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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2017年の日記  (最終更新日 : 2017/10/16)
8月2日(水)の記 アラウカニア王と郵便受け

8月2日(水)の記 アラウカニア王と郵便受け (2017/08/06) アラウカニア王と郵便受け
ブラジルにて


今日までのラテンアメリカ映画祭のプログラムをチェックしていて、ぜひとも観ておきたい作品あり。
チリの映画で、スペイン語の題は『REY』、「王」の意。
1860年に南米大陸の南部で、自らその地の王だと宣言したフランス人の話。
これは実話に基づき、「王」の名はオルリ・アントワーヌ・ド・トゥナン、日本語のWikiにもあるではないか。
アントワーヌはフランスの弁護士兼冒険家だった人物。
こういう狂気はわたくしの好むところ。

さて映画の方は、僕にはがっかり。
映画の冒頭からはじまる捕らわれたアントワーヌをめぐる裁判シーンは、全員が異形の仮面をつけて演じるのだ。
先住民マプチェの地を訪ねるシーンでは、わざと映像に劣化ふうな効果や、ひどい傷を施している。
初期の記録フィルム的なイメージを狙っているのだろうか。
「アラウカニア王国」の時期は1860年から1862年、「王」がフランスに戻されて他界したのが1878年。
エジソンやリュミエール兄弟による映画の発明は1890年代になってからだから、時代が合わない。

まあ、見ないで後悔より、見ての後悔の方が僕にはありがたい。

帰路、昨日にざっと見て、いたく面白かった中央郵便局の展示スペースでの写真展をふたたび拝見。
Tânia Araujo というブラジル人の女性アーチストによる、ブラジルの郵便受けの写真展。
その多様性に驚くとともに、わたしたちの日常と人生を大きく支えながらも陳腐化、遺物化を迎えつつあるオブジェに心を打たれる。

帰宅すると、奇しくも日本とブラジルの他州から、うれしい手紙が届いていた。


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