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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2017年の日記  (最終更新日 : 2017/08/16)
8月3日(木)の記 エンコ採用

8月3日(木)の記 エンコ採用 (2017/08/06) エンコ採用
ブラジルにて


なんとも盛りだくさんでダイナミックな一日となった。
『ブラジルのハラボジ』の件で、主人公のハラボジのお嬢さんを訪ねることになった。
彼女はミッショナリーとして、まさしく世界中を飛び回っている。
アフリカから戻って間もない彼女を、拙宅から80キロほど離れた山間の地のお住まいに訪ねることに。

彼女に都合がいいという今日・木曜は僕の車のサンパウロ市内乗り入れ規制の日。
午前7時までに規制範囲の外に出なければならない。
早朝の渋滞具合が読めず、ヒヤヒヤ。

からくも脱出。
今度は先方の指定の午前9時まで、時間を潰さないと。
フェルナン・ジアス街道沿いの休息所に寄る。
なんと、会って話したかった日系夫妻にばったり。

さて、今日の訪問先は、ブラジルでいう CONDOMÍNIO FECHADO のなかだ。
これを日本語でなんというか調べてみると、ゲーテッドコミュニティという芸のないカタカタホンヤク語が出てきた。
いわゆる分譲住宅地だが、周囲はしっかりと囲まれてセキュリティが固く、入域のチェックも厳しい。
治安の悪いブラジルでは、こうして安全にカネをかけなければ安心して暮らせないというわけだい。

ゲートでは身分証明書の提示を求められて、そこいらの国の入国審査より時間がかかる。
域内が、また広大。
メイン道路にこそ道名の表示があったが、目的地に近づくにつれて、道名表示どころか道路の舗装もなくなった。
GPS等をもたない旧人は、途方に暮れる。

この先は泥道の急カーブ、そしてひどい登り道だ。
とてもこの先の山に分譲住宅があるとは思えない。
バックをしようとして…はまる。

急カーブの泥道と切通しの間に側溝があったのだ。
バイクのガードマンが見つけてくれたので、助けを求める。
ミッショナリーにも携帯電話で状況を報告、彼女も管理室に連絡するとのこと。
待つことしばし、コミュニティのトラクターと作業者がやってくる。

「エンコ」の語源をかつて調べたが忘れてしまった。
改めて調べると…
「エンジン故障」の略語という説が断定的に掲げられているのが多い。
が、乳児が尻をつけてしゃがみこんでいるのをエンコということから来た、という説もある。
たとえば今回の僕のケースはエンジントラブルではなくて、まさしく車底がつかえてしまったわけだ。
これもエンコだとすると、明らかに乳児語説だな。

ポルトガル語起源説も考えたことがある。
拙作『ブラジルの土に生きて』の主人公、石井延兼さんがトラックが「エンカリャした」云々と話している。
encalhar は(船が)座礁する、はまる、などの意だ。

トラクターに鎖をかけて引き上げてもらう。
とりあえず車軸等への損傷はなかったようで、車は起動。
肝心のミッショナリーのお宅は、まさかの未舗装の山道の上だった。


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