移民百年祭 Site map 移民史 翻訳
岡村淳のオフレコ日記
     西暦2017年の日記  (最終更新日 : 2017/11/22)
8月29日(火)の記 Nheengatu

8月29日(火)の記 Nheengatu (2017/08/30) Nheengatu
ブラジルにて


ナメクジの歩みのビデオ編集と並行して、遅ればせながら先回、日本でお世話人った方々へのメールを五月雨式に送っている。
さっそく返信をくださる方が少なくなくて、またまた恐縮。

京都での上映に来てくれた方からのご返信で思い出した。
その人は日本で Nheengatu というアマゾン地域の先住民の言葉を習っているとのことで、それにはたまげた。

Nheengatu語はブラジル国立パラ大学で講座があるとのことで、僕はてっきりアマゾン中下流域に位置するパラ州に居住する少数民族の言語かと思っていた。

調べてみてびっくり。
この言葉はツピー語のなかに属し、ブラジルの他にコロンビアとヴェネズエラの先住民によって使用されている。
そしてブラジルのアマゾナス州のサン・ガブリエル・ダ・カショエイラ郡ではポルトガル語とともに四つの公用語のひとつとされ、この地域の四分の三の人々が使用しているという。

このサン・ガブリエル・ダ・カショエイラに、僕ははじめてのブラジル取材の時に訪ねているのだ。
西暦1983年。
『すばらしい世界旅行』「私は(インディオ)保護官を殺した」シリーズの取材でブラジル入りした僕に、東京からテレックスが送られてきた。
そのままカメラマンとともにブラジルに居残って、今後の指示に従って新たな取材を企画して撮影に入れという。

東京からの作戦指示は「アマゾン河口-源流」シリーズ。
アマゾン河の河口から源流までたどるという設定のもとで、様々な生物を取材セヨという。
大アマゾンの源流といえばペルーのアンデス山系だが、取材はブラジル国内限定、という条件付きだ。

お話はまずは地元の客船でさかのぼるという設定だが、取材期間はひと月。
僕はディレクターという肩書きながらサンパウロでの税関手続きのため、取材現場に立ち会えたのは2週間程度だった。
そのなかで、実際に客船で移動している時間などはあり得なかった。
ブラジル領アマゾンの中心都市マナウスから当時、定期便のフライトでいける最も離れたところがサン・ガブリエル・ダ・カショエイラだったのだ。

ろくに情報もないまま、ブラジル国内でのアマゾンからの源流を求めて「滝の聖ガブリエラ」と名付けられたネグロ河水系の、この地を訪ねたのだ。あわただしい滞在だったが、その不思議な光景は僕のなかに焼き付いている。
近年になって、この地域の先住民が自分たちの言語で作成したビデオを見る機会があった。

この言語の存在を知っている人は、ブラジル人でも1パーセントもいないことだろう。

今回調べていて、ブラジルでポルトガル語以外を公用語にしている自治体が他にも二つあることを知った。
そのひとつはこの新年早々に訪ねた Pomerodeで、ドイツ語が公用語とされている。
ブラジルでも日本人の自画自賛は盛んだが、こういうところには影を潜めているのが泣かせてくれる。


前のページへ / 上へ / 次のページへ

岡村淳 :  
E-mail: Click here
© Copyright 2017 岡村淳. All rights reserved.