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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2017年の日記  (最終更新日 : 2017/08/16)
6月9日(金)の記 1932年のひとっとび

6月9日(金)の記 1932年のひとっとび (2017/06/11) 1932年のひとっとび
ブラジルにて


午前中、外に出るとなんだか騒然としている。
地下鉄の脱線事故か。
そのため、わが家最寄りのサウーデ駅が南端の臨時の起点となり、さらに南とはバスで結んでいた。

今日は、というか今日も午後からお出かけ。
地下鉄事故は、僕の行程に特に支障を及ぼさなかった。
パウリスタ地区のFIESP文化センターでアンリ・カルティエ=ブレッソン展。
ブレッソンの写真の個展は、ブラジル初の由。
これがロハで、資料価値たっぷりのパンフレットもフリー!
ブラジルは、日本よりはるかに文化に開かれている。
文化はカネに換算された時に、価値も輝きも失ってしまうなあ。

あの『サン=ラザール駅裏』は1932年の撮影か。
ブレッソンがパリの駅裏の水たまりで、紳士のひとっとびをフィルムに露光した年。
東アジアでは満州国が建国、そして日本では5・15事件発生。
国外移民に慎重だった高橋是清が殺害されて、祖国から満洲へ、ブラジルへ、多量の移民が流出していった…

今日は環境映画祭で4セッション観賞。
あとの二本は、日本も絡んでいた。

デンマークの『インセクト!』。
世界各地の昆虫食のフィールドワークと、新たなグルメへの挑戦。
アフリカではシロアリ食が伝統文化だった。
近年の乳幼児の死亡も、伝統的な昆虫食による微量栄養素の補給で減少できるという。
多国籍食糧メーカーはすでに昆虫の工業的飼育と食材化をはかっている。
グルメのフィールドワーカーは、野生の方がずっと美味と証言。
この作品で、日本のスズメバチ食が紹介されていた。
縄文人は、どのようにスズメバチに挑んでいたのだろう。

4本目の『Salelo』、塩の人、塩原労働者の意。
ボリヴィアとアメリカの合作ですっかり有名になったボリヴィアのウユニ塩原に暮らす人々の長期スパンの記録。
これに昨今の日本人女性観光客らしいのが映り込んでいる。
ちなみに、僕のウユニ取材は、30有余年前。
この映画は、ウユニ地区でのリチウム発見や観光ブレイクの前から、伝統的な食塩採集者の家族を軸にウユニ塩原に寄り添っている。
すごい、あっぱれな取材だ。


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