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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2018年の日記  (最終更新日 : 2018/04/24)
4月8日(日)の記 キレネのシモンを想う

4月8日(日)の記 キレネのシモンを想う (2018/04/12) キレネのシモンを想う
ブラジルにて


今日は午後からサンパウロのパウリスタ地区で、自閉症啓発のマニフェストのウオーキングがある。
訪日直前でやるべきことは山積みだが、顔ぐらいは出さないと…

参加者は青をまとうことになっているので、わかりやすい。
ふだんは偏見、白眼視にさらされることの少なくない仲間たちが一挙に集うことの感動。
われわれは、ひとりじゃない。

炎天下のウオーキングに備えて、集合会場のテントの日陰にあった椅子に座って体力温存。
すると、男の子が僕の膝に寝転んできた。
父親が制するが、どうぞそのままに、と伝える。
6歳の自閉症の少年が、僕の膝を選んでくれた。
父親と話もはずむ。

さあ、いざ歩かん。
途中で抜けて、近くのアート展でもと思っていたが…
わが子がお世話になった団体の横断幕担ぎを手伝ってくれと言われる。
5メートル×1メートルぐらい、両端に棒があるだけで、誰かが真ん中を支えていないとサマにならない。
今までこうした活動をすべて連れ合いに押し付けて逃げていたことを恥じつつ、真ん中へ。

新約聖書に登場するキレネのシモンを想う。
今のリビアあたりに暮らしていたユダヤ人のシモンは、おそらく聖地巡礼でエルサレムを訪ねる。
そして、たまたま、十字架を担がされて処刑場に向かうイエスの一行に出会う。
すでに拷問を受けていたイエスは十字架を担ぐのは難しいで、ローマ兵たちは通りがかりのシモンに十字架かつぎを手伝わせるのだ。

このシモンは、イエスと何のかかわりもなかった。
しかし僕は、さんざんお世話になってこの団体になにもしていなかったのだ。

横断幕を担ぐ人たちの撮影は『リオ フクシマ 2』でもしているが、横断幕の担ぎ手はこれがはじめてかも。
少しはコツがのみかけてきた。
端の棒の担ぎ手が一度、ポジションを変わろうかと言ってきたが、ほかに誰も変わろうという人は出てこなかった。

生前のイエスと他人の関係だったキレネのシモンは、人類史上最大のベストセラーに名を残した。
熱心なキリスト教徒になったとも伝えられているそうだ。


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