「移民の父」(06年4月27日) (2006/05/04)
「移民の父」と言われる故・上塚周平氏の銅像が、東洋街のラルゴ・ダ・ポルボラという小さな公園の中にポツンと建てられている。 こうした銅像を見るたび、「建立された際は、さぞや派手に除幕式が開かれたんやろな」と思ってしまう。しかし、現在はどうかと言うと、一部の人が何とか管理しているものの、それが誰で何のために建てられたのか次世代に語り継がれることもなくなりつつあるように見受けられる。 2年後には、日本人移民100周年という1つの節目の年を迎えるが、「我こそは日系社会を代表している」と錯覚している御エラさん方は、古いものは一掃すべく新しいものばかりに眼がいっている様子。利権と名誉欲しさに魑魅魍魎(ちみもうりょう)が蠢(うごめ)く、といった感じがしないでもない。 まあ、他人のことはさておき、日系社会には、まだこのような銅像がたくさんあるが、果たして数年後にはどうなっているのか。銅像を遺すことが良いとは思いませんけど、せめてその時代を生きてきた人たちの話を聞いておきたいもんです。どうぞう、よろしく。
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