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イタケーラ植民地
     概要  (最終更新日 : 2004/12/03)
イタケーラ植民地売出し広告

イタケーラ植民地売出し広告 (2004/12/03) 第二回農家の友による宣伝広告
野菜栽培の目的たる 日本植民地 COLONIA NIPPONICA

百姓をするなら是非自分の土地でするのが、大きな土地を借りてするよりも真の利益を得られる。


◎建設の趣旨

聖市は非常な勢いで拡張する。これに伴うて野菜果実の需要が高まる。為に価格は益々高まる。例えば、最も作り易いマンジョカはキロ八〇〇レース、サツマ芋は五〇〇レースで其他の上等野菜は推して知るべしです。元来野菜作りは日本人が最も適当して居る事は、伯人間の定評です。夫で聖市郊外に一五〇〇アルケールを有する【Cia Comercial Pastril e Agricola】は、最も野菜栽培に適当した土地で一〇〇アルケールを提出して、日本人からなる野菜植民地を建設するに至る。


◎當植民地の特色

全面積一〇〇アルケールを百区、即ち一区、一アルケール宛に区画してあります。各区内には皆、流れと車馬道路が通じてあります。野菜作に欠く可からざる肥料(厩肥)は、当会社所有の大農場が近くにあって五〇〇余頭の牛馬が飼養されているから、最も経済的に得る事が出来ます。地代支拂法は他の植民地には殆んど例のない長い期間で五ヵ年です。


◎植民地の位置

中央線のイタケーラ驛から三キロ、聖市から二十一キロで、聖市の管轄区内に属する市街地です。


◎交通

氏の点は最も便利で、植民地からイタケーラ驛迄は立派な車道があり、徒歩三十分の里程です。驛からは二本の自動車路もあり、汽車の便は日々往復する郊外列車は二十四余に及び、往復賃僅かに三百レースです。野菜を送出する特別の野菜牛乳運搬貨車があり、氏亦賃金頗る安価。


◎野菜の販途

イタケーラ驛は一五〇〇戸もある町で、尚又日々に住家が増築されつつある。氏植民地で作る野菜は、殆んど聖市に出す必要なく賣却さるる筈です。勿論上等の野菜は聖市に送出の必要あれど、前述の様に安い賃金で迅速に市場に出す事が出来得る。


◎地代支拂法

地代支拂期間は五ヵ年で、一区一アルケールに對し、毎月一〇〇ミルレースを支拂ふので、一ヵ年全一〇六〇ミルレースを前納しても宜しいのである。野菜作りは、五、六ヵ月後入植後少し宛の収入が始まり、地代支拂の困難なるは一年未満です。若し亦家族で人数の多きなら、当会社の農場に月十五、六日働きに出る時には、地代は其で支拂ふを得る筈です。


尚細は農事通信社石橋恒四郎氏に直接問合わせられたし。

〔注意〕
尚実地視察希望の方は、当会社の聖市事務所に通知して万事の便宜を計ります。
Comp. Comercial Pastoril e Agricola
Rua. S.Bento 45, S.Paulo

◇第二回農家の友による宣伝広告
一九二五年四月十五日
Amiga dos Lavadores(農家の友)
Vol.II NVI 15 de abril 1925
Centro Japonez de Agricultura


ブラジル時報ニヨル宣傳広告
一九二五年七月十日

一、建設の趣旨

 南米のニューヨークは伯国の聖市であらふ。現時の聖市の膨張の急激なる事は、世界稀れに見る處と評されて居る、当国首府リオ市を追越して近い将来に二百萬餘の大都会に成ると言う事は、實際に聖市の膨大に伴ふて注意す可きは野菜・果実の消費、需要の激増と且つは其の価格の驚く可き騰貴である。
 夫で聖市郊外の野菜作は最も収入が迅速で且つ有利確実である事は誰でも承知の筈である。然も日本人は、元来此の集約的の野菜作には最も獨特の技倆を持って居る事は、已に北米各地の市で証明した事実である。然るに今日迄日本人の此の有望な聖市郊外野菜作に従事して居るものの至って稀であるのは何故であろう乎。此には別に深い理由はない。其は一にその適地を見出す事が至難であるのと且つは見当っても中々地価の高い此の郊外であるから、其の地代拂込方法が地主の方で特別に容易の法を講じて呉れるものがないからであろう。
 其処で郊外に適地を有する当農牧商会(Comercial Pastoril e Agricola)は、イタケーラ町に接続する所有農場の一部を選択して特に野菜作の目的で日本人諸君に提出するに、地代支拂法を五ヵ年としたのである。此と同時に、多年伯国農商務省に奉職する日本人唯一の技師石橋氏を顧問として、茲に理想的の野菜・果樹栽培を目的とせる日本人植民地を設立したのである。


二、當植民地の特色

 當植民地は曾てない特殊のもので野菜・果樹を主作とする計りでなく、次に列記する様な特色を有して居る。

(イ)當会社は日本植民地の完全なる発達を計る為に、農時に勉励能く働く日本人農家族の入植を望むは勿論であるが、進歩せる理想的の一致団欒の農園を立てたい精神であるから、我利的で人と共同の出来ない日本家族及び土地を買入れ放棄し置き地価の騰貴を待つ様な者は絶対に入植を望まない。

(口)當植民地の各区は、大略一アルケール内外で、必ず区内には流水と車道が通じている

(ハ)野菜作に欠くべからざる肥料、殊に厩肥は当会社所有の大牧場が當植民地内に接続しているから、其から容易に安価に得らるる事である。

(二)入植家族の子弟の教育には最も便宜である事も、大いに注意す可き事と思ふ。當植民地に接するイタケーラ町には公立(州立)の小学校あり、無月謝で立派な教育を日本人子弟が受くる事が出来る。此公立小学校迄は植民地から車道を徒歩して小供で三十分内外で達する事が出来る。亦進んで高等教育を受くるにも、植民地から聖市の学校に容易に通学が出来る。

(ホ)野菜作に少しく伯国で経験のあるものは入植後半ヵ年位で、毎月拂込む地代は容易に儲け得られる。此の点は、高い小作料を拂ふて居る一般日本人諸君の最も注意すべき事だと思う。

(へ)入植者で住宅を建築する時は、當会社で或る程度迄煉瓦其の他の建築材料を、一ヵ年の月賦仕拂方法で貸付する。

(ト)當会社は植民地内の農事進歩を計る為に、小規模の農作試験場を設くると共に、地内植民者に対し共同的の農業図書部を設け、内外の農業雑誌・書籍を集めて研究に資し、且つ農事奨励の為に地内産物の農産品評会をも開かんとする計画がある。

(チ)當会社は植民地在住日本人の物質的発達を計り、是によって大に儲けしむると共に他方、智識・体育の完全を期する目的で、特に地内中央部に体育、教育、遊戯、娯楽機関の設置用地として、約半アルケールを無代提供する。


三、地代及び其の拂込法

 當植民地は一区を畧一アルケール宛に区劃してあって、各一アルケールに対し六コントスの地価である。一度聖市郊外地を見た人の首肯する如く、一米四方を単位として賣買して居る聖市の膨張と共に、近い内に此の地も市街地たるべき土地なれば、実に格外安価と言ふべきである。殊に拂込法に於ては日本人農業の発達を容易ならしむる為に、五ヶ年六十ヶ月月賦拂としたので、即ち毎月百ミルレースを拂込めば宜いのである。若し一時に一ヶ年分又は全額を前拂する場合は、一割引をする事になって居る。


四、位置、地勢、地味

 當植民地の位置は、上図にある如く中央線のイタケーラ町に接続して、ジャク河の左沿岸地帯を占めて居る。地形は一般に平坦、内部には数多の清流があり、水利の便には最も富み、地質は敢て最上とは言わないが、野菜果樹栽培に適する砂質壌土である。


五、交通

 交通の点は最も當植民地の特色とする處で、地内には縦横に車道があり、植民地からイタケーラ駅までは立派な自動車道がある。又イタケーラ町から聖市迄は二本の自動車道が通じ、就れも四十五分内外で聖市の中央メルカード迄往く事が出来る。イタケーラ駅から聖市のノルテ駅迄は、毎日二十餘回の往復郊外鉄道があり僅かに往復賃三百レース、一ヶ月乗車券五ミルである。此の外に目下、イタケーラ町から聖市迄通ずるカミニョン(トラック)道路の作る予定。當会社でも他日、地内の産物増加と共に必要に応じカミニョンを毎朝定期に出すの計画もある。又リオ市に野菜の出荷を為す場合は、毎朝野菜貨車が當駅を通過するが故に、極めて低廉な運賃にてリオ迄送出する事ができる。


六、生産した野菜果実の販路

 當植民地の産物の販賣先は三ヶ所である。
 第一がイタケーラ町で、当町は植民地に接続して居る町で、現に千五百戸を有し日に月に住民が激増して居るから、此の町での野菜の消費は夥しい上に、他に野菜専門業者の少ないのであるが故、殆ど此の町で大部分は賣り盡される事は事実である。當会社では植民地産の野菜の相当発達する時は、イタケーラ町に青物市場を設立する積りである。
 第二の得意先は聖市であって、聖市のメルカードに植民地から出す時は世人の知る如く、販賣に困る事は絶対にない。
 第三の販賣先はリオ市で、既に言えるが如く野菜貨車があるから容易にリオ市場に出して儲かる筈である。


〔注意〕
 當植民地実地視察希望者又は詳細を問合はさんとする方は、當会社聖市事務所に午後三時~四時頃来訪あらば、石橋技師と親しく面談する事が出来るし、亦手紙で問合わせの方は、當会社事務所内同技師宛差出されたし。


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