11月の日記 総集編 IZA鎌倉 (2012/11/05)
11月1日(木)の記 IZA鎌倉 日本にて
いやはやとってもハードだった。 未明にパソコンをつなぐと、数時間前のメールで、今日の鎌倉の催しを撮影してくれないかの依頼。 こちらの今日の行程を先方が知ったら、まず遠慮することだろう。 それを伝えずに、引き受けることにする。 在鎌倉の被爆者の皆さんの、証言。 はじめて人前でお話ししよう、という方もいらっしゃる由。
さっそく福島での撮影のためにブラジルから担いできた機材の準備。 この催しは、いち観客としてうかがうつもりで、事前に鎌倉での打ち合わせを入れていた。 それを前ずらしさせてもらう。
夕方、なるべく早く来るよう言われていた新宿での、お世話になっている人を囲む会、遅れての参加とさせてもらう。 鎌倉から新宿直行、宴たけなわで抜ける。 目黒の実家に戻ってビデオカメラを置き、山形での法事のための礼服、土産物類を担ぐ。 山形行き深夜バスに乗るため、再び新宿へ。 擦れ違いアウト気味の時間になってしまうが、バスは待っていてくれた。
いやはやー! もうこういうトリプルブッキング、あんまししたくない… 撮影したものの編集、仕上げも考えなきゃ。
11月2日(金)の記 北国の庭
日本にて 山形県村山地方。 庭の掃除と草むしり。 お、かえる。 ぎゃ、なめくじ。 まだ冬眠しないのか。 冷たい小雨が舞う。
11月3日(土)の記 やまがた霊異譚
日本にて 親類の法要。 「おっさま(住職)」も隣席、会食。 臨終間近の人が、親しい人たちに死を知らせて回った。 夢で見たお寺そっくりのお寺がお弔いの寺だった。 仏事を促すお告げがった。 …等々、不思議な話をそれぞれが披露。
こんな話が、いっぺんにいくらでも出てくるとは。 東北の、山形の霊的濃厚さか。 こっちは、すぐに縄文まで基層を求めたくなっちゃうけれども。
11月4日(日)の記 福島画
日本にて 左沢線の無人駅を出発。 仙北線経由、鈍行のつなぎでまずは福島へ。
駅近くの広場で、青年系の集会。 郡山から来たという女性が、子供二人とともに放射能汚染下で暮らす思いをオリジナル曲で歌う。 もっと聞いていたいが、本来の目的が危ない。
まずは画文集「風しもの村」の貝原浩さんの原画展。 http://kaiharaten.exblog.jp/i2/ これが、ネパール和紙か。 印刷複製では味わえない、一点モノの魅力。 原発事故後を考える「画文と短歌の二人展」、11日まで。 短歌の方は、「青白き光」の佐藤祐禎さん。 この短歌集を4月の「優れたドキュメンタリー映画を観る会」の上映会場で購入、いたく魅かれていた。 1980年代から、福島事故後を予言していた短歌を発表していた佐藤さんの「その後」の作品に触れることができた。
かんたんに ガンバレなどと いふよりも 黙って肩を 叩きくれぬか
まだ、次がある。 福島県立美術館の、田渕俊夫展。 田渕さんは、311後に製作した大作ふたつを福島県立美術館に寄贈するという。
原発に、原発事故に、表現者はどう向き合うか。 それを、福島で学ぶ。 「リオ フクシマ」への心構え。
11月5日(月)の記 天災でカボウ
日本にて さあ明日早朝に沖縄へ飛ぶぞ。 今宵は僕の東京のホームシアターAPARECIDAさん。 なつかしい顔、うれしい顔、初めての顔。
上映は「ブラジル最後の勝ち組老人」。 いま見ると、僕には主人公の老いが胸を打つ。 脇山さんが、「戦勝国」祖国日本をたたえながら、日本は天災が来たら「カボウ(acabou:おしまい)」と繰り返し語っていたことに、新たに思い当たる。
11月6日(火)の記 リオ 琉球
日本にて 午前5時台に羽田空港国内線駅に到着できた。
久々にフライトで窓側を選択。 島影が見えてからは、機窓に顔をべったり。 ええ?明日、訪ねる屋我地島のあたりに地形が似過ぎているけど? 飛行機は島を西から東に横切る。 そして島の南端、日本軍が追いつめられた崖際をなめていくではないか。
モノレール一日券を購入。 昼から3件、友人知人との会合をハシゴ。 いずれも充実したお話ができる。 こんなことは、めったにない。
最後の、栄橋市場はディープであったな。 東南アジアに連なる、赤黒い闇の光。
11月7日(水)の記 マングローブを見ていた午後
日本にて 沖縄訪問の最大の目的は、昨日お会いした家族の訪問。 次が、これ、ブラジリアンペンション「いぺー」 http://pensionipe.com/ の訪問。 名護行き高速バス車中でうとうとしていると、運転手さんがオスプレイが飛んでいるのを教えてくれた。 異形の虫。
昨日、最初にお会いした畏友・高橋哲郎さんは那覇で沖縄探見社 http://www.okinawatanken.ecnet.jp/ という意欲的な出版社を経営している。 同社発行の「沖縄エコツアーガイドブック」に、これから訪ねる屋我地島の記載あり。 なんと、マングローブ林がある!
「いぺー」の若頭・高橋章さんが名護まで迎えに来てくれる。 名護の漁港で地揚げのマグロなどの刺身を定食でいただく。
地元の、なんとも手ごろなマングローブ林を散策・観察。 取材じゃないので、キラク映像作家でいられる。
ペンション「いぺー」は視界にサトウキビ畑が広がる。 サンパウロ州の田舎のまったり気分を堪能。 木の長椅子に寝転んで、青空と雲をながめる。
宿のあちこちに、気配りと志がうかがえる。 これあたりが、ブラジルには乏しいところ。
おっと、今日はこっちの誕生日。 名護でチーズマンゴーケーキを買ってきた。 宿の男衆二人に熱く祝っていただく。 ケーキが、意外なほど甘さ控えめでとってもおいしい。
拙作「KOJO ある考古学者の死と生」の古城泰さんとは、同じ誕生日だ。 1980年だったか、古城さんにレンタカーを運転してもらい、群馬県神流川の流域を二人で踏査して回った。 車中泊の連続だったが、この日は民宿をフンパツした。 近くの商店でケーキを見つけて買ったのだが、その甘いこと。 その後、ブラジルでこれくらい甘いケーキに時折り接することになる。
沖縄は、死者が身近だ。 今宵はヤモリの鳴き声、聴けるかな。
11月8日(木)の記 訪琉たけなわ
日本にて ペンションいぺーはネット環境がよろしい。 早朝から起きるが、誕生祝いのメッセージにひとりひとり返しをしているうちに、朝食の時間となる。 朝の周辺散策をペルジしてしまった(一部ブラジルコロニア語)。
現れる外国の軍隊の基地に圧倒されながら那覇へ。 友人の家族と首里城、石畳の道を散策。次々延々と行く機会を逃したままのインカの都を想う。 夕方以降も盛りだくさんだった。
11月9日(金)の記 ひめゆりの 拡がる海よ PACIFIC
日本にて 喜屋武、真壁、摩文仁… なつかしい記憶のある地名。 小学年高学年ぐらいから、けっこうジュニア向けのノンフィクションものを読んでいた。 ひめゆり部隊、沖縄戦関係。
那覇から路線バスを乗り継ぎ、糸満経由でひめゆりの塔へ。 お花を買う。 11月1日から始まった「生き残ったひめゆり学徒たち」展がよかった。 常設展の証言映像を最初から最後まで見ることにしたため、こちらの企画展は存分に見られなかった。 行きも帰りも、路線バス使用のひめゆり訪問者は僕だけ。
那覇でふたたび友人に会い、話し込む。 国際通りも喫茶店はドトールにスタバぐらいしかないのが悲しい。
また沖縄に来る口実を考えよう。 さらば、いとしき島よ。
11月10日(土)の記 歩いて上映
日本にて 目黒の実家にて、急ぎのメール類、郵便類の作業。 土曜なので、目黒の中央郵便局へ。 その足で今宵の上映会場、学芸大学の喫茶「平均律」へ。 スクリーンは横尾忠則のポスターの裏面を使う由。 支えは、なにかの筒。 これが、短い。 音のつなぎも、僕の手に負えない。 常連の写真家、大竹英洋さんが音の設定からスクリーンの補強まで、見事にこなしてくれた。
客層のレベルは、まことに高い。 短編中編10数作品を持参して、香具師の叩き売りよろしく口上を述べる。 多数決で「巨大トンボ」と「60年目の東京物語」を上映。 まことによき時空。
目黒で生きた亡き肉親に、感謝をこめて捧ぐ。
11月11日(日)の記 ヤバい縄文
日本にて 横浜鶴見の「縄文人に学ぼう会」、鶴見区生涯学級の公開講座で「KOJO ある考古学者の死と生」を上映、堂々3時間25分。 先日の会合で知り合った、下山さんという埋蔵文化財発掘調査に携わる人が来てくださった。
下山さんの衝撃発言。 文部科学省は極力、小中学校の歴史教育から縄文文化を抹殺しようとしている。 国立大学で、縄文文化についての講座は、ひとつだけ。 縄文時代の、たとえばある種の布製品などの技術は弥生時代以降より優れている。 皇室を至上とする日本歴史教育を展開するにあたって、弥生から古墳時代にさかのぼる天皇家のルーツの日本渡来以前に、原住民の文化にそれを凌駕するものがあるのは具合が悪い。
僕が縄文を標榜するようになって35年ぐらいになる。 これは目からウロコが落ちる思い。
11月12日(月)の記 パタゴニアふたたび
日本にて 昨晩は懇親会もソコソコにするつもりが、さらに二次会に挑んでしまった。 もう、移動中に休むしかない感じ。 鈍行列車で水戸へ。 にのまえ店主夫妻と、まずは常陸太田社会見学。
手打ち蕎麦処にのまえさんでのライブ上映、これで11回目にもなるのか。 今日は、新蕎麦解禁を兼ねて。 いつもは日曜の上映だったが、今回はこちらの都合に合わせて定休日の月曜にしてもらった。 そのせいもあり、常連さんとはガラリと顔ぶれが変わる。
上映作品は「パタゴニア 風に戦ぐ花 橋本梧郎南米博物誌」。 「ギアナ高地の伝言」よりは地味なので、少し気がかりだった。 が、予想以上の好評をいただく。 「癒された」発言もあり。
これだけの客層を集めはぐくんだ、眞家ご夫妻のおかげ。
11月13日(火)の記 みと・むさし
日本にて 朝イチで水戸芸術館。 311にアーチストがどう向き合うかの特別展。 ニシコさんというアーチストが、津波被災地から拾ってきた遺物の復元作業をしている。 彼女との対話がとても刺激的だった。 考古学者より、ずっと考古学的かも。
鈍行で上京。 武蔵大学で上映とトーク。 20年前の作品を今様に解釈していただく。 初対面の先生と、居酒屋で盛り上がる。 思わぬ共通の知人も湧いてくる。
11月14日(水)の記 さきたま銀輪
日本にて 疲労と残務。 思い切って埼玉・東松山の丸木美術館に行くことにする。 これをしておかないと、「リオ フクシマ」を仕上げられない。 アクセスは、決してよくはない。 最寄りの駅から、徒歩50分。 タクシーは、もってのほか。 森林公園駅北口にレンタルサイクルあり、と案内にある。
チャリるか。 ある程度の距離、自転車に乗るのは30有余年ぶりかも。 快適。 道に迷うもまた楽し。 数年来の課題だった丸木美術館詣でをようやく済ませた。 書庫を性善説で開放する太っ腹がここちよい。 誰かと、丸木アートの話がしたい。
11月15日(木)の記 ミポリタンをいただく
日本にて 目黒から京成小岩、そして京急黄金町へ。 午後は横浜黄金町三位一体まわり。 シネマジャック&ベティ階下のART LAB OVAさんにあいさつ。 ジャックさんで「モンサントの不自然な食べ物」鑑賞。 この作品のマンガ解説も描かれたまったり屋さんに寄る。
まったり屋さんで「ミポリタン」というのをいただいてみる。 ナポリタンスパゲティにミートソースがかかる。 添えられたミニピーマンの緑が映える。 日本に来てから、最も美しいと思った食べ物。 まったり屋さんは、まごころが込められているのがひしひしと伝わるお店。
11月16日(金)の記 名古屋IN
日本にて 昨晩ぐらいから、体が過労信号を発信しているようだ。 早朝の新幹線で名古屋へ。 RIO+20の縁で、中部大学で上映とトーク。 ヤノマモについて。
スピリチュアル系の人が来ていて、意外な話をいろいろ聞かせていただく。 なんだか不思議。 名古屋で泊まりというのは、けっこう久しぶり。
11月17日(土)の記 弘法塾上映
日本にて えらく広いホテルを取っていただいた。 午前中はゆっくりさせてもらい、ぽそぽそとノートパソコンをいじる。
サボテンの里・春日井市は雨。 勝川駅前商店街の弘法市は、雨で気の毒な状況。 市の名の由来は、近くにある巨大な弘法大師像。 高さ18メートル、昭和初期の建立というから意外と古い。
中部大学の先生が、この商店街との共同活動をしている。 その試みのひとつが、弘法塾。 上映作品についてはかなり連絡を取り合った。 僕のイチ押しで「フマニタス」をメインとする。
想像以上に参加者の胸に沁みたよう。 夜の特急「しらさぎ」で金沢へ。
11月18日(日)の記 銀幕一回転
日本にて 金沢のホテルに西田幾多郎記念哲学館の学芸員・大熊さんが迎えに来てくれる。 道中、忌憚なく西田幾多郎についていろいろ質問させていただく。 いずれも明快に即答してもらい、ようやく理解への糸口をもらった。
安藤忠雄設計の壮大なコンクリートの要塞。 その大ホールでの2本立て上映。 「フマニタス」と「ギアナ高地の伝言」。 昨日に引き続いての映写事故も、皆で力を合わせて乗り切る。 いい上映とトークだったと思う。
究極の手作り懇親会がまたよろしかった。 ブラジル関係なしの、まことに奇縁。 さあ、随筆集から西田を読み直そう。
11月19日(月)の記 小谷のひかり
日本にて まったりと七尾線・宇ノ気駅を発つ。 金沢と糸魚川で乗り換え。 日本海も電車から拝めた。 平岩駅に写真家の前田聡子さんがモンペ姿で迎えに来てくれる。 前田さんとは6月のRIO+20で出会った。 フットワークも作品も妙(たえ)な味があった。
その後の更新を経て、彼女の住まう小谷村を訪問・上映しましょうということになった。 信玄公の末裔だという武田姓の旧家の仏間が上映会場。 作品チョイスは合議制とするが、齢八十という女主のイチ押しで「アマゾンの女インディ・ジョーンズ」、およびディレクターお任せで「60年目の東京物語」を流す。 村の老若男女集いて、仏さんにも喜んでいただけた感あり。
11月20日(火)の記 軽井沢銀輪彷徨
日本にて 朝、大糸線平岩駅を発つ。 南小谷、松本、長野で乗り換え。 軽井沢駅でレンタルサイクル屋を探す。 軽井沢に降り立つのは、学生時代以来かと。
目指すは千住博美術館。 レンタルサイクル屋で100円割引券付きパンフをもらう。 見ると火曜定休とあるではないか。 ブラジルで、冬期休暇ありなしを確かめていたが、てっきり月曜休みと思い込んでいた。 二日間、民泊が続き、ネットで館のウエブサイトを確かめていなかったのが敗因。 念のため、現場までチャリで行ってみる。 付属のベーカリーは営業しているが、館そのものは休み。 うう。
明後日、岡山の帰路に予定していたミホミュージアム訪問を止めて、軽井沢再訪とするか。 さすがに両方は無理か。 軽井沢の別荘地、教会、繁華街、脇田美術館などを銀輪で回る。 腰に巻いていたカンボジアのクロマーをどこかで落としてしまった。
東京駅で知人と打ち合わせのあと、いったん実家に戻って装備の仕切り直し。
11月21日(水)の記 動物学の午後
日本にて 早朝出家。 新幹線で岡山へ。 まずは友人と打ち合わせ。 午後、岡山理科大学へ。 バスで山を登り、さらに延々とエスカレーターで天空に向かう。 MOA美術館みたい。
動物学教室の小林秀司さん仕切りで「南回帰行 橋本梧郎と水底の滝」上映。 動物学の教員、学生らと地元の珍味美酒をいただく。 博物談議は興味が尽きない。 博物学の系譜、ここにあり。 小林さんとは、橋本梧郎先生、中隅哲郎さんを共有する。
夜行特急サンライズに横になり、ふたたびまずは東京を目指す。
11月22日(木)の記 軽井沢経由八戸イン
日本にて 夜行特急サンライズ、B級感が好き。 横浜でシウマイと神奈川新聞を買い、東横線で実家にいったん戻る。 荷物を仕切り直して、まず軽井沢リベンジ再訪。 ようやく千住博美術館に入館。 新作の崖シリーズを眺める。
大宮乗り換えで、八戸へ。 YAMさんが迎えに来てくれた。 明日から開催の「はっち市」、今も準備中の由。 宿で旅装を解き、パソコンをつなぐ。
11月23日(金)の記 はっち市!
日本にて 八戸最初の朝。 フンパツしてホテルの朝食をがっつり食べる。 地元紙・東奥日報の記事が面白い。
今日から三日間の「はっち市」、いま一つどういうものだかわかりかねていた。 のぞいてみてびっくり。 地元の文化産業の盛り上げを図る5階建てのビル全館が、クラフト市になる。 全国公募で選ばれた各地の手作り作家たちがそれぞれブースを構える。 清貧のおかむらも、ついつい欲しくなるものが少なくない。
今日は午後から「あもれいら」③を上映。 ライブシアターでの前後のライブも楽しませていただく。 今回の岡村の呼び寄せ人であるYAMさん・たくちゃんの懇親会でのミニライブを聴く。 彼らのライブは初めて。 すばらしいではないか。 ブラジル音楽と、東北の土俗の融合・昇華。
ホテルは徒歩数分、とりあえず移動をしなくていいのもありがたい。
11月24日(土)の記 縄文改進
日本にて 今日も一日、八戸。 僕の出番はないが、どう有効に使うか。 はっち市のライブ鑑賞の合間に、是川縄文館に行ってみる。 新たにこんなすごい施設ができていたのにびっくり。 相当なカネをかけて、業者に発注したのだろう。 手の込んだ仕掛け、オーディオビジュアルも今様にしているが… NHKのいま時の歴史番組みたいな感じだが、意外とけっこうあんまり残らないかも。
以前の、橋本梧郎ワールド的なモノそのものの無骨感、雑多感が好きだった。 例えば土偶なども、リニューアルではこぎれいに並んで照明が当たっていても、正面しか見ることができない。 旧館では、ぐるりと回ってみることができたので、飽かずにガラスケースを回ったものだ。 YAMさんがここの学芸員を紹介してくれたので、忌憚なくいろいろと聞かせていただく。
夜は八戸ラーメンとワンカップ酒ぐらいにとどめて、ホテルの部屋で拙著のゲラのチェック。
11月25日(日)の記 千秋楽は、ダブルヘッダー
日本にて 今日は、綱渡りだ。 未明より原稿作業、チェックアウト。
はっち市では、ちょうどYAMさんがラジオ生出演しているところだった。 声をかけてもらい、急きょゲスト出演。 縄文漆工芸の里・是川遺跡と、はっち市参加のクラフト参加をぜひ結ぶことなどを提言。 更にこれから上映する「下手に描きたい 画家森一浩ブラジルの挑戦」PR。 これが効いたのか、一昨日よりだいぶお客さんは増えた。 仕掛け人であるYAMさんたくちゃんに堪能してもらったようで、何より。
終映・トークのあと、川がにすいとんをすすりながら三沢空港行バスに飛び乗る。 羽田行き便、無事に飛ぶ。 羽田にも若干早めに着き、ちょうどモノレールの特快に間に合った。 小岩駅からタクシーで小岩図書館へ、メイシネマ上映会場に駆けつける。 まさしく「テレビに挑戦した男 牛山純一」のトークの終わらんとするところだった。
「サルヴァドールの水彩画」東京初上映。 これだけ大きな画面で見るのは初めてで、いろいろな発見あり。 主人公の森一浩さんはじめ、多彩な人たちが集まってくれた。 新たに、なぜ僕が森さんのアートに惹かれたかがわかってきた。 これで今回訪日の大上映作戦は、終了。 おつかれさまでした。
11月26日(月)の記 東京冬籠り
日本にて さあ日本滞在残り時間も秒読みとなった。
今日は実家から徒歩圏の用足しの他は、ずっと折りたたみの和机の前。 夜半まで、ゲラの朱入れ。 けっこう時間が経ってしまうものだ。 これだけの書きものははじめてなので、これだけの朱入れもはじめて。
念のためコピーも取って、500円のレターパックで送ろう。
11月27日(火)の記 主なき誕生日
日本にて 離日前の買い物・外回りを一気に済ませにかかる。
日本の友人のお子さんに、イエスの人生について書いたジュニア向けの本を送ろうと思う。 今日の道順にある青山ブックセンターで、クリスマス絵本フェアをやっているようだ。 渋谷から歩いて行ってみる。 見事なまでにイエスについて書いた絵本・児童書は見当たらない。 クリスマスって、誰かの誕生日のお祝いじゃなかったっけ? ここまで、ひどいとは。 銀座の教文館あたりまで出向くのは、時間的に厳しい・・・
まずは目的の根津美術館へ。 柴田是真の漆絵が見たかった。 次の約束のある渋谷に戻るが、別の道を行ってみる。 すると、キリスト教専門の書店があるではないか。 どうやら、都内に6軒だけある店の1軒に、偶然、あたったようだ。 ここでも、こっちの狙っていた範疇の本は一冊だけ。 マンガ版聖書みたいのはいくつかあったけど。
その他諸々、今日の予定、なんとか消化。
11月28日(火)の記 空木二度咲く
日本にて 今年は目黒の実家のウツギが、二度咲いた。 十二月目前の冷え込む今が、二度目の満開。 わが家のは、白い花と桃色の花が混じる。 道路に飛び出した部分に鋏を入れておく。
明日朝、出家である。 身辺の整理と掃除、残りの郵便物手配、徒歩圏の買い物、銀行の用事などなど。 今回はなかなか持参荷物も多いぞ。
11月29日(木)の記 JALの現場力
日本→アメリカ合衆国→ 深夜、ブラジルの家族からフェイスブックでメッセージ。 サンパウロのJALオフィスから、成田発の便が遅れると電話があった由。 メールボックスには、サンパウロJALオフィスからポルトガル語で出発遅延を知らせるメールが入った。 5時間の遅れとある。 ニューヨークのコネクションが12時間近くあるので、大筋に問題なし。
メールマガジンで、JALのスタッフの現場力を評価する記事を先日、読んだ。 こうした現場力はうれしい。 成田でもJALの女性スタッフがあちこちで、本当にすまなそうに詫びてくれる。
機内映画は、ニューヨークからのアメリカン航空便での映画を考慮して、邦画限定で鑑賞。 「あなたへ」「るろうに剣心」「おおかみこどもの雨と雪」の3本立てとする。 見応えあり。
11月30日(金)の記 アメリカンの夜
→ブラジル ニューヨークからのアメリカン航空便、エコノミー座席は見渡す限り各座席のエンターテインメントサービスのモニターが機能していない。 乗客から聞こえてくるのはポルトガル語のみだが、英語だけであと数分で回復の見込みとのアナウンスがあった。 10時間近いフライト、けっきょく壊れたまんま。 到着前に、英語のみでお詫びのアナウンスがあった。 ブラジル人ごときに詫びる必要はないってか。 アメリカンの機内誌には各便で続々Wi-Fiなどのパーソナルサービス実施中とある。 はるかそれ以前の現状。 詫びないんなら、少し料金を払い戻せ。
ぶじサンパウロに到着。 南回帰線直下の夏が、まぶしい。
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