消えた炭鉱離職者を追って サンパウロ編 (2013/12/26)
撮影:西暦1999年 制作:西暦2013年 製作・構成・撮影・編集・報告:岡村淳 1時間54分
1960年代、日本は石炭から石油、そして原子力へとエネルギー政策を大きく変換した。 国内各地の炭鉱は次々と閉山されて、政府と大手炭鉱を経営する企業は、失業した炭鉱労働者を南米に農業移民として送り出しにかかった。 およそ数千家族が日本を離れたといわれているが、実数は定かではない。 自ら炭坑夫として地の底ではたらいた記録文学者の上野英信は1974年、かつての同僚たちを追って広く南米4か国を200日あまりにわたって訪ねて回り、『出ニッポン記』という大作を遺している。 上野の最初の南米の旅から25年、逝去から12年。 上野を師と仰ぎ、筑豊の閉山炭住地域で伝道所を開く犬養光博牧師は、上野の足跡と炭鉱離職者の今を訪ねてブラジルを訪問した。 上野に私淑して『出ニッポン記』を座右の書とする岡村は犬養牧師の旅の案内と記録を引き受けるが、サンパウロ空港での出会いから間もなくふたりはニセ警官の強盗グループに襲撃されてしまう。 からくも難を逃れた犬養牧師は、ブラジルで上野と親交のあったサンパウロ人文科学所のメンバーらを訪ね、お互いの上野像を交換し合う。 さらにサンパウロの日本人社会を対象に上野英信についての講演会を行なうが、聴衆からは予想外の反発を浴びることになってしまった。 そしてリオデジャネイロとアマゾンへの調査の旅を前に、サンパウロで北海道からの炭鉱離職者に出会うこととなるが…
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