人の拘束、どのような場合、どのようにして、その結果としてどのような注意が必要か
-高齢者憲章
-Vigilancia Sanitariaの役割
このような会合は経験の分かち合い、情報の交換、勉強の場になり、共通の問題に対する解決策の強化をもたらしました。

・ 第29回『憩の園・親睦バザー』
 2003年8月17日(日曜日)第29回『憩の園・親睦バザー』が行われました。一日中お客様に恵まれ賑いました。お年寄りの手芸品、いろいろな食べ物、花の売店、子供の遊び場、バザー売店広場、そして余興としては丹下せっ子太鼓、和太鼓、手品、よさこい・そうらん、まんが教室、時間をきめての施設の見学が行われました。
 例年の如く、本年も大勢の方々の暖かい協力と支援によって目的を達することが出来ました。晴天で樹々の緑が美しくイッペーの黄色い花も満開でした。お年寄りは家族や訪問者に囲まれて楽しい一日を過ごしました。又、入口前の広い駐車場はバザーを訪れる人々に便宜をもたらしました。

・第34回老人週間
 第34回老人週間の催しが9月24日、サンパウロ日伯援護協会ブラジル日系老人クラブ連合会、GEENIBRA(日系高齢者研究グループ)、社会福祉法人救済会4団体共催で文協記念講堂と大サロンで行われました。
 午前8時から、会場大サロンに於いては、
-老人健康用品紹介、展示即売・
-老人健康検査コーナー
 血圧測定、血糖検査、骨粗ショー症、体重・身長測定
高齢者用製品展示
記念講堂に於いては
-リズム体操『明日がある』小林文枝(日語教師)
-講演:健康促進『自立性を永く保ちましょう』
    千馬寿夫(老人専門医)
-体験発表:『老人ホームの生活』
      三上治子(サントス厚生ホーム)
      『老人クラブ活動』
      纐纈蹟二(老人クラブ)
      『ディ・サービス・センター』
      中川コシゲ(サロン・シャローム)
午後から、
-共催団体からのご挨拶 - 代表和井武一
-寸劇:痴呆症発見『勝子ばあさんと嫁』
   シニア・ボランティアグループ
-基調講演『カラオケ人生・歌で勇気を』
 島田正市(カラオケ指導伯国総本部長)
-ショー:
 南部俵っみ唄-モジ中央日系老人部
 みんなで音頭-サントアンドレ白寿会
 二千年桜-老ク連踊り教室
 山のロザリア-ピニェイロス文化親睦会老壮部
 時代劇『瞼の母』-劇団新波


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