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シンガポール雑感 (2026/09/22)
ACEAN(東南アジア諸国連合)の重要な拠点となっているシンガポール。東京都内(23区)と変わらぬ面積(約716平方キロメートル)に約500万人のシンガポーリアン(シンガポール人)が住んでいるが、ブラジルと同様に多民族国家で、中国、マレー、インド系などさまざまな人種が雑多に入り交じっている。巨大な高層ビル群が繁華街の中心部を占め、観光客目当ての商店も所狭しと軒を並べる。現在も国内のビル建設は進行しており、「東南アジアの雄」は躍進中だ。約25年ぶりに訪問したシンガポールの雑感をリポートする。
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資料などによるとシンガポールは元々マレー半島にあった漁村だったが、東インド会社の書記官だったトーマス・ラッフルズ氏によって1819年に近代的な港が開かれ、イギリスの植民地となった。第2次世界大戦中は旧日本軍が占領し、「昭南特別市」とも呼ばれていたという。1965年にマレーシアから分離される形で独立し、来年(2015年)建国50周年を迎える、まだ若い国家だ。 数年前にブラジルに駐在した経験を持ち、現在はシンガポールに駐在している日本人の親友を訪問するため、学生時代に初めて同国を訪れて以来、四半世紀ぶりに再訪した。 驚いたのは、躍進的な発展だった。到着したチャンギ空港は、国際的なハブ空港(各国及び地域の拠点となる空港)にふさわしい設備を誇り、照明が明るい上に天井が高く、清潔感があるのが印象的だった。また、広い空港内には日本食、中華料理店、マレー及びインド系レストランなどが充実していた。さらに、カフェショップではセルフサービスで何杯でも無料で冷水が飲めることに、「ここは本当に外国なのか」と驚いた。 そのほか、入国審査については外国人は他の国と同様に入国官による審査を一人ずつ受けるが、自国民や企業駐在など長期滞在者は同国発行の身分証明書を所持していれば、地下鉄の改札のような自動機に身分証明カードを通すだけで入国できるなど、簡易化されている。 その一方で税関は厳しく、一般的にはアルコール類やタバコの持ち込みには申告が義務付けられている。特にタバコは1箱ではなく、「1本」でも申告対象となるというからかなりの厳しさだ。申告をしていないとランダムに行われる係官からの税関審査を受けた際に罰金の対象となり、麻薬など違法薬物所持で摘発されるとその場で逮捕され、場合によっては死刑にもなりうるほどだ。 街中での規制も厳しく、つばを吐いたり、ガムを捨てたりする(ガムは基本的に国内では販売していない)と同じく罰金の対象になる。そのほか、地下鉄など公共施設の天井などに異常とも思われるほど数多くの防犯カメラが設置されており、どこへ行くにも監視されているような気分にさせられる。また、地下鉄には防犯カメラ以外に警備員が配備されており、怪しいと思われる人物に対しては否応なく荷物チェックが行われる。 約2年住んでいる友人は「明るい北朝鮮」とシンガポールのことを揶揄(やゆ)していたが、政府及び警察当局による管理体制は徹底しているようだ。 そのため、治安はすこぶる良い。街中でデジタルカメラをぶらさげて歩いていても何の気兼ねもなく、ブラジルとは真反対の国だと実感した。 (2014年)現在の為替レートは、1シンガポールドル(S$)=約80円で、日本の物価と大して変わりはない。しかし、日本からは飛行機で約6~7時間と比較的近いためか輸入されている日本食品も数多く、日本レストランの質も高い上にその数もサンパウロの比ではないほど多かった。
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シンガポールは、国そのものは北緯1度15分と赤道に近いため、熱帯雨林気候で蒸し暑いのが特徴だ。しかし、同政府はクリーンなイメージを定着させようと国土全体に殺虫剤を散布しているため、ほとんど昆虫らしきものは見当たらず、訪問していた間は全く蚊(か)に刺されなかったことは驚きでもあった。 前述のように治安が非常に良いため、東南アジア周辺国や日本をはじめ、欧米などからの観光客も数多い。 シンガポール南端に位置し、中心街となっている地下鉄(MRT=マス・ラピッド・トランジット)シティー・ホール駅周辺は人口湖のように見える「マリーナ・ベイ」(マリーナ湾)を囲むように高層ビルが建ち並び、シンガポールを象徴する「マーライオン」像は記者が訪問した(2014年)3月の時点で、来年の建国50周年を前に改装中だった。 その中でも有名な建物が「マリーナ・ベイ・サンズ(以下、サンズ)」と呼ばれる世界最大級のカジノやショッピングモール、美術館などもある総合リゾートホテルだ。外観は三つのビルを支柱にし、その上に大きな船が乗っているような形状で、最上階はその大半が屋外プールとなっている。シンガポールの景色を眺めながら優雅な気分で泳げるが、1泊の宿泊料金は格安料金でも約5万円前後。プールはホテル利用客でないと使用できないというビジネス中心のシステムだ。 毎晩数回、このサンズからレーザービームによるショーが行われ、色とりどりの光線が夜の街を照らし出す光景は、ブラジルのさらに上を行く「未来都市」の様相を呈しており、現在のシンガポールの勢いを象徴しているかのようだった。 また、その近辺には直径150メートルと世界最大の大観覧車「シンガポール・フライヤー」や夜間も開いている植物園もあり、週末だけではなく連日、世界からの観光客で溢れている。 さらに、地下鉄及び地下道が発達しており、都市部で働く人々は蒸し暑い外気にさらされなくても活動できるように工夫されている。しかし、地下鉄はエアコンが強烈に利いているため肌寒い。それにもかかわらず、マレー系以外の女性たちの服装はミニスカート姿が目立ち、惜しげもなく美脚をさらしていた人が少なくなかった。 ただ、政府及び警察当局による風紀規制は厳しく、日本の写真週刊誌を持ち込んだだけで見つかった場合は当局に没収されるほどだという。 こうしたことから表面的には国民はまじめにならざるを得ず、「仕事熱心な国民性」(シンガポール在住駐在員)が同国の経済を支え、発展させている。例えば、タクシー運転手によっては日本円で月額40万円も稼ぐドライバーもいるといい、国民一人一人の頑張りによって高所得を得ることも可能なお国柄だ。 しかし、国土が小さいためほとんどの物品は輸入に頼っており、飲料水でさえも隣国のマレーシアから輸入しているという。 前述したようにアルコール類やタバコなどの税関申告規制が厳しいため、蒸し暑い気候にもかかわらず、庶民的な飲み物であるビールの値段は高く、約350ミリリットルの缶ビールがスーパーマーケットなどで購入しても約4・5S$(360円)と日本よりも高いのには閉口した。 その分、観光立国としてインフラ設備を十分に整え、海外からの観光客に楽しみながら外貨を落としてもらおうという国の政策がはっきりしている。中心街だけでなく、中華街やインド街などもあるなど、狭い国土ながら楽しめる観光資源が多い。 来年(2015年)は建国50周年の節目の年を迎えるシンガポール。「東南アジアの雄」と異名を取る経済活動が今後も続きそうだ。(おわり)
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