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紺谷君の伯剌西爾ぶらぶら
     エッセイや翻訳記事  (最終更新日 : 2005/06/26)
煙草を止めて2年になる ② [画像を表示]

煙草を止めて2年になる ② (2005/02/02)
煙は喉頭ガンを引き起こす.jpg
煙は喉頭ガンを引き起こす

 写真を追加するついでに、思い出したことを記そう。
 これまで、私は3回禁煙に挑戦して挫折、今回の4回目でやっと成功しているのだが、そのポイントについて書く。




「禁煙なんていつでもできる。私はこれまで何度も禁煙しているのだから……」
――失念したが、誰かの格言――






 禁煙の動機は、いつも同じであった。風邪を引いて扁桃腺が張れ熱が出る。2~3日、煙草を吸いたくなくなるので、吸わない。「ついでだから禁煙しよう」となる。しかし、体調が完全に回復する1週間後ぐらいに、どうしても吸いたくなり1回目は挫折した。ものの本によれば、ニコチン禁断症状が出る最初の1週間ほどが生理的には一番辛いとある。

 2回目、3回目は禁断症状を乗り越えた後にもかかわらず、2ヵ月後と半年後にそれぞれ煙草に火をつけてしまっている。
 これは、「煙草=美味い」という記憶が脳の神経細胞に刻み込まれていたからだと、自分なりの結論を出した。だからこそ、宴会で人の吸っている煙草を見て、「ああ~~欲しい!!」、道行く人の紫煙を嗅いで、「吸いたい! 吸いたい!」となってしまうのだ。

 今回の禁煙では、この轍を踏まないように、「煙草=不味い」と、何度もイメージトレーニングを繰り返した。
 イメージとして思い浮かべるのは、「煙をゆっくりと吐いて、リラックスしている自分」ではなく、「煙草を吸ったあと、咳き込んでいる自分」である。吸いたくなったら、美味そうだと思ったら、「ゴホ、ゴホ、ゴホ」「ゴホ、ゴホ……」と咳き込む真似をやり続けたのだ。
 これは、なかなか効果があった。特に1~2ヵ月目あたり、1日に何十回、この「ゴホ、ゴホ」をやったか数え切れない。朝食の後も、コーヒーを飲んだ後も、風呂から上がった後も、とにかく「ゴホ、ゴホ」を繰り返した。2年以上たった今でも、これをやることがたまにあるほどだ。

 今振りかえってみると、禁煙は、「悪女」と手を切るのと同じようなものではなかろうか。幸いなことに「悪女」と懇ろになったことはないが、いろいろ類推するに、煙草と同じような印象が残るのかも。喧嘩したとかの嫌な思い出よりも、楽しかった時のことばかりを思い出してしまって、それでまたヨリを戻してしまうのでは……
 もし、「悪女」との機会があったら、この「ゴホゴホ作戦」をぜひ試してみたいものだ。


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