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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2005年の日記  (最終更新日 : 2006/01/01)
4月の日記・総集編 シュラスコ史観

4月の日記・総集編 シュラスコ史観 (2005/05/01) 4/1記 ドキュドキュ

サンパウロにて
自作の件と、他人様の作品の鑑賞、何かとドキュメンタリー尽し。
おまけに今日配信のドキュメンタリー映画のメルマガ「neoneo」33-1号に拙稿「ブラジルのBURAKUMINS」が掲載されている。
ワードで作った原稿をUSBメモリーで別のコンピューターに移し、添付ファイルで送れなかったため、本文にコピーして送稿したのだが、なんだが読みづらい割付けになってしまい、文字化けまであるが。
それはともかく、内容はエイプリルフール関係なしのIt's All True。
「neoneo」誌のバックナンバー閲覧、およびメールマガジン配信解除はこちらまで。
 まぐまぐ配信   http://www.mag2.com/m/0000116642.htm
 melma!配信    http://www.melma.com/mag/39/m00098339/


4/2記 平等な死

サンパウロにて
午後より、ここぞとばかりにドキュメンタリー映画を4本ハシゴ。
インターバルに後ろの観客が「ローマ法王が死んだよ」とささやくのを聞く。
帰宅後、確認。
テレビではローマ法王特集番組を流す局もあるが、最大手局ではドタバタのバカ番組。
さすがにこれはちょっととも思うが、世界最大のカトリック信者国でありながら、祖国日本のように一人の死でメディアの娯楽放送が何日も禁止されるよりいいだろう。
ちなみに日本の大手新聞3紙のオンライン版はいずれも「死去」とあっさりとした語句を使っていた。
しかめっつらしい語句を使うのは皇族に限るのだろうか。
人の死をランク付けするのには吐き気がする。
お布施の額で決まる葬式仏教の戒名の院号など、グロテスクそのもの。
生物学的な人間の死そのものもランク付けする思考が、グロテスクな「BURAKUMINS」差別を生んだと思う。


4/3記 穴居人

サンパウロにて
ブラジル国際ドキュメンタリー映画祭は、サンパウロ・リオ・ブラジリアでほぼ同時に開催される。
サンパウロだけで上映会場は8箇所。
だがこれが東京でいえば渋谷と銀座と池袋に拡散しているようなもので、ハシゴをするとなるとナカナカである。
今日は最も見たい作品があるため、会場のハシゴにタクシーまで使用。
昨年の大賞を受賞したブラジルの「A Alma do Osso(骨の魂)」という作品。
ブラジル内陸の岩山で、41年にわたってひとりで穴居生活を続けているという71歳の老人の話。
それだけで、そそるでしょ?
まあこちとらドキュメンタリー映画の評論家を気取るつもりは毛頭ないが、この作品については別ワクで書くかな。


4/4記 奇書ゲット

サンパウロにて
在日本のブラジルコネクションの友人から小包が届く。
ブラジルがらみの奇書が2冊。
そのうち1冊は、かつて同じ本を奥地に住む知る人ぞ知る日本人の古老からちょうだいしたことがる。
サンパウロでお世話になっていたさる人にその話をすると、ゼヒ貸してくれということでお渡しした。
ところがその人に返してくれとも言い出せないうちに、そのまま黄泉路に発たれてしまった。
未亡人にその話をして書庫も見させていただくが、見つからず仕舞いだった。
あの本は古老の書き込みもあっただけに残念。
さて今回のもう1冊、ざっと見てみるががこれまた奇書だ。
思えば拙宅に帰って来ない本は少なからず。
この本は禁帯出のシールを貼ろう。


4/5記 因果者

サンパウロ→北パラナ
早朝より、一路北パラナへ車を走らせる。
最終目的地の前に、現在、継続取材中の田舎町の託児所に立ち寄る。
最近、栄養失調児が二人も入ったという。
心のなかで「やった!」と思い、つい「いいですねえ」と口に出しそうになる因果者である。
思えば、初めてブラジルで栄養失調児に出会って10余年。
やはりこの北パラナとアマゾンのパラ州だった。
今回はそれなりにドキュメンタリー屋としてオチをつけるつもり。


4/6記 ダウンの理由

北パラナにて
今回の旅はなんと女連れである。
とは言ってもサイト上に公表するぐらいだから、残念ながら艶っぽい関係ではない。
サンパウロでお世話になっている人が引き受けた日本からの研修生。
ぜひ岡村の出入りしているフマニタスなどの施設を見学して関係者のお話を聞きたいとのことで、ご案内することになった次第。
ところが彼女、今日の昼からダウンして寝込む。
夜にはピンガを飲むほどまで回復したようだが。
昨年、在サンパウロの友人である日本人夫妻をここにお連れした時も、女性の方が寝込んでしまった。
何かあるのかね。


4/7記 微笑に戦慄

パラナ州内移動
午後、2月から長期取材を開始した託児所に到着。
さっそく栄養失調児にアプローチ。
家庭の都合で引っ越したり、託児所に来なくなってしまうケースが多いので気が急いていた。
まずは1歳3ヶ月、体重6キロの幼女。
彼女の見せてくれた微笑に戦慄する。
栄養失調児の微笑み、これは想定していなかった。
また現場に教わる。


4/8記 幼児失踪

北パラナにて
まったく託児所の子供たちの記録はよくテープが回ってしまう。
いったいどんな作品になろうとしているのか。
全貌はまだ杳としているが、撮れた!というシーンがたまっていく。
今日は幼児失踪事件。
自らの幼年期を振り返る。


4/9記 焼肉入門

北パラナ→サンパウロ
午後から今回メインの撮影。
それを前に午前中、町の教会関係のボランティア労働者たちのためのシュラスコ(ブラジル風バーベキュー)の手伝いをすることになる。
今までシュラスコは食べる方での協力ばかり、作る側は初めて。
大体のコツはわかった感じ。
今度、郊外に行って家族相手にやってみよう。
午後の撮影の成果の方はムムム、仕切り直しだ。


4/10記 こけら落とし

サンパウロにて
今朝、ブラジルに到着した日本ブラジル交流協会第25期研修生たちを相手に、今日と明日にわたって拙作ビデオの上映とトークを仰せつかった。
場所はリベルダーデの格好の場所に知人が新たに作ったミニシアター機能を持つスペースを使わせていただく。
ビデオプロジェクターとスクリーンのこけら落としを拙作でさせていただく。
飛行機の長旅、時差、新環境などでヘロヘロだろうに、若者たちのリアクションが実によかった。
いい上映会だった。
今日と明日のメニューを以下、ご紹介。
事務局からは移民についてとお題をちょうだいしたが、僕なりに考えて「ヒトはなぜ移動するのか」というテーマに広げてみた。
悪くなかったぞ。

ビデオ上映スケジュール 
講師:岡村 淳(記録映像作家)  http://www.100nen.com.br/ja/okajun

<第一日> 2005年4月10日(日) テーマ:ようこそ移民の大陸へ

14:00-14:20 トーク 「始めに移民ありき」

14:20-15:20 ビデオ上映
「第二の祖国に生きて 映像作家の記録したブラジル移民」
「日曜スペシャル」NHK-BS1 1998年放送 構成:中根健 語り:上田早苗 報告・映像:岡村淳
日本ブラジル交流協会OBの中根ディレクターの取材班が、ブラジル各地での岡村の移民取材に同行した。豊かで多様な日本移民の世界を紹介。

15:20-15:35 質疑応答と小休止

15:35-16:15 ビデオ上映
「大東亜戦争は日本が勝った! ブラジル最後の勝ち組老人」
「映像記者報告」東京メトロポリタンTV 1996年放送 構成・撮影・編集・報告:岡村淳
アマゾン源流地帯で古代遺跡の調査を続けていた岡村は、地元で不思議な日本移民の噂を聞く。その人は、今でも日本が第二次大戦に勝ったと信じているという。6年間にわたる勝ち組老人との交流の記録。

16:15-16:30 質疑応答と小休止

16:30-17:43 ビデオ上映
「移住四十一年目のビデオレター グアタパラ編」
自主制作ビデオ 2003年製作 音楽:青木カナ 制作・構成・編集・報告: 岡村淳
サンパウロ州内陸のグアタパラ移住地に暮らす小島さん一家三代の歩みと今を見つめる。41年前の移民船での出会いがきっかけで結婚した小島さん夫妻。その後、小島さんは日本への出稼ぎのパイオニアとして祖国で働いた。小島さんは再びブラジルに戻り、薬用キノコを栽培しながら移住地を盛り上げようとしているが・・・。

17:43-18:00 質疑応答とトーク
「移民の多様性とブラジルの多様性」


<第二日> 2005年4月11日(月) テーマ:移民になった私

13:00-13:20 トーク 「振り向けばブラジル移民」

13:20-13:50 ビデオ上映
「シネマこそ我が人生 活弁ブラジルを行く」
「すばらしい世界旅行」日本テレビ1988年放送 プロデューサー:牛山純一 ディレクター:岡村淳
かつてブラジル日系社会にシネマ屋といわれる人たちがいた。シネマ屋は奥地の移住地を祖国の無声映画を持って巡回して、熱狂的な歓迎を受けた。岡村は数少なくなったシネマ屋の残党に、新たに野外上映会をしてもらうことを提案するが・・・。

13:50-14:20 ビデオ上映
「花を求めて60年 ブラジルに渡った植物学者」
「ビデオ・アイ」朝日ニュースター 1996年放送 構成・撮影・編集・報告:岡村淳
博物学を愛し、戦争を嫌った21歳の青年がブラジルに渡った。以来、植物一筋60年。今も現役で活躍する橋本梧郎先生の歩みと現在を紹介する。

14:20-14:40 質疑応答と小休止

14:40-15:20 ビデオ上映
「60年目の東京物語 ブラジル移民女性の里帰り」
「映像記者報告」東京メトロポリタンTV 1996年 構成・撮影・編集・報告:岡村淳
80歳になる老移民女性が初めて祖国を訪ねることになった。生き別れになった実の姉、行方不明の義母、そして出稼ぎに行った娘の消息を尋ねて日本列島を縦断する旅。人間の絆とは?

15:20-15:35 質疑応答と小休止

15:35- 16:40 ビデオ上映
「赤い大地の仲間たち フマニタス25年の歩み」
自主制作ビデオ 2003年改訂版 制作・構成・撮影・編集・報告:岡村淳
「とんでもないことを始めてしまった」。日本からブラジルにやって来た青年神父は途方にくれた。奥地のハンセン病患者の隠れ里に迷い込んだ彼は、何の知識も資金の宛てもないまま、彼らの施設作りを始める。施設はストリート・チルドレンや土地なし農民たちの問題にも立ち向かった。

16:40-17:00 質疑応答とトーク 
「移民、そしとブラジルの人と大地から生きる知恵を学ぶ」



4/11記 上映会の涙

サンパウロにて
さる映画学校に通っていた知人に聞いた話。
故人となった映画監督の浦山桐郎監督も講師をしていた。
浦山監督は自作を授業で上映しながら、映写機の横で泣いていたという。
心を揺さぶる話だ。
今日も日本ブラジル交流協会生相手の拙作上映とトーク。
メンバーは昨日と入れ替えだが、プログラムはあえて昨日と変えた。
テーマと作品のボルテージの配分は昨日と同じにした。
ところが、面白いぐらいに昨日のメンバーとリアクションが違う。
昨日の若者たちは、しょっぱなからノリがよかった。
今日のメンバーはリアクションは乏しいが、じっくりと受け止めている感じ。
一期一会の上映会、これに尽きる思い。
負け惜しみ抜きに、テレビ放送用に番組を作ることに関心がなくなってしまった。


4/12記 お寺の太鼓

サンパウロにて
東京の実家は祐天寺というお寺の裏手にあり、最寄りのバス停の名前は「祐天寺裏」。
ナメクジでデビューして、その後自ら移民となって移民を映像でフォローしていく裏道人生を予見したようなネーミング。
毎年7月に納涼盆踊り大会が3日間連続でお寺で開かれた。
警察官やPTAの詰め所もあり、よい子は適当な時間で切り上げて帰宅。
夜10時ごろまで聞こえてくる太鼓の音。
3日目の夜はなんとも切ない思いをしたもの。
今日は日本ブラジル交流協会第25期研修生の歓迎セレモニー。
到着以来3日間のお祭り騒ぎの締め。
明日からそれぞれがブラジル各地の研修先に向かう。
ブラジルで1年間の研修という共通の目的を持った若者たち47人の熱気といったら大変なものだ。
今回は日本でオカムラ作品を見たことが研修志望の契機という青年もいる。
また到着早々の彼らと2日間の上映と質疑でさっそく熱いお付き合いをしただけに、思いはひとしお。
日常の積み重ねあってのお祭りだ。
お互い成長して、また会いませう。


4/13記 チョコ攻め

サンパウロにて
今月は月イチのサイト連載の拙文アップが早かった。
まだ誤変換がひとつ修正されていないけど、ご愛嬌ということで。
タイトルは「チョコとウサギのイースター」。
アクセスは、 http://www.univer.net/1_nanbei/0504.html
チョコに包んだ筆者の真意を読み取られたし。
イースターから半月以上経ち、我が家にはいまだにタマゴチョコの在庫、知人に渡しそびれているタマゴあり。
そろそろ孵化しちゃうかも。


4/14記 ギアナの前の静岡

サンパウロにて
ようやく新たな日常の再開。
「橋本梧郎南米博物誌 ギアナ高地の伝言」の素材チェック作業に突入。
西暦2001年、橋本先生が日本で名誉博士号を授与される時に僕も同行させていただいた。
その時の未発表映像も上記作品に盛り込むつもり。
まずはその取材テープからチェックイン。
静岡県立大学における名誉博士号授与式のシーンから。
さてその時、何が起きたか、そしてオカムラが何を感じてどんな撮影をして、どのようにまとめるか、お楽しみに!


4/15記 日本文化の周縁

サンパウロにて
再び残暑猛暑のサンパウロ。
夕食は牛丼を作ることにする。
甘めの醤油を使ったため、ちょっと甘すぎたかな。
野菜嫌いの息子にはたまねぎを取った「ネギヌキ」。
するとその上にふりかけをかけるではないか。
なかなか在日・日本人からは出てこない発想だろう。
先日、さる日系二世の壮年男性が「お茶漬け海苔」と知りながらそれをふりかけ代わりにご飯にかけ、「ちょっと塩辛いですね」というのに立ち会った。
僕が作品リストに挙げていない拙作のなかに、さる日系二世の女性がやはり「お茶漬け海苔」をふりかけ代わりにご飯にかけて食べるシーンがある。
僕なら、どうせならお湯もかけたくなるけどねえ。
これを機会に一度やってみっか。
日本文化の周縁地で暮らすと、どんな新解釈に会えるか楽しみが尽きない。


4/16記 レフリ15リットル

サンパウロにて
いよいよこの日が来た。
下の息子が初めて自分の家で誕生パーティをしたいと言い出したのだ。
オヤジの旅行や家内の実家の都合等で、今日となる。
土曜の午後は集まりにくいといわれるが、クラスメートを中心に10歳前後の子供が10数人集まってくれる。
我が家の収容キャパの限界近く。
レフリジェランテ(清涼飲料水)の消費だけで15リットル。
おかげさまでつつがなく終了。
何人かの親と、それぞれの家庭の子どもの問題を話す。
お子育てはいずこも大変である。
とにかく家族4人、力をあわせて今日を乗り切った。
なんだか70年代の山田太一のテレビドラマ風。
と思ってサイト検索をしてみると、「岸辺のアルバム」と「それぞれの秋」をゴッチャにして認識していたことに気付く。
ドラマの記憶は、それぞれのなかで再構築されていくのだな。


4/17記 狙われた街

サンパウロにて
夕食の支度をしていると、テレビの前から息子の嬌声が聞こえる。
行ってみると、ウルトラセブンの「狙われた街」のビデオテープを見ているではないか。
あの、メトロン星人の出てくるやつである。
もう5年以上前に日本から持ってきたビデオテープだが、娘も息子もウルトラセブンシリーズは異常に怖がり、「お蔵入り」になっていた。
確かにその前のウルトラマンシリーズに比べると間抜けなユーモアもなくなり、邪悪な宇宙人ばかりが不気味に現れてコワい。
ようやくその恐怖を克服しつつあるか。
それにしてもこの一話は秀逸だ。
あの古アパートのシーン、改めてゾクゾクしてしまった。
かつてサンパウロの我が古アパートを訪れた日本人のカメラマンが、幼稚園の頃に見たこの一話が忘れられないと熱く語り、ビデオに見入っていた。
彼のイメージのなかでは東京の下町のぼろアパートで、モロボシ・ダンとメトロン星人がコタツを挟んで語るという設定になっていた。
実際に挟んだのは、ちゃぶ台。
実相寺昭雄監督著の「ウルトラマンの東京」(ちくま文庫)によると、古アパートの設定は川崎の町工場地帯。
今頃はブラジルからのデカセギがメトロン星人と化しているかもしれない。


4/18記 優秀映画

サンパウロにて
サンパウロSESCで2004年優秀映画祭が開催中。
昨年公開されたブラジル映画、「外国」映画のおいしいところがずらりと並ぶ。
これで割引なしの料金でも4レアイス、邦貨にして160円ぐらい。
僕が映画狂になり始めた70年代でも、いちばん安かったのは渋谷の東急名画座で、標準料金が300円、キネ旬のハガキを持ていくと250円だった。
さて自作いくつかの編集と撮影と仕込み、そして一家の台所とハンドルを預かる身としては、そう映画ばかりにおちゃらけてはいられない。
本業の手前も見ておく必要があり、今後鑑賞するのが難しいだろう作品だけを鑑賞。
ブラジルのドキュメンタリー映画のマスター、Eduardo Coutinho監督の 「Peões」にあずかる。
わが意を得たドキュメンタリーであったぞ。
僕は僕なりの「無骨さ」でいこう。


4/19記 たけくらべ

サンパウロにて
子供が二人とも風邪で午後から安静。
妻もそれやこれやで帰宅。
テレビのニュースがちょうどバチカンの煙突の煙が白になったと伝える。
図らずも新ローマ法王の誕生を一家そろって生中継で迎えることとなる。
今度のは前法王の腹心で、輪をかけた保守派とのこと。
ブッシュと取巻きが喜んでるだろうね。
当地の解放の神学の流れにとどめを刺されかねない。
ブラジルでは新ローマ法王誕生の生中継を数局のチャンネルで流していた。
祖国日本ではさすがにナマまではやってないかな。
それにしても祖国のナショナリストの諸兄姉はかつて大日本帝国の傀儡と言われ、国際連盟にも否定された満州帝国をバチカンは承認したのをご存知か。
靖国神社ばかりでなく、バチカン詣でもするのが礼というものじゃないのかね。
新たに日本とバチカンを結ぶダイナミックな構想でも聞かせてもらいたいものだ。
なんとかノベルズの領域かな。


4/20記 御法度

サンパウロにて
開設以来、1年2ヶ月の拙サイト。
昨年、なかなかのアクセス数をいただいていたが、拙宅PCトラブルなどでダウン。
その後、アクセス数は低値安定を続けていたが、ここのところまたアップしている。
それもどうしたことか「西暦2004年の日記」あたりのページへのアクセスがバカにならない。
ということは…
ひょっとしてインターネット・携帯電話の使用が御法度のグループ(今どき、こういう掟の日本人の若者の団体があるのだ)の君たちがアクセスしてくれてんのかな?
御法度破りの緊張感。
かつて18禁の映画を高校時代にたしなんだ頃を思い出すよ。
テアトル池袋や文芸座でのオールナイト映画、銀座並木座あたりでの神代辰巳監督などのの日活ロマンポルノ…
「マッポ」の手入れを意識しながらの映画鑑賞。
あの緊張感でみつめた銀幕が懐かしい。
御法度のモニター画面も悪くないだろうねえ。
ばれんなよ!


4/21記 ピザ屋の出前

サンパウロにて
今日から4連休。
子供も親も何かと疲れ気味、一息つく。
姉に続いて弟の方がおそらく風邪でダウンしていた。
学校でも病休の子供が多いとのこと。
残暑・猛暑から急に本来の冷え込みが戻ったりで、体調を崩すのにピッタリ。
息子の調子がいくらかよくなり、しばらくお預けだったシュラスカリア(ブラジル風焼肉レストラン)に行きたいという。
約束だったのでグズグズと準備していると、息子の調子は見る間に悪くなっていく。
もう止めるに止められない段階、とあきらめて出発すると、アパートのエレベーター前で嘔吐。
レストランの中でなくてよかったね、と戻る。
さて宅配のピザを頼むことに。
これがサンパウロでは発達していて、我が家だけで宅配メニューが常時数十枚はたまるほど。
娘が選んだ所に発注するが、1時間半経っても来ない。
クレームの電話をすると「今、釜に入れたところ」。
値段も高い。
もうここは止めませう。


4/22記 焼肉前夜

サンパウロにて
娘の学校はサンパウロ郊外に敷地を持っていて、週末などに家族も利用できる。
そこにシュラスケイラ(バーベキュー焼き場)もあるので、ここで家族シュラスコを実施しようと考えていた。
サンパウロ市内の家内の実家の庭でやってみようという案も浮かび、シュラスコ・キットもあるという。
まずは後者で決行の方向に。
近所の肉屋に買出し。
ピカーニャ(牛の腰肉)2キロ、アルカトラ(牛の尻肉)1・5キロ、トスカーナ風ソーセージ1・5キロで締めて日本円で約2,200円なり。
夜、近くのスーパーに清涼飲料と岩塩を買いに行く。
シュラスコの味付けは岩塩、とよく言われるが、以前から気をつけていても粗塩はあっても岩塩は見かけない。
粗塩と岩塩が混同されて解釈されていたのでは。
そもそもブラジルで岩塩は産するのだろうか。
ボリビアのウユニ塩原あたりの岩塩でピカーニャを焼いてみたし。


4/23記 シュラスコ史観

サンパウロにて
ヒトの男は何百万年前から獲物の肉を焼くようになったことだろう。
そして今、南米大陸で新移民がシュラスコ焼肉に挑戦す。
朝、肉の仕込み等を自宅で。
サンパウロ市内の家内の実家の庭にてシュラスコ作戦。
まずは木炭への着火があずましくなく、往生する。
後でおよそ18年前に入手した炭と知る。
石炭の手前か。
「大工は大工をしながら大工になる」ということわざがイタリアにあるとか。
ひとりで試行錯誤しながらシュラスコ焼肉を覚えていく。
おかげさまで、三世代に好評の初体験だった。
これはクセになるぞ。


4/24記 お先にチャオ!

サンパウロにて
今日で4連休はオシマイ。
5月1日のメーデーも旗日だが、日曜に重なり、残念。
ブラジルは振替え休日というのがないんで…
祖国はそろそろ連休ですな。
また連休を利用してブラジルに来る人もいるんだろうね。
祖国より2週間早く日常再開のブラジルでありました。


4/25記 サンパウロ高台の伝言

サンパウロにて
植物学者・橋本梧郎先生の西暦2001年の訪日の旅に同行させていただいた時の撮影素材をチェック中。
お蔵入りにしておくのは惜しい映像と発言が多く、何とか発表できるよう検討す。
先回の「橋本梧郎南米博物誌 パタゴニア 風に戦ぐ花」も赤字のまま。
このビデオは今の天皇夫妻の手に渡るという予想外の事態も生じたが、皇室好きのはずの多くのブラジル移民たちからもソッポを向かれたまま。
橋本梧郎を利用しようとする人間は後を絶たないが、カネを出そうという人は乏しい。
先生は現在、92歳。
「橋本梧郎南米博物誌 ギアナ高地の伝言」、今年中に完成させるつもりですから、先生、ぜひ見てくださいよ!


4/26記 ウルトラの父

サンパウロにて
帰宅した息子がさっそくスケッチブックに取り組んでいる。
出来上がった作品を父に持ってきた。
これを送ると言う。
先の連休中、息子がウルトラマンをサイトで調べてくれと言うので、一緒にウルトラの世界をネットサーフィンした。
その時、日本では7月から「ウルトラマンマックス」というのが始まること、そして新怪獣(「進化移住」と変換されるのに泣かされる)の絵を募集しているのを知った。
「それなら色も塗って、もっとカプリッシャ(念を入れる)しなさい」と指示。
怪獣の形態やネーミングには一切口出ししないよう留意す。
我が移住の原点「ウルトラQ」の放送から39年。
すでに3世代にわたってウルトラなファミリーも誕生していることだろう。
移民は消えてもウルトラは残る。
それにしてもブラジルのお友達からの応募なんてのは、ちょっとオツかも。


4/27記 誰も知らない

サンパウロにて
今日は映像三昧。
午前中より、いよいよベネズエラの映像のチェック。
撮影素材のプレビューをしながら編集や構成も決めていく一期一会の作業。
妙に興奮して落ち着かない。
午後から映画のハシゴ。
まずはポル語タイトル「Ninguém pode saber」。
カンヌで最年少の主演男優賞をゲットした「誰も知らない」。
最初の字幕が最後までサビを効かせていた。
今、撮影を進めている自作に通ずるものを感じ、励まされる。
日本語音声・ポル語字幕版だったが、聞き取りにくい母国語を時折字幕でフォロー。
オイオイという誤訳にいくつか気付くが、それ以外はブラジルの映画館で見ていることも忘れてしまっていた。
平日の午後ながら、まずまずの観客の入りだったが、ブラジル人が歓声を上げるようなシーンもなく、息を呑みながら見入っていた感じ。
在日日本人相手の上映だったら「アントニオ猪木」の名前が出るあたりでちょっと沸くんだろうかね。
こちらじゃ猪木といってもフツーのブラジル人は「誰も知らない」。
そうか、でも猪木は最初はブラジル生まれというウリでデビューしたんだっけね。
最近はアマゾンのマナウス近郊の熱帯林内にある豪華リゾートホテルの特設リングで「環境保護資金捻出」のための試合をしたとも聞くが、それでも普通のブラジル人は知らないだろうね。
ウソだと思ったらそこいらの伯人に聞いてごらん。


4/28記 ココナッツクラッシュ

サンパウロにて
本サイトのトップページの冒頭に楽しいお知らせを載せました。徐々に詳細をご報告します。
今日のネタを考えていて、思いついたものが昨日のネタと思わぬリンクをしているのに気付いた。
さらに自分の忘れていた過去が…
さて、我ながら意外な、その過去。
岡村の文章と名前を、初めて活字で掲載した紙メディアは何でしょう?
朝日小学生新聞かキネマ旬報ぐらいなら、サマになったんだろうけど…
小学校6年の時、プロレス雑誌「ゴング」でアントニオ猪木についてでした。
その後、まるで四角いジャングルからは遠ざかってしまった――
ここのところ、妻の好きだったココナッツ・ウオーターを娘も気に入り、オヤジは近所のスーパーを回ってより安いところ、変わった銘柄などを物色している。
晩酌は安ウオッカのココナッツ・ウオーター割り。
そこで「ヤシの実割り」というプロレスの技を思い出した。
しかしあんなワザで、あるいは動作でホントにヤシの実が割れんのかしら。


4/29記 勝ち負け以来

サンパウロにて
現在、サンパウロの日系社会はブラジル日本文化協会(文協)会長選挙をめぐって大混乱。
勝ち組・負け組み事件以来の騒動かも。
これまでなり手がいないのが問題だった文協会長職、3年後にブラジル移民100周年というイベントを控えて、三つ巴の選挙となる。
選挙の結果、いずれも過半数には至らず、上位二人の決選投票へ。
ところが決選投票を目前に、最高得票の候補が選挙管理委員会を相手に訴訟を起こした。
こうした激しい動きがあるだけに、貴重な情報源として2紙の日刊日本語新聞は欠かせない存在。
それにかつて僕の実名を用いて、本人が言ってもない発言を記事にして日系社会の名士を攻撃するという事件もあったりで、目を放せない存在。
ところが27日付のN紙が来ない。
ちょうど翌28日、N紙が集金に来たので、27日付を届けるようクレーム。
明日、一緒に届けさせると言う。
さてようやく今朝、届いたのは28日付だった。
「27日付を届けるように」というメモと共に…
27日付に何があったのか。


4/30記 セブンと観音

サンパウロにて
自宅でフェイジョアーダ作成を思い立ち、昨晩から仕込み。
午前中は台所中心。
息子が居間のビデオコレクションで何かを探し続けている。
「あった!」とようやく見つけ出したのは「ウルトラセブン1999」シリーズ全6本のうち、拙宅にある2本だった。
台所の作業の合間に一緒に見る。
第2弾の「空飛ぶ大鉄塊」。
予算の乏しい作品の成否は脚本に負うところが多い。
いいツボを抑えた佳作だ。
さて後半、セブンと大鉄塊が地上で戦うシーンにインサートされた実写。
これはあの伊豆大島の裏砂漠ではないか。
このシリーズにはメイキングも収められているが、それによると「孤島」の設定のシーンのロケは千葉勝浦で行なったとのこと。
もう一度ビデオ本編をチェック、決闘シーンは火山のあるところに移行しているし、火山質のあの景観はやはり裏砂漠と見た。
伊豆大島・裏砂漠はスゴイ。
自分を、日本を、そして地球を考え直すのによろしいぞ。
富士見観音と裏砂漠。


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