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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2017年の日記  (最終更新日 : 2017/08/16)
6月18日(日)の記 おもなる神に

6月18日(日)の記 おもなる神に (2017/06/20) おもなる神に
ブラジルにて


今日は、移民の日。
西暦1908年の今日、サントス港に最初の日本人移民団を乗せた移民船「笠戸丸」が到着することにちなむ。
サンパウロでは日系社会の名士たちによっていくつかの式典が毎年、開かれる。
僕は拙作『アマゾンの読経』や『旅の途中』で述べている理由で、列席を見合わせるようになった。

今日は日曜であり、東洋人街に近いサン・ゴンサーロ教会で移民109年にちなんだ日本語のミサがあるということで、行ってみることにした。
この教会ではシネマや物故者のミサや、日本の原爆犠牲者のミサを取材させてもらったことがある。

日系の神父の説教にびっくり。
旧約聖書にある、イスラエルの民がエジプトのファラオに受けた暴力と、ブラジルの日本人移民社会で第2次大戦後に起きた勝ち組事件の暴力を同様に扱っているのである。
前者は為政者による移民への暴力であり、後者は移民たち内部での暴力である。
ブラジルの日本人移民の半数以上はカトリック信者だと日本語でもポルトガル語でも言うのだが、何を根拠にしているのだろうか。
今日のミサに参加している人たちなら、半分以上はカトリック信者かもしれないが。

カトリックのミサでは共同祈願というのが唱えられる。
その定義をネットで調べると、きちんとしたものがないことに驚く。
その共同体や社会などへの祈りを信者の代表が唱えて会衆が続いて祈りを唱える、といったところだろうか。
今日のミサでは、日系社会の顔役たちが肩書きを紹介された後で、誰かに作らせただろう祈りの文を読みあげるという、異例のショー形式となった。
有力者に、ヨイショ!
最初の顔役。
「…おもなる神に祈りましょう」
はて、なんのことか?
あ、「主なる神」か。

ミサ終了前に祭壇で司祭と顔役たちの記念撮影が行われたのにも驚いた。
あとにしてくれよ。

今日のミサで読み上げられたイエスの言葉は、
「収穫は多いが、働き手が少ない。」という働き手の不足を訴えるもの。
この言葉からも、いろいろなブラジルの日系社会、日本のブラジル人社会等々の問題を考察できるではないか。
権威にふんぞり返っていないで、もっとまじめにやってほしい。


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