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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2004年の日記  (最終更新日 : 2005/01/01)
10月の日記・総集編 ゴジラと観音

10月の日記・総集編 ゴジラと観音 (2004/11/03) 10/1記 観音招待

サンパウロにて
偶然の重なりから、その意味を汲むようにさる会合へ。
はじめに「アマゾンの読経」ありき。
作品完成に向けて、ひとつだいぶすっきりした。


10/2記 深い霧

サンパウロ→スザノ→サンパウロ
子供の運動会に出かけた帰り、日中なるも深い霧に見舞われる。
フロントガラスの視界、数10メートル。
まるで雲海のなか。
緊張。
戦後移民のなかには、自動車事故死の人が多いことを思い出す。
土道で激しい土埃の中、反対車線から追い越しをかけてきた車に正面衝突されて即死、といった例を複数知っている。
ハンドルを握りながら合掌。


10/3記 半日仕事

サンパウロにて
家内の実家に家族で。
義妹のパソコンを使わせてもらう。
アングラネットと違って1時間でプッツンじゃないのがありがたい。
それにしても大量の迷惑メール。
ランハウスでは消しきれていなかったものまで削除にかかると、午後いっぱいかかる。
まったくばかばかしい。
イヤハヤイヤハヤである。


10/4記 付録と税関

サンパウロにて
12日はブラジルのこどもの日。
リベルダージに出るついでがあった妻子、妻が息子に日本のマンガ雑誌「コロコロ」を買ってあげる。
息子は付録のポケモンのミニ本に夢中。
夜、娘に僕が先回、日本で買ってきた「りぼん」をあげる。
付録のシールやペンを喜ぶ。
ここでブラジルの問題。
ブラジルでは日本の子供雑誌を輸入すると、本以外の付録は税関でパスしないのである。
付録のない子供雑誌の味気ないこと。
あの付録文化に触れることの出来ないブラジル日系子弟が気の毒。
思えば先日、名前を挙げた二人の先達もブラジルの税関には泣かされた。
豊臣靖ディレクターは機材の通関。
藤川真弘堂守はブラジル富士見観音像の通関。
それを痛感。


10/5記 かけ橋感謝

サンパウロにて
「アマゾンの読経」の荒変作業、「日伯かけ橋の会」の伊豆大島合宿の件に。
この作品の編集ほど、編集中に自分で撮った映像に何度も胸がつまったことはない。
合宿に参加してくれた皆さんに改めて感謝。
作品完成をお楽しみに。


10/6記 アングラ通信

サンパウロにて
今日もランハウスにメールのチェック、日記の更新に。
この店の名刺に日本語で「インターネット」と書いてある。
パソコンはポルトガル語のほかに日本語・朝鮮語・中国語に対応しているが、中朝の言葉の表記がないのでてっきり経営は日系かと思っていた。
ひょっとすると、の思いのあり、店を仕切るオリエント系のお姉ちゃんの出自を聞いてみる。
すると、コリアーナ(韓国系女性)。
アンニョンハセヨと愛嬌を振りまいておくが、思いは複雑。
既に東洋人街には日系のランハウスはないのだ。
4年後にブラジル日本移民100周年を控え、資金の当てもないのに巨大な建物をサンパウロに作ろうという計画があるようだ。
いまどき、自前のランハウスもないエスニック・グループの先は見えているんじゃあ。
韓国系と華僑に過去の非でもわびて資金をねだるつもりかしら。


10/7記 仏像制作

サンパウロにて
午前中に「アマゾンの読経」の粗編集をひとまず終了。
まだ先は長く作業は山積みだが、ひと息である。
美内すずえの「ガラスの仮面」に登場する役所勤務の仏師のエピソードを思い出す。
仏像を作る材料の木材を見ると、既に中に仏像が見え、それを丁寧に掘り出していくという。
さあ、これからはさらに慎重に。
なにせ一人仕事。


10/8記 宿命の父子

サンパウロにて
娘が頭痛と発熱でダウン、日中はトーチャンが看病。
夜、息子がレストランに行きたいと言い、二人で近くの格安シュラスカリアへ。
最近、庶民料金でシュラスコ(ブラジル式バーベキュー)を食べさせる店が増えてきた。
息子と二人で限界まで食って、息子はレフリ(清涼飲料)を2本、親父はカイピリーニャを2杯飲んで800円強。
息子はフライドポテトだけで十分、元は取った。
日本ならカイピリーニャ1杯でこれぐらい取られる。
相変わらずカイピリーニャを砂糖抜きで頼んだのに、溶けきれないぐらいの砂糖をサービスされてしまったが。


10/9記 四連休

サンパウロにて
当地は12日がこどもの日の祝日、ついでに前日月曜は学校等が休みになり、今日から四連休。
拙宅には親父の仕事部屋もなく、編集作業にも家庭に1台だけあるテレビを使うため、基本的にこの間は仕事はお手上げ。
しかし追い込み中のため、家人が寝ている間にボリュームを下げて少しでも作業、日中も家事の合間に少しはできることをしておく。
さあ間に合うかどうか、武者震いがしてくる。
仕事のことで家人に当たらないこと。
家族もそれぞれ大変なのである。


10/10記 PC思案

サンパウロにて
修理に出した拙宅のパソコンは、故障した部品が当地ではなかなか見つからないとのこと。
修理人は部品の出現をもう少し待ってみたら、とのこと。
西暦2000年にコンピューターに詳しい日本の友人が、さる撮影の謝礼に、と気を使ってくれて日本から担いで来てくれたIBM製。
パソコンに詳しいこちらの義弟は、新しいの買ったほうがいいよ、と言う。
予算を聞くと、なかなかの…。
ここのところ、機械関係でモノイリが続いている。
さて、どうすっか。


10/11記 アナコンダの夜

サンパウロにて
深夜、家族が寝静まってから、少しでも編集作業を、と起床。
モニター代わりのテレビをつけると、何やらいかにもオカムラチャン好みと言われそうな映画をやっている。
ついつい見てしまうと、なんと「アナコンダ」だった。
エンド部分でもあり、参考作品として鑑賞。
あまりの作品に、新聞のテレビ欄の解説を読む。
いったいあの船で血なまぐさい戦いを繰り広げていた男女は、どんなお宝を探していたのか。
解説によると、ドキュメンタリー撮影クルーとのことで、ギャヒン。
設定はアマゾンとのことだが、あの植生はせいぜいフロリダぐらいの感じだねえ。


10/12記 無縁仏論

サンパウロにて
知人の労作、無縁仏についての論文を再読。
今回は特に、しみた。
無縁仏に対峙するものとして、家・国家・天皇制といった権威がみえてきた。
我ながらナカナカとんでもない仕事に突っ込んでしまったぞ。
さあ、編集しましょ。


10/13記 郷愁は…

サンパウロにて
現在、編集中の「アマゾンの読経」は拙作「郷愁は夢のなかで」をほうふつさせるシーンが多い。
自作をランク付けするようなつもりはないが、これまでの作品のなかで、代表作はと言えば、いろいろな意味でこの「郷愁は夢のなかで」ということになりそうだ。
さあ、「アマゾンの読経」はどうだ。
投入したものは様々な面で「郷愁は夢のなかで」の数倍である。
乞う・ご期待。


10/14記 12月4日・友引

サンパウロにて
友人の尽力により、現在、編集中の拙作「アマゾンの読経」の完成記念上映会が12月4日、東京で予定されている。
今のところ、この作品の上映予定はこれのみ。
作品の長さが5時間近くになりそうで、会場の手配を心配したが、友人が無事クリアーしてくれた。
4日の午後から上映開始の予定。
作品は3部に分けるつもり。
途中にコーヒーブレイクもあるゆったりとした上映会を計画中。
暦を見ると、12月4日は友引。
どうぞ予定表にマークされんことを。
産経のパクリ女記者関係者はお断りします。


10/15記 呪いのSONY

サンパウロにて
ようやく発行された新しいBUMBAの知人の記事を読んでいて、SONY、特にブラジルとアメリカのSONYのカスタマーサービスに怒りを覚え、書こうと思っていた。
すると本日、編集中にトラブル。
結局SONYさんの欠陥ビデオテープのせいと判明。
油断も隙もないぞ。
怒りの件は、改めて。
今は怒っている暇はない。
まるで「生きる」の主人公だぜ。


10/16記 ゴジラと観音

サンパウロにて
息子に付き合って、ゴジラ話やビデオに相槌を打ちながら「アマゾンの読経」のことを考えていて意外なことに気づいた。
かつて「ゴジラ」論で、なぜゴジラが南島から帝都を目指して、皇居を攻撃せずに還っていくのかを考察した鋭いものを読んだ。
移民の無縁仏の集成である富士見観音が望んでいるのは決して千代田区千代田1番地ではないのだ。
今回の作品からははずした強烈なエピソード…
1984年の新ゴジラが三原山に没したのも見逃せない。
富士見観音堂守・藤川真弘はその2年後にアマゾンで入水。
かつて国家改造をもくろんだ男の最期だった。


10/17記 アナコンダと花嫁移民

サンパウロにて
先日の日記に映画「アナコンダ」について書いたときはうっかりしていた。
現在、制作中の「アマゾンの読経」では大蛇アナコンダと日本からの花嫁移民の闘いが紹介されるぞ。
ちょうど、そのくだりを編集。
お楽しみに!


10/18記 箱車 面白人生

サンパウロにて
観音コネクションでいただいた米原ろしゅう著「箱車 面白人生」を編集のあいまに読む。
重度の障害を抱えながら体制と闘っている本人の自伝。
感動。
特に「新人」の車椅子生活者との交流には泣かされた。
感謝。


10/19記 ジャカランダ降る

サンパウロにて
雨模様。
息子の遠足。
学校に送り届けてから、バスの出発まで待機。
手持ち無沙汰で邦字紙を広げていると、紫色のものが落ちてきた。
ジャカランダの花。
手にとって観察。
ブラジルでは珍しく、日本的な感性に訴える色合いである。
諸々を想う。


10/20記 人を釣る

サンパウロにて
「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」。
インターネットいじりに町に出る。
日本ブラジル交流協会の研修生にバッタリ。
「釣りに行くみたいなスタイルですね」と言われる。
なかなかいいことを言ってくれる。
そう、イエスの福音を網にして、観音を餌にして人を釣ろう。


10/21記 ベジタルな出会い

サンパウロにて
近所に中国人の経営らしいベジタリアン・レストランがオープンした。
アマゾンはマナウスの人のインタビューの本編集作業中。
一時中断、銀行の用事もあったので、行ってみる。
なかなか、よろしい。
隣に、日本人の一家。
どういうバックグラウンドの人たちだろうと思っていると、親父さんが、「どこかでお会いしていませんか」
とやってくる。
なんとマナウスにいた人だった。
共通の知人の話など。
この人、拙作「アマゾンの読経」とも知人である。
まあ、いろいろとあるもんだ。


10/22記 SOM DIRETO

サンパウロにて
夜、友人のコンサートへ。
いやな性格で、つい自分の作品に使える曲がないかと考えてしまう。
そして追込み中の拙作の音の構成について、どんなもんかと思いをめぐらせてしまう。
今は家庭のしょぼいモニターで作業だが、日本のスタジオできちんと音を聞くのが楽しみ、で不安もあり。


10/23記 ちるちるメチル

サンパウロにて
ここのところ、夕方になると目がしょぼつく。
編集作業で、ノイズのチェックでモニターを凝視しているせいか、タマネギの刻み過ぎか。
今日は朝からひどい。
飛行機でもらってそのままのアイマスクをかけて目を休める。
昨晩、だいぶカイピリーニャをいただいた。
時々、密造ピンガを飲んで死亡、なんて記事を当地では目にする。
ひょっとすると…
そんな折りも折り、夕方、久しぶりに全盲の友人から電話をもらう。
この仕事が片付いたら、彼とぜひ交歓しよう。


10/24記 ブラジルの滝…

サンパウロにて
関連サイト中の「住めばブラジル」が更新。
この連載、6ヶ月契約で最長1年ということだったが、1年を経て、もう半年延長を依頼される。
これも皆さんのアクセスのおかげ。
現在、修行中の身のため、しばらくアリネタとなるが。
訪日まで一月足らずで、原稿3本あり、パソコンの見通しはまだ。
イヤハヤ。


10/25記 海?山?

サンパウロにて
月曜はただでさえ作業のエンジンがかかりにくい。
それに加えて知らない人から電話。
要は自分の活動をビデオで撮ってくれということ。
今はそれどころではないことをお伝えする。
再び電話で強引に今日の午後、ぜひ時間を作って会ってくれとのこと。
約束の時間に遅れてそのおじさん登場。
電話と同じ話を繰り返される。
こちらの質問に納得のいく答えはなし。
相手に対する興味も想像力も不足する人はちょっと…


10/26記 生きている狂信

サンパウロにて
今日の日本語新聞2紙を見て愕然。
現在のブラジル日系社会のリーダーのつもりらしい人の、移民100周年を迎えるにあたっての講演内容。
今日のタイトルからお察しを。
こんなのとは関わらずに、僕は僕のクロノロジーでやる。


10/27記 ナカスミる

サンパウロにて
拙サイトを見たという在日・日本人から頼まれごとをした。
お金は払うという。
金はともかく、何かを頼まれると気になってしょうがない損な性分。
クソ忙しいなか、時間を割いて、なけなしの身銭を切って希望に応じたが…
どうやら先方は実費も払う気配なし。
こういうのを「ナカスミる」と呼ぼう。
BUMBA最新号(ようやく完成!)の拙稿「聞書き・中隅哲郎伝」②を参照されたし。
著者は①より気に入っている。
役どころはまるで「生きる」の日守新一だぜ。


10/28記 5時間5分

サンパウロにて
ようやく「アマゾンの読経」本編集を終了。
尺は締めて5時間5分となった。
「郷愁は夢のなかで」の2倍に少し欠ける。
長尺のため、3部構成とした。
まだこれからテロップ原稿製作、カット表・シート表製作、キュー合わせ等々、訪日前のひとり仕事は続く。


10/29記 移民と性産業

サンパウロにて
本日付のサンパウロの邦字紙には感無量の記事あり。
サンパウロ近郊の町で、戦後移民が逮捕される。
この男、ローティーンの少女の売春をやっていたという。
売春をさせていた13歳の少女に、処女のクラスメイトを連れて来い、と命じたとか。
処女がウリで、10歳の少女にも売春をさせていたという。
顧客は日系が中心とか。
ブラジルにおける日本移民の、性産業への進出ぶりももっと言及されていい。
さるモーテル経営者は今や企業の経営倫理を説き、サンパウロの日本語教育界の重鎮となっている。
日本語教育論はいいから、倫理的なモーテルの利用法、更に倫理的な処女の売買についてのお説を承りたいものだ。


10/30記 記憶のパラナ

サンパウロにて
アマゾンでは、本流から別れて、再び本流に合流する流れをパラナという。
自作を作者が作品以外の方法で説明するのはヤボのそしりを免れまい。
でも、つい、一部のマニアの方に。
特に今度の拙作、パラナがキーワードのような気がして。


10/31記 チクワの角

サンパウロにて
歯痛から先日、歯医者に行くが、これといった原因を見つけられず。
今朝、チクワをかじっていて激痛が走る。
相手はチクワ…
豆腐の角で死ぬこともできそうだ。
痛みで眠れず、我が家の主治医の世話になる。
NHKとの最後の仕事で、奥歯を割った一件を思い出す。
安いギャラが吹っ飛んだ。


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岡村淳 :  
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