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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2017年の日記  (最終更新日 : 2017/04/25)
4月16日(日)の記 同期の桜はクローン桜

4月16日(日)の記 同期の桜はクローン桜 (2017/04/17) 同期の桜はクローン桜
日本にて


カトリック歴では、今日がイースターの復活の日。
日本でも、ウサギとタマゴとチョコレートあたりのイメージでイースターを消費しようとしている傾向がうかがえるようになった。
バレンタインデー、ハロウインに続いてか。
イエス・キリストの復活という本義を抜きの商売化は、さすがにむずかしいだろう。

鈍行列車で北上、沿線の桜を眺めながら水戸へ。
水戸芸術館で、藤森照信展を鑑賞。
ミトゲーは、それこそアホな大臣に突っ込まれそうな、キュレーターとアーチストだけが盛り上がって観客が取り残されているような企画が少なくなかった印象があった。
が、今回はよろしかった。
副題は「自然を生かした建築と路上観察」。

とくに路上観察学の展示が面白かった。
あらためて路上観察学の成果を写真で概観すると、僕がスチール写真でとらえようとしてきたものとかなり重なることに気づく。
I am not alone という気付き、これは大きい。

今日は、水戸での人目をはばかるプロジェクトが思わぬ事情で中止となった。
いずれにしろ、夕方から上映を予定している蕎麦処にのまえさんに、早めに in。
眞家マスターと近くの古墳に花見に行く。

今回の訪日後、桜というのがあまりに一斉に開花することに素朴な疑問を抱いていた。
そもそも、植物は何のために花を咲かせるのか。
他の生物による受粉を促すためには、あまりの一斉の開花は不都合ではなかろうか。
こんな質問をぶつけることができた橋本梧郎先生は、黄泉路に旅立って数えで十年。

実はたいへんな思索家で理系の大家でもある眞家マスターに聞いてみる。
まさしく二つ返事で、しかも極めてわかりやすくショッキングな答えをいただいた。
そもそもソメイヨシノはエドヒガン系の桜とオオシマザクラの人工的な交配で生まれた園芸品種である。
現在、存在するソメイヨシノは接ぎ木などで増やしたもので、すべてクローンだという。
この理屈は僕のアタマではよくわからないのだが、花は咲かせても実生によってソメイヨシノが芽生えることはないとのこと。

極めて日本的なイメージとされているソメイヨシノの満開というのは、明治の半ば以降のものだった。
なんだよ、クローンかよ。
このことを考え直すことは、けっこう大事かもしれない。
意外な呪縛から、脱却できるかも。

して、今日の上映は『消えた炭鉱離職者を追って サンパウロ編』。
対話もお蕎麦も日本酒も、おいしくいただけた。


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