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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2017年の日記  (最終更新日 : 2017/08/16)
6月13日(火)の記 They shoot indians,don’t they?

6月13日(火)の記 They shoot indians,don't they? (2017/06/15) They shoot indians,don't they?
ブラジルにて


朝から雨。
冷え込んできたが、近所の新築高層アパートの外塀に小型のカタツムリ2頭の匍匐を看取。
ナメクジにも会えるかも。

今日はサンパウロの環境映画祭、僕にとってのヤマ場。
終映時はメトロがなくなりそうで、深夜の犯罪都市でのリスクを覚悟しなければならない。

ブラジルの記録映像作家、Vicent Carelli:ヴィセント・カレリの代表作と最新作、そして討論会。

代表作『Corumbiara』の英題は『Corumbiara,they shoot indians,don't they?』。
この英題には、僕よりちょい上以上のシネフィルなら膝を打つ事だろう。
ブラジル領アマゾン、中西部のロンドニア州の先住民コルンビアラとの初接触活動とその後を長期スパンでとらえていく。
わが先達の故・豊臣靖ディレクターの大アマゾン初接触ものもすばらしい。
が、ポルトガル語の通訳を介しての取材、テレビ取材という制約と限界があったことを、ブラジルのこうした傑作を見るとつくづく感じざるをえない。

昨今の日本のテレビメディアでのアマゾン取材ものをみると、猟奇覗き見に徹しているのに驚くばかりだ。
そうした被写体を追い込んでいる一端が日本国家と日本資本とそれに寄生する諸々、そしてブラジル日系の有産階級であるという問題意識を見事に削ぎ落としている。

ヴィセントの最新作『Martírio』(殉教、受難の意)は162分の大作。
いまだに当然な居住区を認められない南マットグロッソ州の先住民グアラニー・カイオワの闘いに30年近く寄り添った、壮大な叙事詩ともいえる。
大土地所有者や彼らと利権を共にする政治家たちは、公然と先住民たちの存在そのものをインチキあつかいして世論をたきつけるのだから悪質だ。
その悪質さは日本の現政権に通じるものがある。

そして権力側は民間の警備会社を使って先住民たちの襲撃、拷問、虐殺を行なうようになっている。
日本国が共謀罪の成立と並行して、警察官など公務員による被疑者にされた市民の拷問を避けて、民間警備会社に拷問の下請けをやらせようとする動きがあるという。

目を覚ましていなければならない。

さてトークショーは延びるに任せて、最終上映終了時間は押してしまう。
映画館から走っても、メトロの最終の乗り継ぎが厳しそう。
タクシーは論外、深夜のバスを待つか。
意外とスムースに目的のバス到来。
昨今はわが家の前の大通りで寝泊まりする路上生活者が増える一方なのだが、そのにぎわいのせいで返って強盗類のリスクは低まった感じ。
無事にシラフで午前様の帰宅。


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