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岡村淳のオフレコ日記
     岡村淳アーカイヴス  (最終更新日 : 2021/04/30)
ブラジリアングラフィティを読む

ブラジリアングラフィティを読む (2020/10/23) 西暦2020年のCOVID-19流行以来、サンパウロで岡村が日課としてはじめたグラフィティのスナップ採集に関連する記事をご紹介します。

〇「B-side」 2020年5月23日付より

記録映像作家の岡村淳さんが、サンパウロ市内を中心にグラフィティの撮影を続けているそうですよ。なんと既に200日以上。引きこもり上等な私には、到底できない取り組みです。インスタグラムはこちら↓
https://www.instagram.com/p/CGm4LJgnYzA/

この手の作品には、「陽の当たる作品」と「陽の当たらない作品」があるような気がします。不動産のオーナーなどが依頼して描かれたものが概して陽の当たる作品で、陽の目を見た作品。リオデジャネイロでオリンピックが開催された時には、この手の作品がいっぱいありましたね。文字通り、太陽が降り注ぐような場所に堂々と描かれています。もうひとつが、行き止まりの道にある塀や、歩行者もめったに通らない階段の横の壁、放置されたような空き地の塀などに描かれる陽の当たらない、陽の目を見ない作品。陰鬱な場所柄が多いからか、しばらく放置され黒ずんでいたり、文字通り「シケた作品」なことが多いのです。が、撮影がはばかられるような治安の場所が多く、一期一会的な心持ちで眺めることになるのがこちらの作品の特徴でしょうか。

で、この陽の当たらない作品は、さらに2つに分類されます。ひとつは、「こういうのを描きたい!と思っていたらあそこにスペースがあったからこっそり描いてみた」というもの。要はひとつの完結した作品。もうひとつは、「この壁を見ているとこの絵を描きたくなって描いてみた」というもの。こちらは、その絵の周囲が借景になって成立しています。言わば、陰陰とした場所に陽が差しているような作品。「今はシケていても、この人はいずれ陽の目を見るかも…」なんて思える作品なのです。ずいぶん昔、日本で〇金〇ビなんて分類法がありましたが、グラフティ作家に〇金〇ビの法則があるとすれば、まさに、技巧以前のこうした思考(センス)じゃないでしょうか?

ちなみにサンパウロ市では、市の法律で「家屋などへの落書きは不動産の持ち主が消す義務を負う」のです。この法律ができた当時、「被害者が金銭的・時間的負担をするって、おかしくない? 仮にどこかのレストランをクライアントに持つ広告代理店やったら、競合するレストランの壁にバンバン落書きして相手に金銭的圧力を加える部隊を編成するわ!」なんて思ったものでした(こらこら)。

(註:「B-side」は在サンパウロのジャーナリスト美代賢志さんが運営するブラジルの経済ニュース速報とデータベースです。
ウエブサイトは、 http://www.brasilforum.com/


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