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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2017年の日記  (最終更新日 : 2017/08/16)
6月28日(水)の記 ゼットで煙草を吸わないで

6月28日(水)の記 ゼットで煙草を吸わないで (2017/06/28) ゼットで煙草を吸わないで
ブラジルにて


電話をするのもいただくのも、あまり好きではない。
電話というものに、暴力性すら感じてしまう。
そもそも近年では、日中かかってくる電話の半分は客引き系。

そうも言っていられず、電話でなければの事態もある。
朝、日本、そしてサンパウロ市外に電話。
いやはや、今日かけておいてよかった。
後者の相手は明日からアフリカに行く予定とのこと、間一髪だった。

さあ、あれを見ておくか。
映画『ザ・ロスト・シティ・オブ・ゼット』。
大アマゾンが舞台の大作だが、すでにサンパウロでは一館、それも一日一回のみの上映となっている。
当地では水曜の映画料金が安いことがしばしば、しかも木曜にプログラムが変わるので、今日が最後かもしれない。
ブラジルは当日以外のプログラムの把握がむずかしいのだ。

この映画の主人公パーシー・フォーセットは実在のイギリスの軍人で探検家。
大アマゾンファン、冒険探検ファン、オカルトマニアの間で知る人ぞ知る存在だ。
西暦1906年、イギリス国軍の要請によりボリヴィアとブラジルの国境地帯、奥アマゾンの地図作成のための測量を行なう探検に出る。
現地で黄金に覆われた廃墟文明の存在を確信して探検を繰り返し、1925年の旅で消息を絶つ。
フォーセットは地底の超文明社会に到達したという説もあり、日本人でそれを確信する人がサンパウロのわが家までやってきて、僕のアマゾン関係の資料の提供を求められたこともある。
その後、その人物そのものが消息を断ってしまったようだが。

この映画は、「ほぼ」まじめだった。
家庭を顧みない夫と妻、そして父と息子の葛藤に身をつまされる。
カネや身分をハナにかけるような、いただけない輩を命がけのミッションのチームに加えると、どんなことになるかというくだりも、学ぶところが多い。
見ておいてよかった。

日本では原作本も出版されて、映画はブラッド・ピットが製作に参加している。
2016年に全米で公開されているのだが、意外なことに日本公開の予定はないようだ。
監督はジェームス・グレイ、主演はチャーリー・ハナムという、日本では知名度が高くはないだろうスタッフのせいだろうか。

われらがインディ・ジョーンズはこのフォーセットがモデルといわれていて、『地獄の黙示録』に通ずる見せ場もたっぷりだし、もったいない。

大日本帝国が、食い詰めた国民たちを出稼ぎ単純労働者として集団で、ブラジルにコーヒー農場の奴隷の代用として送出し始める西暦1908年、フォーセットはすでに2度目のアマゾン探検を行なっているのだ。
アメリカ人のハイラム・ビンガムのマチュピチュ発見は、1911年。

じぶんの座標をふりかえるいい機会をもらう映画だった。
ちなみのこの映画のアマゾンロケは、コロンビア領アマゾンで行なわれた由。
九州が舞台の映画を台湾でロケしたり、沖縄が舞台の映画をオーストラリアでロケしたりとは、地理・地霊に賭けて基本が違うというもの。


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