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日本語教育機関の模索9

日本語教育機関の模索9 (2001/08/01) 南麻州日本語教育の現状(2002年4月)
―ドラードス日本語学校モデル校―

 南麻州ドラードス市の日本語学校モデル校(城田志津子校長)で、十七日、同州の日本語教師研修会が開催され、同時に地域初の役員懇談会も行われた。同地域の日本語教育も、サンパウロと同様に生徒数の減少、文協学校経営の悪化という問題を抱えているが、日系人社会のまとまりが強く、進歩的な改革も進められている。同地域の日本語教育を考察することで、サンパウロや他州における日本語教育の方向性が見えるかもしれない。

 【大学に日本語講座】
 十七日、南麻州文協日本語学校の役員五人が集まり、今後の学校運営を検討するため地域初の役員懇談会も行われた。
 この席でドラードス日本語学校モデル校を運営する同州日伯文化連合会の小野享右会長は「年間、同校は一万五千から二万レアルの赤字となっており、これをどう埋めるのか、連合会で毎年頭を抱えている」と語っていた。
 小野会長の説明によれば、こうした状況が、ここ十数年続いており、毎年、同連合会の運営委員が奔走、同市から補助を受けたり、父兄や有志からの寄付金などで同赤字を埋めているのが現状だという。「今後、ブラジル社会の中のコロニアという意識で、外国語としての日本語教育として、日系人だけでなくブラジル社会にも協力を働きかけたい」と強調していた。
 同校設立の経緯は、同連合会で、八三年に同地域の日本語普及のセンター的な役割を果たすために日本語普及部を設置、連合会傘下の日本語学校九校の教師が部員となり、教材開発、技術指導などを行ったことから始まる。この日本語普及部が母体となり、八九年にJICA助成のもとにドラードス日本語学校モデル校が設立された。
 こうしたことから同校は、公的な日本語教育の場としての性格を有するという認識のもとに、日本語教育の使命を貫徹し、指導技術、教材開発を真剣に考え、組織的、計画的に運営することを目的としている。
 同校設立当時は、同地域十七支部文協にある十校の日本語学校の支援を行っていたが、近年では、共栄日本語学校、ファッチマ、ラランジャ・リマ、ナビライ、松原植民地の五校だけ、同校の生徒数も減少傾向となっている。
 現在、同モデル校では、幼稚部、初級、中級、上級、成人会話クラスを含めて十一クラス、生徒数八十人、教師八人で毎日授業が行われている。授業料は月額五十レアル。
 同連合会では今後の目標として、ブラジル社会に日本語を浸透させるため、同州立大学に日本語公開講座を設置させる計画がある。同校の卒業生や、日本語に関心を持つ非日系人学生を対象にして、日本語教育の新しい可能性を図ろうという趣旨。
 サンパウロ州やパラナ州には、公立教育の中にスペイン語や日本語、ドイツ語などを取り入れるCEL(セントロ・デ・エストゥード・デ・リングァ)プログラム、CELEMなどが八八年から実施されており、両州二十三州立校で約一千人の生徒が日本語を学んでいる。しかし、南麻州にはこうしたプログラムはないため、独自に大学側と交渉を行ってきた。
 今月十六日には、同役員らが国際交流基金日本語センターの山崎宏樹主幹と伴に同大学を訪れ、具体的な折衝を行い、同モデル校が教室も提供、教師も派遣、さらに、同基金から教材や教師謝金などの助成もできるという破格の条件で話し合いが持たれた。
 同役員は「大学側では、他の外国語教育の関係も検討しており即答はしていないが、十分興味を示しているため、実現の可能性は大きい」と期待している。(つづく・紺谷充彦記者)


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