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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2018年の日記  (最終更新日 : 2018/05/21)
3月19日(月)の記 セラードの落日

3月19日(月)の記 セラードの落日 (2018/03/23) セラードの落日
ブラジルにて


今日は昼前においとまするまで、溝部さんと共に過ごす。
静養中の溝部さんは日中、主にテレビを見て過ごす。
NHK国際放送、ナショジ、ディスカバリー。
ブラジルの一般放送はまず見ることがない。
アラスカの金鉱ものがお気に入りだ。

NHKニュースの偏向ぶりについては聞き及んでいたが、昨日もたまげた。
定時の全国トップニュースは、四国で犬が人をかんだ事件。
かまれた人は重体というほどでもないらしい。
ブラジルでこんなニュースを流していたら、24時間、犬にかまれた話ばかりになるだろう。
未曽有の安倍政権のでたらめぶり、公文書の改ざん騒動、市民の抗議行動等々の大問題についてはまるで触れられずに天気予報となった。
在外邦人もナメられたものである。
見ない、契約しないに限るな。

溝部さんと、再会を期して。
帰りのバスは、隣席に学生風の若者がいるが、他に2席並びの空きがあるので、タイミングを見て移る。

さあ、読書。
益子市のうれしい書店・添谷書店で買った城山三郎著『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件』角川文庫。
これが中央公論に掲載されたのは1961年、田中正造の名も公害という言葉も一般には知られていなかった頃だという。
明治がノスタルジーだなんて、とんでもない。
福島事故、安倍政権の暴虐の根っこを探るうえでも興味深い。
ネタバレになるが、小説の半ばで大主人公が死んでしまう、そのあとのいわば地味な経緯を書くという作家の心意気がすごい。

ついで養老孟司、奥本大三郎、池田清彦三氏の鼎談『三人寄れば虫の知恵』洋泉社。
古本屋が乏しいとされる静岡は浜松で見つけた1934年開業の老舗典昭堂で買った。
1996年の本だが、いまだにこの分野ではこの人たちが一人者ではないかな。
20余年の歳月をさほど感じずに面白く読む。

ああ、車窓右後方、セラードの大平原の落日。
黒澤監督の『影武者』のテーマ曲が浮かんでくる。
行きの落日もダイナミックだった。


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