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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2018年の日記  (最終更新日 : 2018/04/24)
2月6日(火)の記 至高の機内映画

2月6日(火)の記 至高の機内映画 (2018/02/09) 至高の機内映画
メキシコ→


メキシコから日本への乗り継ぎ便は、日付が変わってから離陸。
今度は3分の1程度の乗客。
ひとりで3人掛け席を独占というぜいたく。

サンパウロからも含めて機内映画を堪能させてもらった。
主だったものを書きあげると…

『アメリカン・メイド』。
トム・クルーズ主演の実録アクション大作だが、日本ではまだ公開されていないようだ。
麻薬などの担ぎ屋をやるパイロットをCIAがリクルートして、中米への謀略に用いるというお話。
かつて満州などで人体実験や細菌兵器使用など、人類史上に残る犯罪を展開した日本の731部隊の首脳たちを戦後、アメリカが無罪にして活用した「故事」をほうふつさせる。
そんなアメリカへの忖度からの未公開だろうか。
これが実話に基づくというすごさと、アメリカと中米諸国との闇の関係が概観できて面白い。

『ダンケルク』。
ああ、いまよくぞこうして戦争を描いてくれた。
戦争に巻き込まれた小さな個々人が、どれだけ異常な目にあわされるかをよく描いている。
今こそみられるべき映画だ。

『IT/イット』。
ああ、スティーブン・キング。
僕は小説より彼を原作とする映画の方を多く見ているな。
それらのキングらしさが、てんこ盛りの面白さ。
「みんなといて、負け犬って感じたことなかった」。
そんなセリフを書き出す。

そして驚きかつ喜びが英題『Anarchist from Colony』、韓国での原題『朴烈』。
日本の関東大震災のあとの朝鮮人虐殺を正当化するために、日本政府は朝鮮人の朴烈とその愛人、金子文子を皇太子(のちの昭和天皇)暗殺計画を企てたとして検挙して、死刑に追い込もうとする。
現在の日本のグロテスクな状況とオーバーラップ。
日本でこそ知られ、大いに見られるべき映画だ。

この映画を観ることができただけでも、今回の僕の旅は報われた思い。
そしてこの映画は拙作『ブラジルのハラボジ』と表裏をなすことを感ず。

追記:訪日後、日本の友人から『アメリカン・メイド』は『バリー・シール/アメリカをはめた男』というタイトルで昨年、日本でも公開されていたことを教えていただきました。


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