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視覚障害者柔道世界大会に参加の稲葉さん来聖

視覚障害者柔道世界大会に参加の稲葉さん来聖 (2006/02/10)  ABDC(ブラジル盲人運動協会)主催の「視覚障害者世界柔道選手権大会」が十二日午前九時からリオデジャネイロ市内のミエシモ・ダ・シルバ体育館(カンポグランデ区オリンダ・エリス街四七〇番)で開催され、世界十数ヵ国から約八十人の選手団が参加する。日本からは個人でエントリーしている稲葉統也さん(三五、静岡県出身)が、マイナス七二キロ級で出場。稲葉さんは十二日の大会を前にした九日にサンパウロ入りし、三回目の国際大会となるブラジルでの入賞を目指している。
 稲葉さんは五年前、原因不明の奇病に悩まされ急激に視力が低下、今では光の明暗が分かるほどの視力しかない。一時は何もする気がなく悩んだが、家族と周りの協力により、学生時代に行っていた柔道に再び触れるようになった。
 九九年一月には初めての国際大会「北大西洋アジア柔道選手権」にマイナス九〇キロで級出場。「緊張のあまり周りの歓声も聞こえず、雲の上にいる感じでした」という稲葉さんだったが三位に入賞した。
 昨年はオーストラリア・シドニーのパラリンピック(身体障害者オリンピック)に同級で出場したが、惜しくも五位入賞に終わった。
 「九〇キロ級では力で外国人選手に負ける」と判断した稲葉さんは、今大会ではマイナス七二キロ級と二階級下のクラスで対戦するため、今年四月から約二〇キロの減量を行った。
 「二〇キロ(体重を)落とした身体でどれだけ闘えるかを試してみたかったのと、知らない国に行ってみたかった」と稲葉さんは今大会参加の目的を語る。
 今大会出場には、主催者側の連絡の遅れなどで会場や宿泊先など詳細な情報が分からず苦慮していた稲葉さんだが、ようやく情報も入り、九日にサンパウロ入り。「勝敗よりも柔道そのものを楽しみたい」と話しつつも「体重が軽くなった分だけ、メダルの重さを感じたい」と密かに上位入賞を目指している。
 今一番の目標は、来年韓国の釜山(プサン)で行われるアジア選手権大会出場だ。同大会への出場権を得るために、来月十一月四日に東京の講道館で予選が開催される。 「今回、日本のメンバーは色々な理由でブラジルには来れなかったですが、今一緒のチームで柔道を行っている日本のメンバーとぜひ釜山にいきたいと思います」と目を輝かせる稲葉さん。新たな闘いがすでに始まっている。(2001年10月サンパウロ新聞掲載)

 


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松本浩治 :  
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