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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2017年の日記  (最終更新日 : 2017/09/24)
9月7日(木)の記 「放送考古学」をよむ

9月7日(木)の記 「放送考古学」をよむ (2017/09/10) 「放送考古学」をよむ
ブラジルにて


今日のブラジルは独立記念の祝日。
午後は書に親しませていただく。

愛竹家・橋口博幸さんが日本から担いできてくれた『灘渡る古層の響き 平島放送速記録を読む』文:稲垣尚友 写真:大島洋(みずのわ出版)を読み耽る。
この重さと値段の大著を、よくぞブラジルまで担いできてくれた。

著者の稲垣尚友さんは、橋口さんが愛してやまない人。
トカラ列島の平島に長年暮らして、1974年の島内放送の速記録を解題したのが本書。
読みどころたっぷり。
稲垣さんが指摘する「うつる」という言葉の使用法に蒙を啓かれた。
平島では電話の声などがよく聞こえることを「よくうつる」という由。

「うつる」は、相手の姿がありありと網膜に現れ、「はっきりと相手の心が理解できる」と同義となる。
(前提書より)


僕は、相手をきちんとレンズでうつして、それを上映の場できちんとうつしているだろうか。
そして、僕がとらえたつもりの相手の心を、ささやかなりとも視聴者にうつすことができているのだろうか。
ライフワークの宿題だ。

この本については、思いが尽きない。
もうひとつ、写真がすばらしいことを付け加えておきたい。
人いきれ、草いきれが伝わってくるのだ。
ポートレート写真では、被写体のまなざしに思わず身をかわしそうになった。
我が身のやましさ故だろうが、他にもこんな思いをしたことがあっただろうか。


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