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紺谷君の伯剌西爾ぶらぶら
     エッセイや翻訳記事  (最終更新日 : 2005/06/26)
煙草を止めて2年になる [画像を表示]

煙草を止めて2年になる (2005/01/15)  煙草を止めてちょうど2年になる。
 2年前の1月14日、乾いた咳が止らなくなって医者に行き、それ以来煙草を吸わなくなった。止めて1週間ほどは、ニコチン禁断症状で煙草のことが頭から離れなかった。1ヵ月ほどは、煙草を持つ仕草をしてみたり、長い息を吐いてみたりと煙草の習慣が抜けなかった。1年ほどは、酒の席で紫煙を吐いている人や、道行く人が煙草を吸っているのを物欲しそうに見ていた。
 2年たった今では、灰皿や喫煙者の臭いを嫌がるようになったが、それでも何回か「煙草を吸ってしまった」という夢をみたことがある。

 今振りかえってみて、煙草を止めて良かった点を思いついた順に列挙してみる。
・匂いに敏感になったこと。
(これほど嗅覚があったのかと驚くことがしばしば)
・女房に文句を言われなくなったこと。
・お金を使わなくなったこと。
・咳が出なくなったこと。
・飛行機で我慢しなくても良いこと。

 逆に、煙草を止めて悪かったことを挙げる。
・喫煙者同志の妙な連帯感を失ったこと。
(迫害されている者同士のレジスタンスのような……)
・女房の長話を、「煙草を吸いに行くから」との理由で打ち切れないこと。
(他の理由は、もう一つ説得力に欠ける)

 なお、喫煙していたとき、利点として思っていた「集中できる」とか、「間が持つ」、「カッコイイ」それらはみな自分自身の嘘であったことが分った。別に、吸っていなくても集中できるし、会話の間を持たせることも難しいことではない。「カッコイイ」は、自分がそう思っていただけだった。

 それから、これはブラジルならではの理由で、煙草のパッケージに印刷されている気持の悪い写真を見なくてもよくなったことである。
 これは、知らない人には多少説明がいる。
 近年ブラジルでも煙草の害が叫ばれ、保健省が「煙草は健康に悪い」という文字だけではあき足らず、4~5年ほど前からパッケージに衝撃的な写真を印刷させている。入院患者や、喫煙する妊婦、気管支炎で苦しむ男性など数種類の写真があった。
 特に私が吸っていた頃、医療器具の管で繋がれた未熟児の写真は、目を背けてしまうほどであった。そして、その写真の上には、「煙草は、未熟児や喘息のある子供を生む可能性がある」と書かれてあった。こうした写真が、私が見なかった2年の間に、ますます過激になっているようだ。
 

煙草パッケージ写真.jpg
「喫煙者と住んでいる子供は、喘息や肺炎、鼻腔炎、
アレルギーに罹かりやすくなる」


 ここのページに、こうした写真を数枚入れこもうと思っているのだが、そのために煙草を買うのもシャクなので、捨てられている煙草パッケージを使うつもりで、道路を歩くたびに気にかけている。しかし、落ちている煙草パッケージは、たいてい皺くちゃにされたり、泥水に濡れたりして保存状態の良い物がなかなか見つからない。それに、道行く人たちにも白眼視されてしまう。
 その中で、割りと使えそうな写真1枚(左)を拾ったのでアップしてみた。いいのが見つかれば、またアップする予定(?)

 とにかく、煙草を止めて2年たった。3年後、5年後にどう思うか、まだ分らない。


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