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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2004年の日記  (最終更新日 : 2005/01/01)
11月の日記・総集編 無縁仏 FINAL WARS

11月の日記・総集編 無縁仏 FINAL WARS (2004/12/02) 11/1記 西向く侍

サンパウロにて
4連休の三日目。
町の人通りも少なく、物事は進まないだろうと思っていたが、進展もあり。
夕方、かかりつけの歯医者をマークできたのはラッキー。
1本、歯が割れかけていたのだ。
「硬いもん噛んだね?」
と言われるが、チクワぐらいしか…
出費は大きいが原因がわかって何より。
11月、ノベンバーステップ、僕の月だ。


11/2記 ハメマラ…

サンパウロにて
今日は休日。
子供たちがテレビを占拠して仕事にならず。
覚悟を決めて、日本から担いできていたオウムがらみの本を読む。
ついつい読みふけり、目に負担を感ず。
人生も中盤、歯に、目に…。


11/3記 天皇選

サンパウロにて
日系三世の女性歯科医との会話。
先日のサンパウロ市長選を受けて、選挙の話題。
「日本では、インペラドールを選挙で選ぶの?」
インペラドール=エンペラーである。
さすがのマッカーサーにもこの案はあったかどうか。
天皇杯ってのはよくあるけど。
天皇選となったら、誰を選ぼうか。
故人となったが、僕はクロサワ天皇かな。


11/4記 タクアン効果

サンパウロにて
夕方、食事の支度をしていると、娘が泣き顔で妻と帰宅。
明日、2科目の試験があるのに、テレビの連続ドラマを見る云々が原因という。
父と弟は雲行きに息を呑む。
今日は麻婆豆腐を作った。
これにはタクアンが実によく合う。
娘は部屋にこもりっきりと思いきや、泣きながら食卓に。
泣きじゃくりながら食べ始める。
「タクアンをたくさん食べると悲しみが吹き飛ぶよ」
とオヤジのデマカセ。
聞いているのかどうか、モリモリとお代わり。
あとで家内に「ホントに悲しいのが飛んでった」
と言ったとか。
それにしてもマッキッキのタクアンだった。


11/5記 タカハシさん

サンパウロにて
近所の日本食品店で声をかけられる。
何年ぶりかの人で、雰囲気も変わっていて、少しためらってから
「タカハシさん?」
と聞くと、ビンゴだった。
近くでカフェを飲むが、別の高橋さんにそっくりになった。
話は尽きないが、子供の迎えがあるので、再会を期して失礼する。


11/6記 聖市暮らし

サンパウロにて
土曜日だが、何かと車の運転。
正直、あまり運転は好きじゃない。
土日は交通量は少ないが、平日とは違ったとんでもない異常者(車)が多いので。
午後は娘が友達の家に呼ばれたのはいいが、夜、車でお迎えに。
メンドクサイが、身代金のディスカウント交渉をするよりいいか。
近場では、こちらのオイッコの学校で最近、誘拐事件があったとのこと。


11/7記 売文業

サンパウロにて
締切り近い原稿を、他人様のパソコンを借りてホッとメールに入力して送信。
僕の書き物の中では一番やわらかい連載で、ネタもアリモノを面白おかしくリライト。
歯科治療費のほんの何分の一にはなる。
敬愛する大・宮本常一も家計のためにだいぶ書きまくったという。
たしか平塚らいてうにもそんな時期があったのでは。
売「映像」業はもうしないつもりだが。


11/8記 病と飢えを身近に

サンパウロにて
訪日前の体調調整で、断食。
数週間のブランクがあると応える。
軽い病にかかった感じ、ひもじさもあり。
病や飢えを日常に取り込むことで、かえって少しだけ豊かになれる思い。
日常復帰後の飯と酒が楽しみ。


11/9記 市の起源

サンパウロにて
いくつかの所用で、リベルダージへ。
まあよくいろんな人に会うもんだ。
身近な盛り場の楽しみの一つは、人に出会うことかもしれない。
魏志倭人伝に書かれた倭国の市についての記述を思い出す。
市や町の起源。
そういえば怪しからん人間を見かけたぞ。
僕はしつこいもんで。
いずれまた。


11/10記 微笑ましい記事

サンパウロにて
今日の邦字紙に微笑ましい記事あり。
日本の記事の転載で、今の天皇の発言について。
今は修行中の身のため、いずれ書きましょ。


11/11記 触媒人間

サンパウロにて
それ自身は変化せずに、相手の変化の速度を速めるのを、触媒という。
触媒の専門家に聞いてみると、実際に触媒を使っていると、触媒は変化しないことはなく、数回の使用でヘロヘロになるとのこと。
ドキュメンタリストとして、そんな触媒でありたい。
数回でヘロヘロは困るが。
今朝、さる取材先に電話をして、取材後のドキュメンタリスチックな近況をうかがい、思いを新たにする。


11/12記 相変わらずハレンチ

サンパウロにて
8月の当日記で公表したハレンチ女新聞記者への苦情が僕のもとにに新たに寄せられる。
ご報告のとおり、この女は僕が日本の知人に現在、取材中の人についての報告を送ったものを見て、岡村など無視して自分のネタにしようとしてあちこちでウソでたらめを並べて取材を強行している。
結果的には僕の取材のせいで敬愛する善良な市民に迷惑が及び、心苦しい限り。
どうしてくれようか。


11/13記 ヤリの取材

サンパウロにて
日本のテレビ界の草分け・吉田直哉さんが「ヤラセでなくて、ヤリ」についてエッセイに書いていた。
取材者が被・取材者に「ああせい、こうせい」と本来、ありえないことを依頼するするヤラセとは逆に、被・取材者が取材者の意向を考慮せずに「取材用に」本来、ありえないことをアレンジして取材を要求することである。
「すばらしい世界旅行」の取材で中国チベットに行ったときはなかなかであった。
今は本業の大詰めでそれどころではないのだが、「義」のある筋から「小ヤリ」が入ってしまい…
義があるので詳細は控えるが、イヤハヤであったよ。


11/14記 復活サービス

サンパウロにて
訪日を数日後に控えて、義弟が新規購入のパソコンをインストゥールしてくれる。
勝手がわかるまで、久しぶりのイラつき。
およそ70日ぶりの復帰。
その間メールを控えてくれていたお気遣いのアナタに感謝。
さて復活記念のサービスとしては人のフンドシになるが、
「上映会のお知らせ」にある「フマニタス改訂版」の上映会、
町田市民にはなりきれないがゼヒ見たい!
というお問い合わせをいただいているので、
主催側からちょうだいしている岡村ワクを数名の方にサービスしませう。
ご希望の方、オカムラまでご一報を。
これなんか、いくらでもパクってもらいたい話だが、
別件のパクリ関係者はお断り。
あまり人をバカにしないでね。


11/15記 御無沙汰御免

サンパウロにて
拙宅に新たにパソコンを設置したが、修理に出した前のパソコンは帰って来ないまま。
そのため、これまでのやり取りやメールアドレスがわからなくなって失礼してしまっているアナタにごめんなさい。


11/16記 被爆者ですか?

サンパウロにて
訳あって、先日、在ブラジルの広島・長崎の被爆者の検診を行なった医療機関を訪ねる。
おかげさまでナントカ新聞みたいな問答無用の肩書きがないので、目的を説明していると、
「あなたも被爆者ですか?」
と聞かれる。
アメリカの原爆投下から59年。
最も若い胎内被爆者でも58歳だ。
先日は歳を聞かれて1950年代生まれと言って、年寄りぶりにあきれられてしまった。
いつまでもガキのつもりが。


11/17記 無縁仏 FINAL WARS

サンパウロにて
さてついに拙サイトのトップに記してしまったように「アマゾンの読経」完成に向かっている。
なにせ一人仕事のため、思わぬチョンボをどこまで防げるか。
今回、唯一の上映の機会は12月4日。
ひとつ、気になることがある。
12月4日は「ゴジラ FINAL WARS」の初日なのだ。
まあ、関係者でこんなこと気にしてるの、俺だけだろうな。
この作品にはゴジラの他に10数匹(頭?)の怪獣が登場するという。
モスラやラドンのような大御所から、クモンガ、カマキラスにエビラ、キングシーザーといったシブいのまで出てくるらしい。
ちなみに今回の拙作の方、これまで岡村ドキュメンタリーの主役や味のあるバイプレイヤーをつとめてくれた人が、少なくとも4人は登場する。
愛視者の皆さん、お楽しみに。
主役は誰だ!


11/18記 遺言

サンパウロ→
いざ出陣。
それにしても今年は機械もんのトラブルが続いた。
万が一の備えはあるに越したことはなし。
ブッシュ再選となったアメリカの空港での待ち時間のやたら長い訪日スケジュールとなってしまった。
僕と撮影素材に万が一があっても、その気の人がいれば今度の作品を完成させられる手はずはした。
アナタ、その時はお願いね。
もちろん産経ハレンチ女みたいなのは固くお断り。
悪の手に渡すぐらいなら、無にしよう。
インディオの専門家ヅラしているブラジル女が、それこそ僕が訪日してインディオのためのボランティアをしている時にサンパウロの拙宅に乗り込んで来て、僕のオリジナル撮影素材を家人にウソをこいて持って行ってしまい、いまだに返さないという事件もあった。
女は僕にアカンベーを決め込んでいるが、相変わらずインディオをえさに日本人もカモにしているようだ。
もううちの家人はだませないぞ、悪党どもめ。


11/19記 シカゴのスーちゃん

→シカゴ→
昨晩、サンパウロ国際空港で罰ゲームなみの仕打ちを受ける。
ブラジル人とはいえ、アメリカの航空会社に勤めるとシャットになると見た。
しかも日系人まで。
屈辱に耐えた後で、不思議な出会いが。
アマゾン在住の日本ブラジル交流協会生OBとシカゴまで一緒だったのだ。
「アマゾンの読経」がらみの話も出る。
生きてると、予知も計算もできない面白いことがあるもんだ。
シカゴのスーちゃんグッズは、帰りに買おう。


11/20記 季節のない国

→東京
成田着はもう冬の日没後。
無事荷物も到着、イヤハヤ。
実家の兄が迎えにきてくれる。
長袖シャツにベストのスタイルで、寒からず。
実家に向かう道中、すでに暗く、季節の植生は感知できず。
さて、日本モードだ。


11/21記 模型の町並み

東京にて
時差ぼけもあり、ひたすらグッタリしていたいが、明日からの決戦に備え、外にでる。
近所を歩いて、日本の家々はこんなに小さかったっけ?と初めて持つ印象。
日本の道路の狭さはブラジルで運転するようになってから、痛感していたが。
エコノミー症候群で俺の背が伸びた?
インターネットカフェのある繁華街に近づくと、変な人たちが多い。
変な国に来てしまった。
早くノート型パソコンを買おうか。


11/22記 三位一体

東京にて
本日より新宿の編集スタジオにてオンライン作業。
ドキュメンタリーを作ること、移民であること、そして生きるということが僕にとって同じ意味のことなんだなと気づく。
「アマゾンの読経」、まずは大過なく一本につながった。
さあ、封印を解かん。


11/23記 鼻血入定

東京にて
今日は5時間あまりの作品のナレーションを一気に録音。
前代未聞。
予定スケジュール中に終わるか、料金は、身心は持つかなどだいぶ気をもむ。
途中、鼻血が出て作業中断。
それがよりによって藤川真弘師がアマゾンで入寂した場所に、遺族と訪ねるというシーンのナレーションを読まんとした時。
この仕事のプロとなって20年余り、ナレーション録りで鼻血とは初めて、現場で鼻血が出たのも記憶にない。
藤川師は熱帯林に埋もれたアマゾンの日本人墓地を執念で発見した後、原因不明の病で何日も苦しんだと書き残している。
鼻血ぐらいで済んでありがたや。


11/24記 城の東西

東京にて
今日はスタジオの都合で、拙作の作業は一日お休み。
そのおかげでナレーション5時間15分一本勝負の疲れも癒せ、諸々の雑用を進められる。
盛り場に出たついでに、というか所用のひとつ、そして今回の訪日の楽しみのひとつだった「ハウルの動く城」を鑑賞。
まさに世界の、になってしまった宮崎ワールド、今回はだいぶ「お西」寄りだが、僕は「お東」の方が好き。
そして作家の作った子供も見るフィクションの作品だってこれだけわかりにくいのだから、俺のやっているドキュメンタリーなぞ、そんなにわかりやすくてたまるか!という居直りの気持ちを強くする。


11/25記 オフレコカット

東京にて
サンパウロでの編集作業で、私としたことがどうしたことか、本編集で抜けてしまったカットがある。
東京のスタジオ編集で挿入するつもりが、また抜けてしまった。
どうするか、そしてその意味を考える。
まあいろんなことがある。
どういうカットかは、関係者以外にはナイショ。


11/26記 テレヴィジョン

東京にて
テレビの守護聖人である聖クラーラ。
彼女は修道院で病床にありながら、遠隔地のことが見ることができたという。
そもそもテレヴィジョンとは遠隔地を見ること。
今日もスタジオの都合で一日、当方の作業はお休み。
実家のテレビは映像も音声もひどく、ビデオ端子もイカれたため、買い換えることに。
近所の電気屋へ。
設置後、さっそく母と、不忠息子がブラジルで撮影した孫たちの成長記録のビデオを見る。
東京のお茶の間にいながらにして、ブラジルの孫の日常が見れる。
テレヴィジョンは使いようである。


11/27記 気分はリベルダーデ

東京にて
ビデオ編集スタジオに通うのに、新大久保駅と大久保駅、そして新宿駅をその時の気分と状況で選んでいる。
今朝は新大久保ルートで行くと、中国語と韓国語のインターネットカフェを発見。
これは気になる。
本日、作業が無事終了、荷物は多いが件の店にチャレンジしてみる。
ビルの5階にある中国語対応の店は、サンパウロはリベルダーデの中国人経営のランハウスの雰囲気。
かなり人民でごったがえしている。
4階の韓国語対応の店はそこそこの人の入り、こちらに挑戦。
皆さん何をしているのか見回すが、ほとんどがゲーム。
ハングルは見かけない。
ワイドショーやスポーツ紙の話題はヨン様来日。
お忍びでジュン様の隣の席で、というのはもちろんウソでした。


11/28記 移民VS公民

東京にて
町田の中央公民館で、拙作「赤い大地の仲間たち」の上映と講演。
「アマゾンの読経」の仕上げのスタジオ作業が前日まで続いていたため、久しぶりに「赤い大地…」を大音響で見ると、細かい音声の処理やミキシングのことばかり気になってしまう。
この公民館は、町田駅前の109のビルの中にあるのだが、公民館という響きが山田洋次の「同胞」の世界みたいで懐かしい。
移民同様、死語に近いのでは?
上映会を通じての出会いが思わぬ芽生えをしそうで、楽しみ。
この企画を実現してくださった方々に感謝。


11/29記 漫画喫茶行脚

東京にて
日中、いくつかの所用をこなし、夜、編集スタジオで素材をピックアップ、新宿郵便局よりダビング業者に発送。
明日からの地方周りを前に、新宿でちょっと入りにくい漫画喫茶を見つけ、チャレンジ。
いくつものメール送りでいつもより長くなる。
今回、新宿の漫画喫茶は4軒目。
ここは悪くはないが、タバコの伏流煙が激しい。
髪も衣服も他人の煙で臭くなる。
精密機械は使用者がタバコを吸うと、5パーセントは寿命が短くなると聞いたことがある。
喫煙者からは追加料金を取れ!
喫煙者は隔離せよ!


11/30記 3分の1の開眼

東京→兵庫→山口
今朝より地方周りの始まり。
メインは山口の、藤川辰雄さんの遺族および関係者に拙作をお見せしてご挨拶すること。
時間の関係で「アマゾンの読経」第一部のみのお披露目となったが、然るべき手ごたえあり。
特に山口弁での登場人物のしゃべりが受けていた。
ひと安心である。
ほんの3分の1だけど。


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岡村淳 :  
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