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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2017年の日記  (最終更新日 : 2017/08/16)
6月12日(月)の記 ダミアナと呼ばれた少女

6月12日(月)の記 ダミアナと呼ばれた少女 (2017/06/15) ダミアナと呼ばれた少女
ブラジルにて


さあ今日も一日断食。
環境映画祭は14日までだ。
ほとんどの作品が勉強になるが、あとはぜひ観たいセッションに絞ることにする。

今日は午後から2セッション。
特筆はアルゼンチン映画『Damiana Kryygi』。
1896年、パラグアイの森に暮らすアシェと呼ばれる先住民が入植者たちに虐殺されてしまう。
当時3歳ぐらいだった幼女ひとりが生き残り、ダミアナと名付けられて奴隷とされる。
後年、アルゼンチンのラプラタ博物館の人類学者たちがこの部族の研究を始める。
1907年、14歳となったダミアナは人類学者たちの研究材料とされて、全裸の人類学的写真を撮影される。
おそらくそれが原因で彼女は肺炎となり、その年に生涯を閉じる。
彼女のからだはラプラタ博物館のコレクションとなるが、頭部は切断されてドイツの博物館に送られる…
ダミアナの死は、笠戸丸移民と呼ばれるブラジルへの第一回移民団が南米に到着する一年前のことである。
およそ110年前のできごとを、ここまで掘り返していくこの映画は、驚異そのもの。

遺された写真のダミアナと名付けられた少女の表情には、言葉も出ない。

日本人、そしてブラジルの日本人移民である僕は、祖国でも南米でもダミアナのような先住者たちを殺戮してさらし者にした側であることを肝に銘じなければならない。


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