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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2008年の日記  (最終更新日 : 2009/01/10)
1月の日記・総集編 また旅

1月の日記・総集編 また旅 (2008/02/02) 1/1(火)記 こんなのでも。

ブラジルにて
元旦は少し趣向を変えて。
日本の友人がこんなのを見つけて教えてくれた。
http://www.ipcdigital.com/ver_noticiaA.asp?descrIdioma=br&codNoticia=10832&codPagina=11263&codSecao=312&codIdioma=
たまには、ポル語でも。


1/2(水)記 2日に2本

ブラジルにて
年末から書き進めていた原稿2本を再び推敲。
締め切り間近につき、2本とも送信する。
もっとややこしく長いのがあと3本…
書く方はあくまでも余技だからねえ。


1/3(木)記 三が日の東洋人街

ブラジルにて
バタバタと急務・残務・雑務。
自分の用事と老師の頼まれごとで東洋人街へ。
ひとつは、日本語新聞の購読料を払ってきてくれ、というもの。
1社は本日から機能しており、払いを済ます。
もうひとつは日本人の眼鏡屋でメガネを頼んできてくれ、というもの。
年末に行ったら、本人が来るか、以前のメガネがないとできない、と言われ、以前のメガネをお借りして再挑戦。
ところがシャッターが下りている。
いつまで休む、の張り紙もない。
それにしても。
後で考えると、日本情緒の正月飾りひとつ見た覚えがないな。
こっちもまるで心の余裕がなかったが。


1/4(金)記 中国対ブラジル

ブラジルにて
年末に東洋人街で買ったブラジル製の小さなスーツケース。
値段もたじたじだったが「中国製よりずっといい」ということで購入。
ところが、さっそく2段に伸びるはずの取っ手が1段しか伸びない。
1年間の保証付! などと仰々しくうたっていたが。
そもそも交換の手間がめんどくさい。
移動中にいろいろいじってみる。
「テレビをひっぱたいて直す」並みのコツを使えば伸びることがわかった。
いやはや。


1/5(土)記 人のいない

ブラジルにて
たとえば。
深夜、人通りも途絶えた都会で満開の夜桜を堪能する。
観光地も、観光客のまばらな時間帯や時期がよろしそう。
両方の落差から始まるドラマ。
それが、僕の物語の始まり。


1/6(日)記 カーツはいずこ

ブラジルにて
百聞は一見にしかず。
「地獄の黙示録」のカーツ帝国とか。
「千と千尋の神隠し」の湯屋とも。
場所が場所だけに。


1/7(月)記 帝国を歩く

ブラジルにて
「カーツ帝国」内を陸路と水路から回る。
なかなかのインフラと環境である。
よろしい狂気。


1/8(火)記 粘菌記念日

ブラジルにて
少し時間ができた。
体を休めるか、資料を読むか。
思い切って外歩きをしてみる。

木々を見やりつつ、もうツノゼミも苔も粘菌もどうでもいいかな、みたいにも思う。
そのうち、苔つながりの人に、このあたりの苔のことを伝えたくなってきた。
そのつもりで見て歩く。
すると、聖母出現を思わせる木の洞を苔が覆っているのを発見。
近くて寄って、顔を近づけると…
こ、これは…!
あの、粘菌ではないか!?
苔に向かって、粘菌の子実体のようなものが。
触ってみるとキノコチックな弾力があり、ホコリのように胞子が飛び散るではないか。
粘菌の和名に「ホコリ」とつくのが多いのは、この辺から来ているのだな!

多くの日本人に想像もつかない環境での粘菌発見だった。
昨年、日本で購入した粘菌の写真集はサンパウロの老師のお召し上げとなってしまった。
その後、日本の友人が気を利かして、同じものを送ってくれた。
そのおかげ、折に触れてそれを眺めていたおかげ、苔のおかげ、たくさんのおかげでこの出会いがあった。


1/9(水)記 この道は。

ブラジルにて
この道に、また来るとは。
僕のブラジル人生にオーバーラップした道。
道に、降りる。
今、この道が刻まれる。


1/10(金)記 4度目は、コヤネスカッティ

ブラジルにて
このあたりに、3度も来ていることに以前から奇遇に思っていた。
そして、こんな4度目があろうとは。
4度目から、これまでが解釈できてしまう。
フィリップ・グラスの「コヤネスカッティ」が聴こえてくる…


1/11(金)記 一期一会

ブラジルにて
目を見張る光景の連続。
色といい、造形といい、まさしくアートの観。
それでいて、人間の手によるものではない。
しかも、刻一刻と変化していく。
人の手によるアートは、どこまで拮抗しえるのだろう。


1/12(土)記 タクシードライバー

ブラジルにて
ブラジルではタクシーの乗客が助手席に座ることが、しばしば。
この方が運転手と四方山話をするには都合がいい。
こちらが余所者の場合、彼らの情報は貴重だ。
ダメモトで聞いてみた話が、ビンゴ!!
この当たりは大きいぞ。


1/13(日)記 カオスの空

ブラジルにて
近年のブラジルの航空事情、特に国内線の問題は音には聞いていた。
その片鱗を体験。
到着・出発の遅れは当然。
手荷物の受け取りに、30分あまり。
タクシーの長蛇の列につくこと、半時間。
国内線のサービスは、長距離バス並みか、それ以下。

乗せていただけること、荷物も運んでいただけること、なによりも命が無事だったことをまず感謝しなければ、といった感じ。


1/14(月)記 聖市ミッション

ブラジルにて
お膝元のサンパウロ。
ミッション・インポシブルは続く。
どう閉めるか。
「探偵物語」薬師丸ひろ子とも思う。
そうも言っていられない大義。
大義晩成。


1/15(火)記 正太郎君と紀子さん

ブラジルにて
先回の台湾行きの際。
日本のテレビアニメのDVDで正規海軍(海賊版でない)のものが手ごろな金額で販売されているのを発見。
家族のお土産に購入した。

そのひとつが21世紀バージョンの「鉄人28号」。
子供と一緒に観る。
ただならぬ気配、志と呼ぼうか、が全編にみなぎっているではないか。
時代設定は日本の敗戦後10年目。
どの話も、いわゆる大東亜戦争の影と闇を引きずっている。
そもそも鉄人の誕生そのものが。

あの「東京物語」の戦争未亡人、紀子さんを思い出すではないか。
おやじたちの「あの戦争」は引きずらざるを得ない。
人類の最たる負の遺産。


1/16(水)記 旅の終わりが、始まり

ブラジルにて
この歳になると、長旅の疲れがなかなか抜けない。
それにしても、心地よい疲れがまどろみを誘う。

そうもいっておられず、溜まってしまった残務を少しずつ手がける。


1/17(木)記 中華繚乱

ブラジルにて
友人と、リベルダージ(東洋人街)で会食。
中華で行ってみる。
とにかく、店の数は多い。
すでに日本料理屋を凌いでいるのではないか。
さる巨匠がオススメという店に行ってみた。

漢字表記とポル語表記では料理の細かいことはわからず、店員のポル語のレベルはこちらの比ではない片言。
頼んでみなければわからないものにも挑戦。

空芯菜と腐乳の組み合わせ。
いためた空芯菜を腐乳ソースをつけていただく、というものだった。
珍味ではあるが、この野菜はニンニクいための方がうまい。
ビーフンのチョプスイ。
素味のビーフンに野菜あんかけをかけたもの。
ビーフンと野菜をいためた方が美味。
麻婆豆腐は、あっさり系…

相当、試行錯誤を繰り返さないといけなさそう。


1/18(金)記 週遅れ

ブラジルにて
僕が企画、連絡、設定をして、1週間前に実施する予定を年末から立てていた。
ところが奥地から帰るに帰れなくなり、急きょ主賓に連絡、1週間ずらして今日にしてもらった。
参加メンバーからクレームもなく、ありがたい限り。
気のおけない仲間というのは、財産なり。


1/19(土)記 峠を越えて

ブラジルにて
今月締め切りの原稿が、前代未聞に多い。
これで食えれば文句もないが、食えるどころか…

いちばんややこしいと思っていた原稿を、ソコソコかたちにする。
このネタでこれだけの字数、よくでっち上げ、いや書き上げたもんだ。
おそらくほとんどの人の目には触れないと思うけど。

息つく間もなく、「ミッション・インポシブル」の報告書を書かなくては。
そのうえ、もひとつややこしい原稿…


1/20(日)記 三都の礼

ブラジルにて
日本で買ってきた船戸与一「三都物語」(新潮文庫)をひもとく。
ぐいぐい物語りに引き込まれていく。
避けがたい用事の時の他は、ひたすら読みふける。
船戸さんの作品は、経済事情をかんがみ単行本は見送っているが、文庫化されていれば見つけ次第、購入している。

今回は三都の筆頭が岡村上映会でおなじみの横浜。
ついで、昨年、二度お邪魔させていただいた台湾・台中!
しかもタイヤル族出身の若きプロ野球選手まで登場。

世界ウラ事情と男の子の生き方の美学は、船戸ワールドに学んだ、つもり。


1/21(月)記 「笑顔のドキュメンタリー」

ブラジルにて
構想はだいぶ前から立てていた。
どんな出来になるかと思っていた雑誌「Bumba」の連載原稿。
けっこうスムースに書きあがる。
昨年、日本の中学校で実施してもらった岡村作品の上映会の感想文を基に。
宝物のような感想が多く、このままじゃもったいない、と思って。

さあ今日、入稿した原稿、上がりがいつになるか。
次号の構想が立ってないので、あんまし早くない方が助かります。
そうは入魂の原稿をいくつも書けまへん。


1/22(火)記 老師のお眼鏡

ブラジルにて
今日も書き物。
これは公表しない資料。

リベルダージの眼鏡屋さんから、頼んであった老師のめがねが出来たとの電話。
午後、都合をつけて取りに行く。
それでは、明日でも届けに行くとするか。


1/23(水)記 兵糧配達

ブラジルにて
元旦以来の、老師訪問。
事前に御用聞きの電話を入れる。
丸餅3袋、日本米5キロをお願いしたい、とのこと。
こちらの旅の予定が延び、さぞお困りだったことだろう。
さらに直接、もう少しややこしいことをご依頼いただく。

日本でもブラジルでも、自分と老師の関係の近さを得意になって語る御仁がいる。
ご本人に質してみると「あのヒトはちょっと…」とおっしゃることが少なくない。
老師を利用しようとする人たちは多い。
少しはご本人の本当に喜ばれるお返しをしないと、バチが当たるというもの。


1/24(木)記 模型大国から遠く離れて

ブラジルにて
息子と、パウリスタ地区にある模型屋へ。
親父の方が、キライじゃない。
目標は、72分の1のフィギュア。
北ベトナム軍兵士セットあたりが目新しい。

それにしてもチャチな…
10ヶ国語で説明が書いてあるが、日本語がないのはうなずける。
日本の模型文化、偉大です。


1/25(金)記 おくレター

ブラジルにて
急ぎ優先の書きものをとりあえず済ませたので、留守中に届いていたカードの返信にいっきにかかる。
旧正月までには間に合うかな。
そうこうしているうちに、次の原稿の締め切りが!


1/26(土)記 森下さん訪問

ブラジルにて
土曜の午後だから道路事情もいいだろう。
思い切って森下さんのホームに向かう。
付近は、サンパウロ市と同じ国とは思えない交通マナー。

なかなか、ボルテージの高い話ができた。
さまざまな貴重な原点が、森下さんとのお付き合いのなかにある。


1/27(日)記 また旅

ブラジルにて
老師95歳のお誕生会。
95本のロウソクを、というのはウソ。
ペンディングになっていた旅を、数日後に決行ということになってしまった。
運転だけで、片道2日。
決行はいいけど、運転・撮影するのは…

現地のオンライン事情は予断を許さない。
せっかく先回の旅の日記のブランクを埋めたと思いきや。


1/28(月)記 教員もどき

ブラジルにて
延び延びになってしまった。
なんとか、次の旅の前に終わらせておきたい。
11-12月、日本と台湾の上映会でいただいたアンケートの束。
メールアドレスのある方には、ひと通りお返事を。
大学の授業での上映となると、数がハンパじゃない。
台湾人の名前の漢字は、手書きで引っ張り出さないとならないのが少なくない。
質問をしてくれるのはいいが、作品中のナレーションをふつうに聞いていればわかるようなのも多くて。
世の先生たちは、こういうのにキレずに一つ一つ答えているのだろうか。

そんなカッタルさを越えて、得ることの方がはるかに多い作業。
このままにしてはもったいないものも、けっこうあり。
感謝。


1/29(火)記 とりあえず。

ブラジルにて
とりあえず、11-12月実施の上映会で岡村がアンケートのオリジナルないしコピーをいただいているもので、メールアドレスを書いていただいた方には、ひと通りお礼のメールを送信。
アンケートを郵送してくださる、という方から未着のため、確認を入れると、明日郵送する、とのこと。
数名の方からはメールがエラーが出た。
自分には来てないぞ、という方がいましたら、お問い合わせください。


1/30(水)記 ばたばたと。

ブラジルにて
連載等、原稿の件。
前回の旅の残務。
次回訪日の各地での上映会の仕込み。
に加えて、明日からの旅の件で、老師を訪問。
夕食を作って、ようやく旅装の準備に入る。
いやはや、今年はなかなか。


1/31(木)記 快眠運転

ブラジルにて
午前4時台に出発。
この時間、まだストリートのお姉さんたちが仕事をしているのを知る。
モーニングサービス?

約600キロ、西へ。
助手席は、プロのマッサージ師。
ヘロヘロで運転している岡村監督を案じて、運転中に横からマッサージをしてくれる。
相当、こっているとのこと。
これが、絶妙に気持ちがよい。

生アクビが止まらない。
聞いてみると、これまで運転中の人を揉んだことは、ほとんどないとのこと。
まずい。
何もかもどうでもいいほど、眠い。
オフレコ対処療法で、眠気を覚ます。


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