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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2015年の日記  (最終更新日 : 2016/01/03)
1月の日記 総集編 カルマン渦の午後

1月の日記 総集編 カルマン渦の午後 (2015/01/03) 1月1日(木)の記 新年の悪酒
ブラジルにて


クリスマス当日、そして元旦と、サンパウロ市内は静まり返り、まことに自動車の運転も快適。
こちらの一族の集まりに向かう。

例年、我が家の近くの、森田隆さんの日本食材店「SUKIYAKI」は元旦の午前中は開けていたと記憶するが、今年は閉まっている。
車でぐるっと逆戻りして、その手前の「泉屋」へ。
お正月の乾杯用の日本酒を買うため。
泉屋さんにはブラジル国産の日本酒「東麒麟」が3種あるのみだった。
いちばん高いのを買う。
四合瓶で30レアイス弱、邦貨にして約1300円弱。
冷蔵庫で冷やしておくが…

不味い。
これだけまずい酒は、記憶にないぐらい。
なにかのまちがいではないかと思うぐらい。
この値段なら、カシャッサ、ワイン、ラム、ウオッカ等々、そう恥ずかしくも悪くもないものが買えるのだが。
こりゃあ、料理にも使えないまずさだ。

かつては「アタマキリン」と呼ばれるほど頭にくる不味い日本酒だった、とよくいわれる。
20数年前に僕がブラジルに来たころには、だいぶ向上していたのだが。
ブラジルにおける日系の諸々の劣化が指摘されるようになったが、これは特記に値する劣化だ。
昨今、ブラジルでは日系ではない酒造メーカーからサケが出されるようになったが、これは飲み比べてみるか。

まだまだ先の長い今年中に、これ以上マズい酒を飲むことはまずないだろうと思うと、なんだかうれしい。


1月2日(金)の記 新年オコノミー
ブラジルにて


スーパー類はだいたい今日から開店。
訪日土産、そして家庭のものの買い物でハシゴ。

昨年10月末の訪日以来、ばたばたして疎かだったウエブサイトを少し整理。

夜はお好み焼きで、ということになっている。
山芋を買いそびれるところだった。
こちらでは、カラと呼ぶ。
どこにでもあるものではない。

一軒目はあまり安くなく、もう一軒目でゲット。
キッチンドリンクをしながら、ひとり鉄板で焼いていく。
ヤキソバ乗せが好まれるので、鉄板の半面をヤキソバに取られて最初はペースが落ちる。
山芋はすり込んで小麦粉と混ぜてしまうが、一枚、卵を入れ忘れてしまった。
焼いてもボロボロ、味も卵が欠けるとだいぶ落ちると体感。

安売りのプチトマトがあまりに甘いので、ウオッカに入れてカクテルで。
悪くない。


1月3日(土)の記 新年てんやわんや
ブラジルにて


「てんやわんや」の語源を調べる。
さすがにポルトガル語ではなさそうだ。

サンパウロ出家前日となり、頭がこんがらがりそう。
あるはずのものがなかったり。
いやはや。

買い物と、銀行のATMでの払いもの。
我が銀行の最寄りの支店は、日射と雨露をしのぐのに格好のようで、年末からストリート系のおじさんたちが集結して盛り上がっている。
山賊の宴やかくや、という感じ。
無人の行内に入るのにちょっと覚悟がいる。
付近のオシッコくささも、なかなか。
利用者より自分たちの快適さを優先する行員たちが仕事に戻る来週の月曜には、一掃されるだろうけど。

カレンダーを何度も眺めながら、取りこぼしがないか思いを巡らす。
夜は鉄板でトロピカル風焼き魚。
風の乏しい猛暑。


1月4日(日)の記 新年出家
ブラジルにて


新年早々、ブラジルから訪日というのは今まであまりなかったような。
フライトはグアルーリョス国際空港から明朝4時過ぎ。
なにがあるかわからず、深夜は物騒なので、今晩のうちに出家することに。

まだ年末年始休暇ムード、しかも日曜なのでシャトルバス乗り場までのタクシーをどうつかむか。
何十回訪日しようと、家族とのしばしのわかれは、なかなか。
何年何十年、いやさ永遠に離れなければならない人たちに思いを寄せよう。

日本はだいぶ寒いと祖国の人たちから連絡をいただくが、まるでそこまで想像がはたらかない。

さあなんとかグアルーリョスまでは着いた。
第3ターミナルへの長い道のり、そしてカタール航空のチェックインが始まるまでの長ーい待機。

このターミナル、やたらに蚊が多い。
携帯蚊取り線香を持ってくればよかった。
とりあえず2機、いやさ2匹撃墜。


1月5日(月)の記 機上の『家路』
→カタール→


初カタール。
はじめての航空会社と国際線空港は、緊張がある。

基本的に日本映画はないといって等しいエティハド航空に比べて、今回のカタール航空は実に充実しているではないか。

まずは久保田直監督『家路』を見る。
福島原発事故でほんろうされる家族を描く。
機内映画の音環境のため、役者たちの福島弁が聞き取れず、英語字幕がありがたい。
掛け値なしと言っていいこうした劇映画が日本で製作・公開されたこと、そして日本以外の航空会社の国際線で上映されていることがうれしい。
JALがこの映画を機内エンターティンメントサービスで上映していたら、見直させていただきたい。
安手のつくりものに終わらない脚本がいい。

そこそこに眠り、『春の雪』を見て『るろうに剣心』パート2の途中でドーハに到着。
ドバイやアブダビほどごちゃごちゃしていなくて、悪くないぞ。

カタールにおちない。


1月6日(火)の記 機上で観る倭軍大敗
カタール→日本


カタールの空港、よろしかった。
JALに操を立てていた時代の名残りのワンワールド・アライアンスのステータスで入れるのは大衆寄合いラウンジと覚悟していた。
ところがゆったりとしたビジネスクラスのラウンジに。
深夜の静謐のなか、隣りのイビキのおじさん、反対側に執拗にスマホでしゃべり続ける東洋人が泣かせるが、また動くのもめんどくさい。

さてふたたび機中。
昨年、韓国で史上空前クラスのヒットを遂げたという『Roaring Currents:
鳴梁』が面白かった。
日本で「慶長の役」、以前は「朝鮮征伐」。
いっぽう韓国で「丁酉倭乱」と呼ばれる日本の侵略戦争の鳴梁開戦を描くスペクタクル。
圧倒的多数の倭国水軍に挑む李舜臣。
日本の武将役のしゃべる日本語のコリアン訛りが泣かせるが、このあたりも異文化理解の点から面白い。
日本側がやたらに「忍者系」を使っているのが、実際はどうだったのだろう。

世界を結ぶ国際線のエンターティンメントサービスで、福島原発事故や日本の朝鮮半島への侵略戦争を描く大作が日常的に上映されている。
日本国内で日本語で喧伝されているものと、英語をはじめとする多言語でグローバルに発信されている日本像の落差に留意したい。

映画好きを自認して元旦二日と映画三昧だったという今の日本国首相に、こういう映画を見るだけの知性と感性を望むのは、無理難題か。

機中で、まさかの眼鏡のトラブル。
最悪の事態は避けられたかな。

お寒い日本国・羽田に到着。
荷物受取りのレーンにつくが、なんとカートは出払っているという。
回収されて戻ってくるのを待つか、カートなしで税関と出口に向かうしかない。
国の玄関口かこれで、よく「おもてなし」などと公言できるものだ。


1月7日(水)の記 新年ミッション・インポッシブル
日本にて


昨晩の日付の渋谷行きのバスに間に合った。
羽田から夜の水面を見やりながらドキュメンタリー映画『ソレイユのこどもたち』(奥谷洋一郎監督)を思い出す。
すごい場所とそこに住まう人を取材したものだ。

渋谷からタクシーに乗り換え、日付が今日になってから祐天寺裏の実家にたどり着く。
まずはノートパソコンをつなぐ。

午後、さっそく入学(学芸大学駅地域に入ること)。
武者震い。
さる12月放送のNHKの山田太一脚本ドラマの舞台となったという古本遊戯・流浪堂さんへ。
ご挨拶と、さっそくの展示と記念冊子についての打ち合わせ。
喫茶平均律にご挨拶、チャイをいただいてからニューフェイスの古本屋・SUNNY BOY BOOKSさんへ。

サニーさんも流浪堂さんの「岡村淳の脳内書棚」展に並行して特別イベントをしてくれることになった。
小冊子をつくろうとのことで、僕は昨年末に「SUNNY BOYと日食移民」と題した駄文を入稿済み。
余裕で店主の高橋さんに挨拶すると、この冊子用にさらに本のレビューを書いて欲しいという。
書籍8冊について、うち6冊はSUNNY店内にある本で、というご希望。

今回すでに流浪堂さんの展示と冊子用に、手持ちのネタ本はひと通り提供してしまっている。
僕の性分として、これらとダブること、ろくに読んでもない本のレビューを書くことは致しかねる。
締め切りはと聞くと、明後日の金曜日!
あせって店内の本を血眼で見て回る。
うー、読んだ本はあっても書きたい、すすめたいとなると…
同じ著者・出版社の本を重ねて宣伝がましいこともできないし。

新たに求めて、気に入れば書いてみたい本は何冊かある。
しかし遅読の僕には、どれだけ明後日までに他の急ぎの諸々の合間にきちんと読めるかどうか…
全6冊分で、うち4冊はSUNNY在庫本ということで手を打つことに。

さっそく5000円近い本を購入。
マンサツを持ってきてよかった。
まず読み始めた新刊の『本屋会議』(夏葉社)。
面白いではないか。
やわらかい鉛筆でさっそく線引きが続く。
訪日早々の厳しい出費のいたみは吹き飛ぶ。


1月8日(木)の記 学大二昧
日本にて


快調に時差ボケである。
それを利用して、遅読ながらSUNNY BOY BOOKSさんで買った『本屋会議』を朝までに読了。
これはいい本だった。
これを先に読んでいたら、流浪堂さん用に硬軟と書きおろした原稿の、軟の方は書けなかったかも。

SUNNYさんで買ったもう一冊も読み始めるが、データを検索して思い出しだし、無理な濫読をしなくてもSUNNYさんの冊子用の6冊のレビュー、いけそうな見通しがつく。
そもそも急ぎの郵便物をいくつも梱包・添え書き・宛名書きして発送せねばならず、中年大童(おおわらわ)である。

今日は日中、二組のアポを入れていたがなんとかなりそうだ。
「裏口入学」(東横線などのフォーマルな方法ではなく学芸大学地区に立ち入ること):徒歩にて学大へ。

イラストレーターのこうのまきほさんと打ち合わせ。
またしても、こちらの期待以上の作品を持参してくれた。
次いで、上京してきた沖縄探見社の高橋哲朗さんを学大案内。
沖縄探見社さん http://www.okinawatanken.ecnet.jp/ にも流浪堂さんの「岡村淳の脳内書棚」展に友情出品していただくことになり、乞うご期待。

せっかくなので沖縄の友を新宿ゴールデン街の佐々木美智子さんのブックババア、じゃなかったブックバー「ひしょう」にご案内。


1月9日(金)の記 カルマン渦の午後
日本にて


SUNNY BOY BOOKSさんのオカムラ刷り物用の本のレビュー6冊分を書く。
1冊120字前後で。
けっこう、すいすいといける。

流浪堂さんの冊子パート1の半分ほどのゲラを校正。
今日はできれば渋谷での所用、都内遠方の美術館に行きたかった。

しかし訪日早々、時差ボケそのままで読書等をすすめ、日中に疲れが出る。
ずるずると、とりやめ。
ネットで知った「カルマン渦」というのがとても興味深い。
うつらうつらするとき、カルマン渦を想いうかべる。

外回りは夜、SUNNYさんと流浪堂さんに夜、顔を出しに行くぐらいとなる。

明日の上映のトーク内容を練り始める。


1月10日(土)の記 初戦
日本にて


招待券をいただいた美術展がこの連休で終わってしまい、そそる内容でもあるのだが、東京23区内ながら実にアクセスのわるいところ。
機中で大破した眼鏡の修理も早急に着手しなければならない。

今日午後からのイベントと上映・トークの内容を練ること、そして体力を温存することを優先、板橋の美術展は断念。

渋谷の眼鏡屋。
代替部品があるか不明、連休が入るので来週に持ち越しとのこと。
いずれにしろ、さっそくの物入りである。

旦敬介さんのゼミ生主催の中野での「ブラジル&メキシコフェスティバル」へ。
なつかしい再会、実にびっくりの再会。
どんどん人が集まってくる。
まずはケペル木村さんのブラジル音楽についてのトーク。
ついで旦さん・ケペルさん・僕の鼎談。
会場は2階と1階に分かれているのだが、マイクがない、という事態。

僕の映像上映の時は、音声が出ない、というトラブル発生。
スタッフがスピーカーの買い出しに走る間、僕が漫談でつぶす。
1階と2階の映像を別出しながらアナログ同期させるということだったが、見事にずれる。
そんななかでの『京 サンパウロ』の上映となった。

質疑応答の際、ひとりの女性から「自分にとってはつまらない、しかも日本を延々と見せる作品をなぜ選んだのか主催者に聞きたい」との声。
そもそも代表の学生は、飲食の注文取りと給仕に奔走中で、質疑を聞いているどころではない状態。
「飲んで、食べて、観て、聞いて楽しむ一日」を目指す場の空気が重くなる。
そもそも作品のチョイスは主催者側による。
しかし上映設備の不備の指摘ならともかく、僕にとっては出来が悪くてもわが子である作品が公然とつまらない、と申し上げられては黙ってもいられない。
僕はこのイベントを学生たちの教育の一環と受け止めている。
部活・就活・バイト・プライベートといたく取り込んでいる学生たちが、このイベントを実現した。
人が集まり過ぎて大変な状況になるほどの盛況だ。
学生たちが委縮することがないよう、そして来場された方々との「楽しむ一日」に近づけるよう、がんばる。

上映後に拙作の問題点:情報の不足をパーソナルに伝えてきた人がいた。
しかしその情報は、作品のナレーションにも、同時録音会話にも盛り込まれている。
きちんと映像・音声が再生されていないと、作品そのものがおとしめられてしまうことを再認識。

旦さんはきちんと今回のイベントの問題点を把握していたので、なおも僕があげつらう必要はなさそうだ。
若者たちよ、この体験のあえて失敗点からも学んで、委縮せずに打たれ強く、しなやかにしたたかに成長しておくれ。

それにしても面白い出会いをたくさんいただいて、感謝。
正直なところ、このイベントに間に合うように訪日することはコスト的にもプライベートの面でも容易ではなかった。
しかし、それに見合う以上のご褒美をいただいた思い。

多分これ以上のハードな上映環境は今回はないと思うと、最初でよかった。

帰路、学大の流浪堂さんによって冊子の件のやり取り。
さあ明日は早いし、準備を怠るな。


1月11日(日)の記 水戸の先生
日本にて


最初の闘いの後の、疲れと興奮が尾を引く。
まだ時差ボケ快調で、眠りが浅い。
思い切って未明の5時台に出家、歩いて目黒駅へ。
鈍行列車で水戸入り。

あ。
駅前大通りにマユダマ・モチバナ飾りが。
想えば、僕の「ドングリとマユダマ」という卒業論文の旅のきっかけは茨城の民俗報告書だった!
ちょうどそのあたりのことを、流浪堂さん発行の冊子に書いたところ。

さっそく強行軍だが、朝から尋常ではない出会いあり。
今日は成人式、水戸芸術館に晴れ着軍団集結中。

水戸市内をけっこう歩くが、見事に喫茶店がない。
あっても日曜定休。
モーニングサービスで、原稿の校正でも、と思っていたが、とんでもない。
県立美術館をみてから、ホテルのチェックイン前にお気に入りの喫茶「ミネルバ」さんへ。
ここでも、面白いものが出てきた。

今日のにのまえさんへの出前上映は『南回帰行/橋本梧郎と水底の滝』。
ハイビジョンではない、スタンダードサイズの作品だが、画面がきれい、映像がきれいと礼讃いただく。
昨日と真逆。
映像作家はどのように作品を見せられるかにこだわらなければいけない、と再確認。

上映後、橋本先生をめぐって、参加者のディスカッションは尽きない。
あなかしこ。


1月12日(月)の記 北茨城 小さな旅
日本にて


昨晩の水戸上映会の有志と、北茨城に向かう。
コース・立ち寄り先はお任せ。

まずは村﨑虚空蔵堂へ。
ほう、こんなところに庶民の祈りの場が。
拡がる砂丘と、原子力施設。
よほど不審な一行とみられたか、さっそくパトロールカーが来る。
「煮イカ」というのを露天で買う。
水戸勢も煮イカは初体験の由。

次いで、ブラジル人が騒ぎを起こしたという高戸小浜海岸へ。
この小島の景観にはびっくり。
沖縄の浜比嘉島の聖地・アマンジ洞を想い出した。
奇妙な洞穴群。

噂の6号線を北上。
岡村天心記念五浦美術館と六角堂へ。
メンバーたちが天心の『茶の本』をめぐって議論。
は、恥ずかしながら読んでない…
ミュージアムショップで、そっと購入。

福島まで乗り込む計画だったが、僕の夜の予定もあり、五浦から反転。
にしても、北茨城の海の青さには驚いた。
そして、ところどころに津波の爪痕。

今回の滞日中の、これが唯一の観光になるかも。
鈍行列車で帰京、さっそく学芸大学の流浪堂さんへ。
けっこうな荷物になってしまったが、休日で電車もさほど混み合わず、助かった。


1月13日(火)の記 米のよろこび
日本にて


今日は、流浪堂さんのお休み。
手紙関係を実家で手がける。

日中、用足しに出る。
以前、お米を買ったことのある祐天寺駅前のお米屋さんへ。
2キロ以上買えば、玄米から精米してくれると聞いていた。

どの米にするか。
山川建夫さんが語っていた、ご自分のこさえた日本で二番目に美味しい米のことを想い出す。
山の方の、湧水で作ったような…
お店ですすめてもらったのは、山形県大石田町産の「つや姫」。
あぜ道にハーブを植えている、とある。

七分づき、五分づきなど、どっちがどうかよくわからないので、お店の女性に教えてもらう。
(いま調べてみると、玄米色に近い三分づきにしてくれたようだ)
とがないこと、水に漬けるのは1時間ぐらいでもいいこと、よくかんで食べることなど指導をいただく。

さすがに少しはといで、1時間以上つけるか。

横川の釜めしの、一合用の釜で炊く。
いやー、これはおいしいではないか。
米とは、こんなにおいしいものであったか。

そもそも、白米にするまでの精米は、コメの栄養をこそげ落とし、調理の時間を短くすることの追及だ。
文化と文明が加速度的に「白米化」しているいま、じっくりとコメを炊いて、噛んで考えよう、備えよう。


1月14日(水)の記 命名・FLORESTA
日本にて


さあいよいよ流浪堂「岡村淳の脳内書棚」展準備のホンバンだ。
ブラジルから新たに持参した書籍・資料類を担いで、お店に出頭。
SUNNY BOY BOOKSの高橋さんが、サニーさんで作る刷り物の件でやってくる。

祐天寺駅北の珈琲店carawayさんが、サニーさんでの岡村展のために特別ブレンドを作成してくれているという。
近々carawayさんによろうと思っていたが、さっそくご挨拶に行くことにする。
お店の近くの銭湯も行ってみたかった。

祐天寺駅側から向かうが、また迷う。
世田谷区側で地図掲示板を見つけ、軌道修正。

まずは気になる銭湯・寿湯へ。
浴槽のサイドにある水槽が目を引く。
体長30センチほどの緋鯉が3匹、泳いでいる。
水槽の手前の湯船はぬる湯で、浸かりながらコイを見つめ続ける。

常連らしいご老人が声をかけてくれる。
少し前まで、この倍以上の巨大なコイがいたとのこと。

メガネも濡れたまま、carawayさんへ。
「雨ですか?」と訊かれる。
今回、作成したコーヒーを飲ませてくださるという。
緊張。
おお。
言葉が追いつかないが、くどくなく飲みやすく奥深い。
carawayさんからこのブレンドへの命名を頼まれる。

うむ。
「雅」「杜」みたいな漢字ひと文字か。
が、岡村に求められるのはブラジルの風だろう。
ポルトガル語の単語ひとつかな。
時間はない。
何度かすすって、FLORESTA:森 と命名。
音としての響きも考慮。
このお店には、「道」がある。
命名・珈琲道。
多分もう使われているだろうな。

夜、ふたたびSUNNYさん、流浪堂さんに出頭。
展示スペース・トーチカの使い勝手、二見さんご夫妻のセンスとやる気に胸をなでおろす。


1月15日(木)の記 ブラジルをかたる
日本にて


今回の流浪堂「岡村淳の脳内書棚」展は、七つの項目に分けている。
それぞれの項目名と概要を、どう展示するか。
以前、SUNNY BOY BOOKSさんで買った活版印刷の青灰色の200字詰め原稿用紙に鉛筆で書いて、それをカラーコピーで拡大することを思いつく。
悪くないかも。
それぞれ300字近く書いていた概要を200字まで詰めるのでのた打ち回る。

今日はけっこうな雨。
展示用のブツを徒歩にて何度かに分けて持参するのだが、なかなか。

ブラジルのことで企画を立てたいというマスコミ関係者とお話。
話していると、いろいろ面白いことが浮かんでくるものだ。

実家に戻って作業。
午後7時のニュースの直前だと記憶するが、NHKで今年の芥川賞を小野正嗣さんが受賞、との報。
驚き!
小野さんは今回、並行展示してくれるSUNNY BOY BOOKSさんのペーパーに、岡村についての寄稿をしてくれたのだ!
これからが大変だろうが、小野さんは十分にしたたかそうなので、見守らせていただこう。

なにせ初めてのことで、はらはらである流浪堂さんの「岡村淳の脳内書棚」展、なにか胎児の成長を見るようだが、だいぶ人間らしくなってきた。
二見店長のおかげ。

明日は今回の御用絵師を務めてくれた こうのまきほ さんが来てくれる予定で、一気に臨月に向かう予定。
さあまだまだ残務はてんこ盛りだ。


1月16日(金)の記 開戦前夜
ブラジルにて


流浪堂さん「岡村淳の脳内書棚」展に陳列していただく書物一冊一冊の解説を、実家にて書き始める。
午後より、お店に張り付き。
近くに100円ショップ・ダイソーがあるので、展示使用の小物をいろいろ買い込む。
まずは、ひたすら本の解説書き。

大相撲で心もそぞろの、今回の展示の御用絵師・こうのまきほさん合流。
展示用の入魂の作成を展示スペース・トーチカで続ける。

お店閉店の深夜12時まで作業。
とりあえすの歩留まり。

明日の展示オープンには、以前から引き受けていた上野での友情撮影があるので、僕は参加できない。
二見店長にハイゼットで祐天寺裏の実家まで送ってもらう。

まずは明日というか、今日の撮影の準備。
ヤマ場なり。


1月17日(土)の記 開幕
日本にて


はじめて使う機材。
ブラジルから担いできた備品と組み合わせる。

本日12時開店の流浪堂で始まる展示を背に、上野公園へ。
東京都美術館で今日まで開催の九条美術展でのパフォーマンス「坐る九条」の友情撮影。
展示そのものはヴァラエティがあり過ぎて、なにをどう見たらいいか、そもそも頭は撮影のことでいっぱいで消化できない。

展示会場内で行なわれたパフォーマンスは想像以上に好評だった。
こういった場以外では、どうだろう。

同じ上野公園内の「進撃の巨人」展は、行きも帰りも、九条展とはけた違いの長蛇の列。
昨日深夜までの作業、今日の撮影でふらふらだが、まずは自分の土俵へ。
一晩のうちに二見さん夫妻が、オープンできるまでの形にしてくれていて、恐縮。

いったん仕切り直しに実家に戻っている間に、友人知人らが展示を訪ねてくれていた。
夜、ふたたび現場に戻ると、高校時代のアミーゴが。
彼は丁寧に、余人にはわかりかねるディテールまで読み込んでいた。

彼に、まずは僕の方で打ち合わせ事項のある喫茶・平均律さんに付き合ってもらう。
次いで今後の懇親会場候補の駅前の居酒屋の下見を兼ねて、乾杯。
幸先のいいスタートだ。

軽く、に止めておいて、ふたたび流浪堂の現場へ。
いろいろ、展示の足りない部分を補っていかねば。


1月18日(日)の記 東横な日曜日
日本にて


昨日、オギャーと生まれた「岡村淳の脳内書棚」展示、まさしく新生児と同じでそのままなら餓死か凍死してしまう。
僕自身、いまだ全体をきちんと見れていない。
取り急ぎ、気になったところの応急処置だけしておく。

日曜昼の売れ筋の古本屋さんの忙しさを垣間見る。

展示場にいらした男性が香川のご出身。
サウダージ・ブックスさんの黒島伝治本をすでに購入、郷土の文人を取りあげてくれたのがうれしく、さらに2冊注文して、故郷に送ったと話してくれる。
わがことのようにうれしい。

夜の横浜上映の前に、神奈川県立歴史博物館の「発掘された御仏と仏具」展が今日までなので、見に行く。
専門的すぎて、よくわからない。
これらの遺物をつくったり使ったりしていた人たちの、こころがまるでわからない。

ガウショこと伊藤修さんが店頭でけむりとともに待ち構える横浜パラダイス会館へ。
座長のヅルさんにカシャッサをふるまっていただく。
穏やかかつ知的で前向きな方々にお集まりいただき、ささくれ立ったハートが癒される思い。

ブラジレイラのマリさんの「アブラカダブラ」で懇親会。


1月19日(月)の記 目黒の迷宮
日本にて


出がけまで展示用の作業、少し出遅れる。
歩いて目黒駅まで。
水戸から来てくれたアミーゴ二人と合流。
流浪堂さんの開店まで時間があるので、行人坂下りから始めて、目黒散策。
キレ者の友との散策は、新たな発見・教わることが少なくない。

月曜は付近のイチオシスポットがひと通り旧館、どこにお連れするか思案した。
大円寺の五百羅漢ととろけ地蔵等々を拝んでから、崖下の雅叙園へ。

学芸大学駅まで歩く。
駅周辺の迷宮あるきを堪能。
昼食後、流浪堂さんへ。

展示はともかく、本好きの人は店内をじっくり見ていると2時間ぐらいは平気で経ってしまう。
水戸の友は、とんでもない掘り出し物をした。

この友とは、共通の話題のブラジルの日系の図書館がある。
そのハコとは、あらゆる意味で真逆なのが、僕の好きな古本遊戯・流浪堂。
さあ明日から上映だ。


1月20日(火)の記 シダの恵み
日本にて


今日から連続上映。
明日からのが、初めての場所だけに気がかり。

実家で展示用の小さな解説書きの書き足し、明日の上映で配る資料の作成など、こうのさんに描いてもらったみたいに、もう何人かオカムラクンが欲しい。

夕方、流浪堂の二見さんと明日からの上映会場・鷹番住区センターの下見。
流浪堂至近にこんな施設があるのが、妙。
プロジェクターに僕のデッキから接続できるのを確認。

音が心配になる。
渋谷のビックカメラに行き、格安スピーカーを購入。
使えるだろうか。

西荻窪APARECIDAさんへ。
ちょっと気になっていた日本のブラジル音楽界のことを店主のWillieさんにうかがう。
さすがに詳しい。
流浪堂の展示には、APARECIDAさんからもブラジル関係の日本語の書籍を友情出品してもらっている。
これが、かつでのサンパウロの高野書店の書棚を煮詰めたような濃厚さで、故人となった高野さんを想い出し、正視し続けられなかったほど。

さて、APARECIDA店内の書籍コーナーは手薄になったかと思いきや…
なんと、Amazonあたりで入手しようかと思っていた、展示用にぜひ欲しかった本があるではないか!

今日のブラジリアンバーAPARECIDAでのライブ上映は、ブラジルのブの字も出てこない『山川建夫 房総の追憶』。
人数は少なかったが、会話の濃さは常軌を逸するほどの濃さ。

今朝、仕上げていた原稿のキーワード・東大資料館がここでもがっつりつながるとは、尋常ではない。

今日のタイトルの「シダ」は植物ではなく、アパレシーダの略称。
ありがとう、シダ。


1月21日(水)の記 開幕御礼
日本にて


おお、小雪が舞っている。
いよいよ今回の訪日のヤマ場。
流浪堂先の鷹番住区センターでの全6回の上映講座の開幕。

実家にて、上映会で配布する資料「目黒目線」の作成。
題字を手書きにするが、あまりのマズさに書き直しを繰り返す。
プリンターが使えないので、原稿をPDFに変換、UBAでコンビニに持ち込んでプリントアウトしてようやく文字抜けに気が付いて、また実家に戻ってやり直したり。

流浪堂さんには、倉敷の蟲文庫の田中美穂さんが、『胞子文学名作選』の挿絵を担当した松田水緒さんとともにいらしてくれる。
田中さんと、蟲文庫以外でお会いするのが不思議。
松田さんに、ブラジルの心霊画家について解説。

夜の上映の準備があり、お茶にもお誘いできず、ごめんなさい。
上映会のアンケートの作成、備品の買い出しなど。

雪はさっそく雨に代わる。
流浪堂の方に、上映会前に寄ってくれた人が集まり始める。
先に住区センターに向かう岡村に同行してもらう。
人生の先輩たちに会場設定まで手伝っていただき、恐縮。

延長コード、コンセント類もダイソーで買っておいてよかった。
音も昨晩、買ったスピーカーでいけそうだ。

昨晩の上映の、3倍の人の入り。
実に濃ゆいメンバーにお集まりいただいた。
トークもそこそこまわって受け、質疑応答も的確な感じ。
懇親会のために喫茶平均律さんが9時閉店のところ、特別に開けていてくださっている。
9時過ぎにいったんお開きとして会場撤収、平均律へ。
初対面で盛り上がってくれた人がウインナーコーヒーを注文、僕もどんなものかご相伴。
10時半までお店を開けていただき、解散後、今日は0時まで営業の流浪堂へ。

二見さんと上映の成功を喜び合う。
実に壮快、さわやか。
ただ、感謝。
さあ、展示の不備をいじっていかないと。


1月22日(木)の記 カバーでカバー
日本にて


さあ展示の補強を。
岡村持参の非売品の本に透明のカバーをかけて、これまで直接、本にメンディングテープで貼っていた手書きの解説を、カバーに貼ることに。
一冊一冊、やっていこう。

まずは今回、ダイソーで買い込んでいる展示備品の包装用の透明カバーの再利用をするが、すぐに足りなくなる。
流浪堂さんに、お店で使っている厚手の透明カバーを提供していただく。
実家にあった、製図を丸めて運ぶプラスチック製の筒が役に立つ。

流浪堂と実家の往復の合間に、並行展示を実施中のSUNNY BOY BOOKSさんに岡村展記念のスペシャルブレンドコーヒーを提供してくれている、carawayさんにご挨拶にうかがう。
三度目にして初めて、ほぼ迷わずにたどり着けた。
このお店、思えば油面遺跡と東山貝塚を結ぶ目黒縄文ルート上にあるかも。
近くの蛇崩川という地名、いかにも縄文チック。

carawayさんとお話ししていると、けっこう共通の知人が出てくる。
今日は、鎌倉編。


1月23日(金)の記 博物学者の部屋
日本にて


実家に持ち帰った流浪堂の展示本の透明カバーかけ、解説書き。
学芸大学と往復。

展示をなるべく散らかして、抜けた空間がないように配慮。

サンパウロのビエンナーレなどで、博物学志向のアーチスト、アーチスト志向の博物学者の部屋を模した展示を見たことがある。
あれに、あこがれていた。
もっと、オカムラらしくしないと。
なかなかいまだ展示の全体を見渡せないでいる。

今晩から、夜行バスで名古屋に向かう。
流浪堂発で、新宿へ。
いつまで、こんなこと、できるかな。


1月24日(土)の記 名古屋 龍神と縄文
日本にて


未明の名古屋に到着。
先回同様、まずはマクドナルドで暖をとる。
先回、ここで旦敬介さんの『旅立つ理由』を読むという至福の時間を過ごした。
今回は、いんやくりお君の新作『神さまがくれた ひとすじの道』を読む。
原発と放射能の問題にも触れている、貴重な預言書。

メールのチェックの必要を感じて「亜熱帯」というネーミングからして気になっていたネカフェへ。
アフロ、ニューギニア、アボリジンなどの民芸品風のものがあちこちに置かれて、那覇あたりにあるペンションみたいで面白い。

町を歩くと、思わぬ発見が続く。
せっかくの名古屋、モーニングサービスもいただく。
喫茶店にあった中日新聞と日経新聞を読む。
日経の文化欄で、今年は江戸川乱歩没後50周年と知る。

名古屋市立美術館、「だまし絵展2」を鑑賞。
ブラジル代表ヴィック・ムニース、またおもしろいのをやってくれている。
収蔵品展のマリー・ローランサンがよかった。
3点あり。
最後の間に、水谷勇夫さんの作品があるではないか!
『神殺し 縄文』の著書のある水谷さんには「知られざる世界」の取材でお世話になっていた。

千種のカポエイラ道場・ヴァジアソンでの『郷愁は夢のなかで』上映。
代表の久保原さんはインフルエンザで欠場。
来場者の皆さんには、いい感じでご覧いただけた。
新たにこの作品の、マットグロッソの「色味」に気付く。
阪神大震災から20年目の鎮魂上映となった。

懇親会は、初顔合わせの方々も参加してくれて、うれしい限り。
名古屋駅・太閤口集合の夜行バスに間に合う。


1月25日(日)の記 都高 学大
日本にて


都高、といっても外部の人には意味が取れないだろう。
都立大学付属高校の略称である。

夜行バスで未明の新宿に到着。
祐天寺の実家に戻り、久しぶりに体を伸ばす。

昼前に、都高時代の同級生の女性二人から学芸大学に着いたとの連絡。
流浪堂前の陽だまりで合流。
ひとりはルーツが岡山とのことで、「なんでこんな本が!?」と驚きながら倉敷の蟲文庫さんが友情出品してくれた岡山本を買い込んでいた。

ランチをどこにするか、散策。
ようやく決めると、すでに空席待ち。
外目はイマイチな2階にあるお蕎麦屋さん、これはあたりだった。
ほぼ満席の平均律で食後のカフェと談笑の続き。

知らない・忘れている話がいくつも出てきて、話題は尽きない。

さあ、展示の補強に力を入れよう。


1月26日(月)の記 落伍者たちの夜
日本にて


今日も実家と流浪堂を往復。
展示本の透明カバーがけを細々と続ける。

夕方、日本映像記録センターの落伍者と流浪堂のトーチカで待ち合わせ。
最初の飲み屋で別の落伍者も合流。
さらにサプライズの落伍者も駆けつけてくれた。

先輩の訃報がきっかけ。
いまだテレビドキュメンタリーの最前線にいる人たちが、ブラジル移民でも知っている日本のドキュメンタリー専門誌を知らないのは新鮮な驚き。

新たに、それぞれの落伍以前のいろいろな奇怪な話を知る。

気になっていた、都内唯一の馴れずし屋さんまでご案内すると、馴れずしがない…


1月27日(火)の記 祐天寺裏蟄居
日本にて


今日は月に二度の、流浪堂さんの定休日。
こちらも休学(学芸大学に行くのを休むこと)。

作業はいくらでもある。
さらなる展示本の解説書き・透明カバーかけ。
第2回と第3回の学大ライブ上映講座資料「目黒目線」の作成。
PDFファイルの紙刷りのため、コンビニに行く以外は実家で蟄居。

いくつかアート展に行くべきなのだが、今日は疲労蓄積もあり、やめておく。


1月28日(水)の記 蕎麦芸大学
日本にて


昼、西荻窪APARECIDAのWillieさんが流浪堂にふたたび来てくれる。
ご一緒にアルモッソ(昼食)。
学大食道楽ルートを散策のうえ、手打ち十割蕎麦店に。
思えば水戸勢、高校クラスメート勢の時も店は違うが蕎麦屋に落ち着いた。
岡村はすすめてもいないのだが。
Willieさんが学芸大学にゆかりがあると知り、びっくり。

さあ夜の上映簿準備。
今日は鷹番住区センターの2階。
初めての場所のセッティングは、ひやひやである。

「大アマゾンの先住民と日本の縄文文化」と題して、ヤノマモ族取材と、アマゾンの岩絵取材の映像を投影してお話。
ご来場の方々に、熱心にご覧いただく。

喫茶平均律で懇親お茶会のあと、有志でイッパイ。
「鎌倉のゴッホ」の看板のお店で、マコモほかの珍味をいただく。
今日もうれしい出会いをいくつもちょうだいした。


1月29日(木)の記 東京アートすごろく
日本にて


今日は予定していた撮影が、先方の都合で延期になった。
疲れ気味で、展示の方にまだまだテコ入れしたいため、よかったかも。
気になっていたアート展、買い物などを一気に済まさん。

まずは副都心線経由、新桜台駅へ。
江古田の画廊での展示。
いかにも市民運動系の人たちが集まっている。
その前に、旧知のコスモナイトアルファさんへ。
店主の依田さんとのソフビ談義、興味尽きず。

ついで、新宿三丁目下車。
伊勢丹4階で妖怪絵師・柳生忠平さんが小豆島からやってきて妖怪似顔絵を描いている。
柳生さんとの話も興味が尽きず。
いったん上階で草間彌生展を見てから柳生さんのところに戻り、妖怪似顔絵を描いていただく。
度肝を抜く出来栄え。
ほとばしる才能を提供していただき、ありがたい限り。

お次は神宮前の画廊、新潟と沖縄を結んで活躍する阪田清子さんの個展。
サンパウロビエンナーレあたりより僕には面白い。
アートとは、発想と、実現力だな。

目黒区のブラジル講座で中原仁さんのトークを拝聴。
来週のわが講座に備えて、傾向と対策を探る。

歩いて学芸大学夜間部へ。
岡村展に花を添えてくれている、こうのまきほさん、そして連れのお友だちと懇親。
さあ明日からの展示と上映、がんばりましょう。


1月30日(金)の記 学大の雪解け
日本にて


未明より雪。
今日は学大で日中の上映だが。

本日の資料作りのため、コンビニを往復。
転倒に注意しつつ。

雪は雨に。
第3回学大ライブ上映講座、ふたたび会場を鷹番住区センター1階に移す。
小泉照夫さん、森下妙子さんを再生。
来場者の皆さんのアットホームな雰囲気が、僕の心を慰める。

喫茶平均律さんで懇親会。
夜、ブラジルで出会った友と彼の今の同僚にトーチカにお越しいただき、学大の酒池に潜る。


1月31日(土)の記 明瑞復活
日本にて


午前中は、実家で諸々の作業。
午後、流浪堂のトーチカ視察と補強。
学大で取材を受ける。

いったん祐天寺裏の実家に戻り、今晩の「平均律」さんでの上映準備。
4作品からチョイスしてもらうつもりだが、作品によって上映メディアがDVDとminiDVテープに分かれるので、両方を準備。

選ばれしは『明瑞発掘』。
これを、いまここでやってみたかった。
常連の鶴田さんが連れてきてくれた青年が岡村の存在と活動に興味を持ってくれて、お開き後も流浪堂さんのトーチカ展示をご覧になり、シャープな質問をくださる。
やはり上映後に展示に来てくれた常連さんと、気になっていた近くの大衆酒場浅野屋さんで「かるく」イッパイ。

『明瑞発掘』も不思議な仕事、作品であったな。


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