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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2017年の日記  (最終更新日 : 2017/08/16)
6月11日(日)の記 Ju’Hoansiの旅

6月11日(日)の記 Ju'Hoansiの旅 (2017/06/14) Ju'Hoansiの旅
ブラジルにて


今日は早朝から運転。
日曜も夕方になるとサンパウロの街の交通量はばかにならない。
が、さすがに早朝は快適。

午後から環境映画祭を2本。
一本目はルクセンブルクとオーストリアの合作『Voice of Chernobyl』(この単語を初めてアルファベットで綴ったかも)。
チェルノブイリ事故のさまざまな体験者の証言を声優がモノローグして、役者を使ってそのイメージをいまの現地で写すというもの。
証言を声優が朗読して、イメージショットを連ねるのぐらいまでは付いていけそうだが、それを演じられてしまうと、ちょっと僕には複雑。

次の作品はポルトガル語のタイトルには Bushmen とあるが、英語タイトルにはない。
ドイツの作品で英題『Ghostland,The View of Ju'Hoansi』。
日本でも『すばらしい世界旅行』で取材して放送をしていた頃はブッシュマンと呼んでいたが、この呼称は日本では自粛されてしまったようだ。
ブッシュマンが日本のメディアを賑わしたのは1981年製作の映画『ミラクル・ワールド ブッシュマン』の公開の頃だろう。
主演のニカウさんが訪日したかと。
もし彼らがブッシュマンと呼ばれることを好まないならその呼称は避けるべきだが、少なくともよりアフリカに近いブラジルではこの語が今も使われているようだ。

人類学的には San と呼ぶことは僕も知っていて、日本映像記録センターも英語版の「ブッシュマン」にはこの語を使っていた。
さてすると、この Ju'Hoansi というのはなんだろう。
調べてみると、言語的なこのグループの呼称のようだ。
発音は、Dju-kwa-si とか。
まぎら、わ-し。
アフリカ南部、ナミビアのカラハリ砂漠に暮らす、もともと狩猟採集を営んできた人たち。
今日では狩猟を禁止されてしまい、このドキュメンタリーに登場する人たちは観光客相手に生活を見せて生計を立てているようだ。
ドイツ人のNGOが彼らをサポートしている。
このNGOのプロジェクトで、Ju'Hoansi の人たちがバスで修学旅行に行く。
同じナミビアに暮らす牧畜民を訪ねるシーンが面白い。
体格からして、見た目にまるで違う少数民族同士の出会い。
国家としては同じ国に住まいながら、ヨーロッパのNGOの計らいで初めて身近な他者と出会うことになる。
他者を知ることは、自分を知ることに他ならない。
まさしく人類史上のエポックを映像で共有させてもらった。

さらにこのNGOは、Ju'Hoansi たちをヨーロッパまで連れて行くのだ。
Ju'Hoansi のリーダーは、ドイツの学校でワークショップを行ない、生徒たちと一緒に食事をしたことに感激する。
ナミビアではそうした他者たちと食事をともにすることがなかったという。

南米しかり、アマゾンしかりだが、ほんと、いろいろな少数民族がいる。
この Ju'Hoansi の人たちは、ニタニタに近いくらいニコニコし続けていることが印象に残った。


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