6月の日記・総集編 祭りの準備 (2009/07/03)
6/1(月)記 郵便行政の黄昏
ブラジルにて 日本からの預かり物は先週、書留小包でこっちの郵便局から発送した。 添え状を書いて、新たに梱包し直して、郵便局の列について、郵送料は持ち出して、となかなかである。
日本、ブラジルでメール無用の人たちとつながりがある。 ついつい後回しになってしまうが、意を決して手紙を書く。 郵便代は知らないうちに上がってしまうことがあるので、料金をブラジル郵便局のサイトで調べると… 国内便の料金は割り出せるが、国際郵便のページに問題あり。
これにくじけず、多めに記念切手を貼ることに。 さて、投函。 おっと、今まで我が家の前の大通りにあったポストがない! さらに大通りの反対側にあったポストもなくなっている…
所用で出たリベルダージ駅前で、ようやくポストを見つけて投函。 いちいち業務時間中に郵便局の列に並べってか?
なおもくじけずに郵便文化を守ろう。
6/2(火)記 はちど
ブラジルにて 日本からへろへろ気味で帰り、サンパウロの気候を考慮していなかった。 昨朝の街は、13度。 今朝は、いちだんと寒い。 大通りの表示は、8度。
狭いアパートにごちゃごちゃモノがありすぎて、仕事にもならない。 実家の件に懲りて、少しはモノを捨てようと。 処分、処分。 ウルトラショブン、なんちゃって。
6/3(水)記 整理休暇
ブラジルにて なかなか次の編集作業に着手する気になれない。 身辺がごたごたしているせいにして、だらだらとほんの少しずつだが、お片付け。
年に一作は新作を、とこの10年、自分に課してきた。 今年は蔵出し映像の短編であるが、すでに二作もつくっちゃったし。
次の撮影も考慮して、新作の編集に挑むつもり。 さあどうしようかな。
6/4(木)記 伯剌西爾田楽
ブラジルにて 日数を経たダイコンが冷蔵庫にたまっている。 傷みはじめたジャガイモもある。 けっこう寒い。 一部家族の大賛成も得て、オデンを制作する。
サンパウロだと、コンニャク、チクワ、ナルト、サツマアゲあたりはブラジル国産のものが手に入る。 チクワブ、ハンペンなどが欠ける。 ブラジルではさまざまな日本食文化が非日系人にも広まったが、オデンに関しては日系社会でもさほどの興隆に至らなかったようだ。 ブラジルならではのオデンの具も寡聞にして知らない。
台湾でのオデン文化の広まりは、家元の日本を凌ぐほどだった。 各コンビニでほかほかのオデンが売られている。 そして独自に生まれたオデンや「日式」鍋料理の具が市場で売られている。
このあたりの差を考えるのも面白い。
して、今宵のブラジルお伝の制作者は知人との会食で、コリアンタウンへ。
6/5(金)記 おでんに緑を
ブラジルにて 昨夕、作り過ぎたかなと思っていたおでん。 鍋の3分の1程度まで減っていて、安心。
冷蔵庫に青菜類もたまっている。 沖縄でご馳走になったおでんには青菜も入っていたのを思い出した。
まずはチンゲン菜を投入。 そこそこ。 エスカローラというレタスに似た葉野菜も入れてみるが、これは苦くてあまりよろしくない。 次いで西洋ホウレン草を湯がいてから入れてみるが、これはまあまあ。
二日酔いでもおでんだと受け付ける。 チキンナゲットも入れてみて、味は悪くないが、汁が汚れてしまう。 新宿のおでん屋で、シメにおでん汁をご飯にかけていただいたのを思い出す。 冷や飯でやってみるが、これはあったかいご飯でないと、というのがわかった。
カレーと違って、煮込み過ぎもNG。 おでん道、奥が深い。 これぞ伝道、なんちゃって。
6/6(土)記 ちょっと原稿
ブラジルにて さあそろそろドキュメンタリーのメールマガジン「neoneo」の連載を書かないと。 ブラジルのドキュメンタリー映画事情について。 なにせこの半年、ほとんどが日本。 ストックの作品だけで書き上げることが出来るかどうか不安だったので、昨日、新たに国産ドキュメンタリーを劇場まで見に行っておいた。
いくつか資料も見つかったので、ストックの作品だけで量が埋まった。 自作や自分の体験などと違って、そうはいい加減なことを書けないから結構しんどいのだが、ほっと一息である。
もう一つ、アマゾンについての原稿を頼まれている。 これは字数が1千字というからラクショーだ。 これまで手がけたアマゾンもののタイトルを羅列するだけで1千字ぐらい、いっちまうがな。
6/7(日)記 今日も原稿
ブラジルにて 僕にとって、ドキュメンタリーをまとめる作業と、読み物としての原稿を書き上げる作業では、まるで頭のなかの使う回路が異なる。
ちょっと大変だったneoneoの原稿をなんとかしたためることができ、もの書き回路がようやく暖まってきた。 アマゾンもの1千字も書いてしまう。 「アマゾン仙次」なんて船戸与一作品があったな、佐々木美智子さんがモデルのドンパチもの。
当の佐々木美智子さんが最近、写真集と合わせて刊行した「ピンクイルカが笑った」、これはもうスゴイというしかいいようがない小説。 いまのところ私家版のみのようで、ご希望の方は在伊豆大島のご本人に問い合わせを。
6/8(月)記 アクロバチックな8月/アマゾニックな9月
ブラジルにて あまり片付かない、どころかかえって散らかる身辺整理。
今後のスケジュールの調整。 7月は、おそらく隠密行動あり。 8月は、また訪日。 かなりアクロバチックな列島内移動をすることになりそうだ。 9月は、アマゾン。 これまた、ついでの予定が入りそう。
まだこの世からお呼びがかかるとは、ありがたいことで。
6/9(火)記 遅刻床屋
ブラジルにて 昨日、リベルダージの床屋さんに予約を入れておいた。 時間通りに着くと、店のシャッターが閉まっていたり。 数分ぐらい遅れると、すでに他の客の散発を始めていたり。 今日は、前者だった。
隣にあるバールでカフェを頼んで待機。 待つこと30分。 すでにコップも片付けられ、新たな客も次々に入ってくる。 さすがにいづらい思いをして、路頭に迷おうかと思っていると、おやじさん登場。
先週、バスを降りたところで強盗に遭い、今日は遠いバス停まで行って、しかも渋滞で…とのことで。
散発後、マエストロに隣でカフェをおごってもらう。 次の散髪は、日本か、ブラジルか。
6/10(水)記 国司さんから告知
ブラジルにて 在チリで元・共同通信記者の国司さんから以下のご案内をいただいた。 国司さんのイチ押しなら、行ってみたいところ。 さすがにそのための訪日は見合わせるつもり。
大谷さんは大分・由布院に在住の元カメラマンで、「大五朗」という奇形猿など奇形猿の写真集を出している方。元フジテレビのカメラマンで、安保闘争時、たくさんの写真を撮っていたことを、去年11月に菊芋の関連で大分県を訪れた時に26年ぶりに再会して知り、今回の写真展開催につながりました。 歴史の風化で安保闘争自体を知らない人々も増えてきていると思いますが、樺美智子さんが亡くなった6・15に合わせてのこの写真展、ぜひたくさんの人たちに見ていただきたく思っています。 大谷さんご夫妻の写真・文の本は新潮文庫で出ています。
よろしくお願いします。 国司。
「大谷英之・淳子2人展~生命見つめて―大五郎ふたたび~」 見逃せなかった!被爆少女と写真家が超えてきた昭和の記録
日時)2009年6月11日(木)~17日(水)(10:00~18:00 最終日14:00まで) 場所)ポートレートギャラリー(四ツ谷駅 徒歩3分) 新宿区四谷1-7 日本写真会館5階 TEL:03-3351-3002
6/11(木)記 ブラジル法蓮
ブラジルにて 今日からこっちは、4連休。 愚生は毎日が祭日みたいなもんだが、家に家族がいるといないではだいぶ違う。 昼も夜もそれなりの食事を作らなければ。
昼はレンズ豆のスープほか。 夜は… ごぼうのパスタの他に…
有機農園の西洋ホウレン草がだいぶある。 パスタが炒め物だし。 かつて日本時代に新宿で中村ちゃんと行った店で、ホウレン草のサラダを食べて驚いたのを思い出して。 ググってみると、水に10分もさらせばアクが抜けて、生食でいけるとか。
さっそく挑戦。 10分以上経っても、とってもエグい。 さらにさらしてみる。 まだまだエグく、品種が違うのか、こりゃ加熱するしかないか、と思いつつ、フィルターで漉した水道水でしつこくさらしてみる。 ようやく…
ベーコンがないので、荒挽きソーセージを砕いたのと、ニンニクをオリーブオイルで炒めたのを注ぐ。 好評。
6/12(金)記 あーせい構成
ブラジルにて さる国の大学の日本語文学科の発行する紀要の創刊号に、インタビュー記事が掲載されるという。 それの構成が大詰めを迎えている。 先方から構成稿がメールで届いたら、深夜でも未明でも日中でも、こちらの時間に関わらず、即、チェックと返信をすることに。 ホントの大詰めが、こっちの4連休中でよかった。
とにかく少しでも読みやすく、わかりやすくなるように努める。 インタビューされる側の力量が、インタビューされている時も、構成の時も問われる…
余力のある時に、日本のさる大手新聞による「笑える」インタビュー取材とその経緯についてご披露したいところ。
6/13(土)記 日本語の呪い、そして恩返し
ブラジルにて 午前中は日本から来ている若い研修生たちの月例報告会に呼ばれる。 いったい、これは!七言絶句のレベルの日本語表記。 書き手は日本で大学院を終え、こちらの日本語メディアの書き手として活躍中とのこと。 ほんの数行程度の範囲における、数十の訂正・改善必要箇所を優しく指摘させていただく。 今後、改善の努力が見られなかったら、私ごときは御役を辞退させていただこう。
昨日、記した紀要のゲラ待ち、即直しがあるので、彼らとのメシや飲み会は辞退させていただく。
帰ってパソコンを開き、さっそく作業。 おっと、まだまだ重大な見落としが!
タイアド・アウト。
夜、日本語の電話が。 こちらの日本語の先生たちの、サンパウロ郊外での泊りがけの勉強会での上映が具体化したというお知らせ。 オカムラも一泊、オッケーとのこと。 粘菌とツノゼミ観察ができるかも。
上野英信や牛山純一が日本語表現にあたった時の気迫を思い起こし、まことに微力ながら自分を貫こう。
6/14(日)記 さあて、つなぐか。
ブラジルにて やむにやまれず、サンパウロでも陋屋のものどもの片付けに追われていた。 手紙を書くスペースもないほど、散らかりまくってしまう。 トンカチと釘まで持ち出し、意外に少しは形が付く兆し。 さっそく手紙書き。
不思議と、周囲のいくつかの状況が符合してくる。
夜、家族で日本での撮影ビデオを見ながら、ウオーミングアップ。 機材のトリセツを探し出して、ちょっと勉強。
さて、明日から、つなぐか。
6/15(月)記 ミッション・インポシブル
ブラジルにて いろいろな経緯から、新たに過去の映像を短編としてまとめてみることにした。 「映像素描 夏草のミッション」、こんな感じかな。
奇しくも「さまよう人たちとともに」のオリジナル映像と同じく1997年の撮影だ。
映像を見直してみて、図らずも感涙にむせぶ。
いくつもの符牒が、土中で意味を成さなかった土器片を接合して復元していくように…
さあ、封印はとかれた。
もう、アホな雑事に関わっている余裕はない。
6/16(火)記 再認識・グレート中隅
ブラジルにて 昨日から着手した短編のバックグラウンドの資料漁り。 管見では故・中隅哲郎さんの書かれたものが群を抜いている。
日本に置いてきてしまったのか、手元で見つからない。 ちょうど別件もあったので、親しくさせていただいているご夫人に電話。 さっそく見つけ出してくれた。
午後、おうかがいする。 四方山話が尽きない。 サンパウロ新聞の連載のナゾの件、等々。
お借りした資料の最初のページを読んで、うなる。 うまい、深い。 インターネットもへっちゃくれもない時代に、これだけのお仕事を! 中隅哲郎さんの存在と著作は、ブラジル移民101年のなかで、最大級に評価されるべきだ。
それにしても「ミッション・インポシブル」、個人的な友情からの発念だったが、橋本梧郎、中隅哲郎という僕にとってかけがえのない二人を図らずもリンクしていく。
中隅さんが21年前に書かれたもののたいへんな意義に、ようやく気づいた次第。
6/17(水)記 冬ごもり
ブラジルにて 昨夕から、ネット回線がつながらなくなった。 デスクトップはもちろん、ノートPCでもNGだから、回線自体の問題だろう。 クレーム電話にトライするが、まるでつながらない。 ということはクレーム殺到、あっち側の問題とみてよさそうだ。
今朝、回線が回復している。 日本から急を要する用件のメールが。 こういうときに限って…
早急に電話をいくつか、メールも打たなければならない。
朝の子供の送りを妻に代行してもらう。
ひと息ついてから、さっそく映像編集作業。 あとは、食事の支度。
こうなると、一日、外に出なくなっちゃう。
6/18(木)記 101
ブラジルにて 101年目の、移民記念日。 所用があり、東洋人街に出るが、いつものまんま。 去年のグロテスクなまでの装飾がウソのよう。
去年の百周年騒ぎは、日本から皇太子が来るということになってから拍車をかけておかしくなってしまったような気がする。 ひたすらデンカとの距離の近さを競い、誇ろうとするメイシのセンセーがた。 何のための百周年祭なのかの戦略もあやふやなまま、「デンカにお見せするための」騒ぎになってしまった観あり。
僕は、僕なりに。 つまんないのに巻き込まないでね。
6/19(金)記 自信喪失気味
ブラジルにて 昨日付の神戸新聞「正平調」がいい。 http://www.kobe-np.co.jp/seihei/0002032448.shtml 細川周平さんの労作を紹介しながらも、書き手のジャーナリスト、新聞記者としての見識と良識がにじみ出ている。
インクの匂いと紙の質感とともに味わいたい記事だ。
6/20(土)記 写経再開
ブラジルにて 昨日は朝からえらく疲労を憶えていた。 思い当たることといえば、ブラジル産サプリの飲み忘れか。 先週、ひどい日本語にあてられたのが尾を引いているのか。
今日は、いろいろある。 午後、お約束させていただいていたので、松井太郎さんのお宅まで車で。 松井さんにお会いして、姿勢を正す。
自分のやるべきことを、再確認。 僕しかしない、できないことに専念して、僕でなくてもいいことはどんどん失礼しよう。
そんな思いから、ふたたび松井作品の写経とアップを再開する。 「堂守ひとり語り」。 http://www.100nen.com.br/ja/okajun/000182/20090620005618.cfm 松井作品の、物語が語られるシチュエーションがニクい。
松井さんと、新たに面白いことを画策。
逃げないで、攻める。
6/21(日)記 少女たちの贈り物
ブラジルにて 「夏草のミッション」でスペイン語の要翻訳部分があり、わが家族ではお手上げだった。 ブラジルに暮らすアルゼンチン人の義妹に頼んで、訳してもらう。 これで出来上がりのメドがついた。
遺跡を自在に動き、語る少女たちがすばらしい。 拙作のなかでは「第三世界の環境都市 クリチバの挑戦」での団地でゴミ集めをする少年たちのすばらしいシーンがあるが、あれをほうふつさせる。
ポルターガイスト現象さえ巻き起こす思春期前期の少年少女の力には、目を見張るばかり。 ヤラセなんてとんでもない、ストレンジャーのおじさんは、ただカメラを持って付いていくのが精一杯。
6/22(月)記 ふじみ野の、ホンキ
ブラジルにて 先にご紹介した、ふじみ野テレビさんが本気のようだ。 それにしても、先方のサイト上での公開打ち合わせというのはユニーク。 http://www.ftv.cx/
お読みいただければおわかりだろうが、先方からの提案である。 受けて立ちました。
埼玉の夏、ふじみ野の8月。
6/23(火)記 夏草のあとに
ブラジルにて 短編の映像素描「夏草のミッション」は昨日で目鼻をつけた。
もうひとつ、ミッション・インポシブルの方を少しだけ編集してみることにした。 システムが異なり、日本でメーカーに問い合わせても「たぶん」ぐらいしかわからなかった。 とにかくやってみるしかない。 最新方式に、ローテクで挑む。
ひと昔前の手仕事。 まあ乗りかかった船だ。 聞こえは大型クルージング、やってるのは丸太にしがみつきの航海。
6/24(水)記 なめくじと納豆
ブラジルにて 8月には、岡村作品研究、なんていう上映会も首都圏で。 主催者から具体的な上映作品についての打ち合わせメールをいただく。 こちらは、通常通り非公開で…
岡村のディレクター処女作「ナメクジ」のリクエスト。 この上映の翌日は、水戸のアルゼンチンソババアで昼夜ダブルヘッダー上映の予定。 この店の主は、ブラジル訪問の際、地元限定・納豆スナックをお土産に持ってきてくれたものだ。
なめくじと納豆。 糸を引く関係。
6/25(木)記 ゲバラの森
ブラジルにて いろいろな事情から映画「チェ」第1部を見に行くことに。 すでにサンパウロでは1館、しかも夜の1回のみの上映となっている。 家族の夕食の支度をあわただしく済ませて、出発。
僕以外の観客は、3人。 さむ。 そういえば、かつてはこちらで過剰なまでに見かけたゲバラ・グッズも近年は目に付かなくなった。
ポルトガル語の字幕つきだが、この字幕の見にくさに辟易。 露出オーバー気味のモノクロ画面にエッジなしの白い字幕を出されても、カムフラージュの世界。
映画は、大半が熱帯雨林のシーン。 キューバにこんなにセルバがあったとは。 ロケ地はメキシコのようだが。 それにしても、昼の森のシーンにサウンドエフェクトとしてやたらに同じような鳥の声を立てている。 僕の知る限り、実際の熱帯雨林の音はもっとメリハリたっぷりで豊かそのものなんだけど。
第2部のボリビアの森はどうだろう。
6/26(金)記 そわそわ
ブラジルにて 明日から車で州外遠征である。 それも含めた、もろもろの準備。 それやこれやで、ビデオのポストプロの方は今日は手付かずに。
今度の日曜日、アモレイラのコミュニティ・センター30周年の記念行事で、拙作「あもーる あもれいら」第1部の上映を地元市民相手にするという。 ポルトガル語での挨拶を頼まれ、その準備をと考えるが、細かい詰めまでには至らず。 まずは、安全運転ということで。
6/27(土)記 祭りの準備
ブラジルにて 未明にサンパウロ発。 横に友人がいて、なんだかんだと話していると、長旅の運転もけっこう早い。
パラナ州に入ると、昼なお暗く。 なかなかの豪雨。
雨はあがり、麦畑の緑に息を呑む。
サン・セバスチャン・ダ・アモレイラ着。 明日の上映会場となる日本人会館の下見に、シスターと。
プロジェクターの準備は夜になるという。 プロジェクターの精度にもよるが、窓にカーテンや暗幕がないため、外光がかなりきつそうだ。
せめて前方の窓だけでも覆いたい。 農機具屋で黒ビニールでも買ってガムテープで貼ることを提案。 土曜の午後、店は開いていてホッ。 勘定はカントク持ち。 カントク自ら、ぐらつく脚立にのぼって設置。
仮にもゲスト、客人の身だが、エラソーにふんぞり返って入られないのが、ライブ上映の道。
明日朝8時からの記念ミサの撮影、ポルトガル語でのあいさつと作品紹介、とイメージトレーニングすることばかり。
6/28(日)記 カイカン
ブラジルにて なんとも盛りだくさんな、ながーい1日だった。
早朝よりアモレイラの教会でスタンバイ、記念ミサの開始前からさっそく撮影を始める。 …しかしミサ中、予想外の機材トラブル発生。
さらにその直後がこっちの大事なホンバンだ。 地元でKAIKANといえば通じるアモレイラ日本人会館に河岸を変えて、アモレイラコミュニティセンター創設30周年記念行事。 メインは「あもーる あもれいら」第1部上映。 岡村が事前の解説、そしてポルトガル語の弁士を行なう。
前半は会場がどよめきわたるのが前で活弁をしながらも感知できたが、フェスタ会場での1時間半のドキュメンタリー上映は、ちと長い。
ついで、もと土地なし農民たちの合法的入植地を思い切って訪ねる。 思い切りの理由は、まだ土道が乾ききっていないため、拙車のような町用のクルマで行くにはきびしいものあり。 案の定、あぶない瞬間が。 久々の友との再会に感無量。
日没前に、フマニタスへ。
今日の撮影事故の意味を考える。 撮影と、ライブ上映「司祭」の両方は無理、ということか。 おりしも日本で8月、さるシンポジウムでこれをやろうかと考えていたが、上映とトークに専心することとしましょうか。
6/29(月)記 梧郎先生とおなかごろごろ
ブラジルにて フマニタスでの夢枕に、橋本梧郎先生が。 一周忌も近い。 先生、しばしお待ちを。
帰路、アモレイラをパッサする(さりげなく、コロニア語をインサート)。 同行してくれたフォトルポライターの楮佐古さんが、アモレイラのシスター、職員、子どもたちの集合写真にチャレンジ。
フマニタスのひまわり畑バックの写真を彷彿させるいいものになりそうだ。
ひたすら、サンパウロへ車を繰る。 去年、橋本先生が苦しまれたあたりで、今年は愚生が…
6/30(火)記 つかれても
ブラジルにて 旅の疲れ。 運転・上映・撮影という三位一体は初めてだったかも。 しかも撮影は失敗。 芸は身を滅ぼす。
子供のことで動きつつ、所用をいくつか。 留守中にうれしいメールがいくつか。
7月は上映に旅が目白押しである。 して、どうしてメジロオシというのだろう。
目黒は引きか。
|