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フン害に憤慨 [画像を表示]

フン害に憤慨 (2004/04/18)  妻と地下鉄の駅まで一緒に歩くとき、必ず出る話題がある。ウンチのことだ。
 私の住む地区は、いわゆる住宅地であり、マンションが建ち並んでいる。犬の散歩をさせている人を多く見かけるが、ブラジルではウンチの始末をしないのが当たり前である。そのため、やたらと犬のウンチがある。いつもボンヤリと歩いてしまう私は、妻に「そこにウンチ、危ない!」と毎回注意されるのだ。
サンパウロの住宅地.jpg
ウンチの多いサンパウロの住宅地

 そうしたことから、私と妻との間では、ウンチに1~5段階のレベルを付けている。レベル1は、乾いてカラカラになったフンで、もし踏んだとしても靴には殆ど付かない状態のもの。数字が上がるほど、踏んでしまったときの被害が甚大というわけで、レベル5は、やりたてホヤホヤ、湯気が上がっているような大型犬のウンチである。踏んだひには、靴の縁にまでベットリという、もう最悪の状態のものと既定している。
「あ! レベル2のウンチだ。たぶん、2日間は過ぎているね」、「おいおい、レベル4だ。逃げろ、逃げろ」といった具合で、常に2人の会話に使用されている。
 一度、駅まで行くだけで何個のフンが落ちているか数えてみた。歩いて15分ほどの道のりで、道の片側だけなのだが、24個ものフンが見つかった。それも、ウンコとして認識できるものだけで、数日経過してウンチ跡だけになっているようなレベル1にも満たないものは省いた。概算すると、40㍍に1個という割合になる。
 これだけ気をつけていても、レベル3以上のウンチをいままで私が5回、妻は2回踏んでいる。
 一番、記憶に残っているのは、二人の記念日を祝うためにオシャレをして高級レストランへと向かっていたときに、私が踏んだやつだ。それも、レベル5のホヤホヤの大物だった。
 一気に、気分は最悪――
 私は水たまりで靴を洗い、道に擦りつけ、小枝で靴の裏にこびり付いたウンチをほじり出した。妻は、レストランに行くのを諦めようと言い出したが、なんとか説得して、レストランに入った。だが、靴から臭いが立ち上ってくるようで、気が気ではなかった。二人とも無口になって、食事を済ませると同時に席を立った。まさに、フン害に憤慨した。

 最近は、やっとサンパウロでもフン害の啓蒙活動が盛んになってきて、地域の新聞や街角のポスター、看板などにも「フンを持ちかえろう、飼い主の責任」などといった言葉が目立つようになってきた。
 それでも、ビニール袋を片手に犬を散歩させている人は稀である。たまに、フンを始末している飼い主を見かけると、どうしても心の中で拍手してしまう。
 


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