5月の日記 総集編 ベータマックスと縄文 (2018/05/08)
5月1日(火)の記 京都的中華 日本にて
大阪駅から、京都駅へ。 今日の昼は、在京都の友人に昼食をごちそうしていただくことになった。 日本食、京料理をリクエストさせていただいた。 すると中華料理はいかが?という返しがあった。 昨日の十三も中華だった。 連日、しかも京都で中華…
その友人とはクルージングの船上で出会った「船友」だ。 彼は京都生まれの京都育ち。 まずは錦市場をご案内いただく。 隣に何屋が出てくるかわからないランダムな面白さがあふれる。 これといった食べ物屋も見当たらない。
けっきょく彼が最初にオファーした東華菜館へ。 大正年間にさかのぼるというその建物は圧巻。 帝都物語か、日本のいちばん長い日か、そんな時代とドラマのなかにいる気分。
午後は、今夕の上映会場で別件の打ち合わせ。 さらに全国紙の支局の取材を受ける。 今夕の上映は地元の新聞にも紹介していただき、多種多様な方々にお集まりいただいた。 遠くは栃木、岡山からいらした方も。
今宵の献立は『ブラジル最後の勝ち組老人』と『赤い大地の仲間たち』。 主催してくれたお二人のチョイスだ。 アマゾン出身だという日系ブラジル人女性の参加者から、信じられないお話をうかがう。 意外なことに、今日はフマニタスの佐々木神父よりも勝ち組老人の方に強い衝撃を受けた人だ少なくなかったようだ。 日本の政治情勢があまりに劣化、醜悪になってしまったゆえか。 今の日本の政治家のことばそのものを愚弄する発言より、勝ち組老人の妄言の方がリアリティがあり、信念がうかがえるのだ。
懇親会場は、まさしく一期一会の盛り上がり。 僕の理想だ。 シンデレラタイムに主催者が用意してくれたビジネスホテルに滑り込み。
5月2日(水)の記 神たちぬ 日本にて
ホテルの無料サービスの朝食は6時半から。 が、始発のひかりに乗るには6時前にホテルを発たねば。 早朝の京の町、そして京都駅周辺はさすがに人も少なく、ここちよい。
品川駅下車。 いったん目黒の実家に寄り、旅の荷物を置いてビデオカメラを用意。 ふたたび品川駅、今度は常磐線だ。
一週間ぶりに外国系児童の学童保育キッズ&スクールの撮影再開。 今日は生徒たち、そして櫻田ご夫妻らそれぞれのゆめを尋ねるつもり。 なかなかタイミングが難しい。
そしてそれぞれの言葉に、たまげ続ける。 よし、これでいってみよう。 さあ、水戸での打ち合わせがある。 子供たちとの別れがつらく、ふらっと去ることにする。
ふたたび常磐線下りで、水戸駅へ。 7月の水戸短編映画祭の件。 にのまえさんの座敷で、発起人とともに盛り上がる。
5月3日(木)の記 メイシネマ祭の迷惑 日本にて
憲法記念日。 さあ今日からメイシネマ祭だ。 今年もゲストトークを中心とした撮影を申し出ている。 しかも拙作『坐る9条 THE MOVIE』と『リオ フクシマ 2』がトップバッターの上映。 緊張も二乗。
上映前の雑景を撮りつつ、来場の皆さんにあいさつ。 『リオ フクシマ 2』、観客の皆さんのノリがよく、わが意を得たり。
さてゲストトーク。 『坐る9条』に出演された田上正子さんも藤崎和喜代表のご指名で並ぶ。 まあ、そこそこにこなしたかな。 祝日の午前中、よくこれだけの方々にお集まりいただいた。
終了後、様々な方々が直接、声をかけてくださる。 友人知人から、初対面の方々まで… 会場内からロビーに出て、それぞれの方々とお話は続く。
と、受付の方で怒鳴り声が聞こえてくる。 僕への話に応じながらも、怒鳴り声の方をうかがう。 年配の男性が、藤崎代表に怒鳴り続けている。 メイシネマ祭の会費に障がい者料金が設定されていないことに怒りまくっているようだ。 藤崎さんはシニア料金と同じで、と応じたようで、その根拠を明らかにしろ、今すぐ対応しろと老人は口汚く大声でわめき続けている。 メイシネマ祭とは10年以上のお付き合いだが、僕には初めての事態だ。
せっかくの拙作上映に来てくれた人たちが余韻に浸ってお帰りの最中に、こんなひどいクレーマーの暴虐ぶりをお見せするのが、心苦しい。 僕に話し続ける人は、それを意に介さず、話が続く。
クレームはもちろん結構だが、ふつうに話すなり書いてよこせばいいことである。 もし僕が自由の間だったら、このクレーマーに、せめて「ふつうに話していただけませんか」と申し上げたことだろう。 ひとりの市民、メイシネマ愛好者としてもそれをするべきだった。 藤崎さんはじめスタッフはボランティアどころか持ち出しでこの上映会を支えているのに、その熱意にひどい高みから氷水を浴びせる行為だ。
怒鳴り声、罵声というのは暴力であることを認識して、自省。 この一件が頭から離れず、次の上映作品は頭に入らなかった。
この一件で藤崎さんが委縮してしまうことがいちばんの懸念だった。 しかしさすがは藤崎さん、打たれ強く、さして気に留めていないようで、まずはひと安心だ。
5月4日(金)の記 中日のためいき 日本にて
メイシネマ祭、二日目の中日。 昨日に引き続き… 朝から夜までドキュメンタリー映画を鑑賞して、さらにそれぞれのゲストトークを撮影。 なかなかの緊張と疲労である。 ありがたいことに、例年ほどは上映中にうつらうつら眠らないですんでいる。
少しでも身心を休ませたい。 今日は終映後、まっすぐ実家に戻るつもりだった。 が、帰路にアミーゴと一緒になり、平井駅近くで「軽く」飲食することに。 話はいろいろと盛り上がるが、なんとか軽い範疇におさめました。
5月5日(金)の記 辣腕プロデューサー 日本にて
メイシネマ祭千秋楽、今日もゲストトークを中心に撮影。 今年の大トリは『標的の島 風かたか』。 ゲストトークには橋本佳子プロデューサーが来るという。 面識こそないが、あのドキュメンタリージャパンの、僕あたりには伝説的なプロデューサーだ。 それらしき眼光鋭い女性が、上映前から来場。 僕が定位置にしている会場の左前方席の、さらに前に着座。 約2時間の映画を、じっと凝視されていた。 超多忙だろう辣腕プロデューサーが、ここまでするだろうか、と疑問。 ひょっとすると、別人か?
上映が終わり、メイシネマ祭の藤崎代表の指名で立ったのは、やはり彼女だった。 終了後は会場片付けの後、恒例の懇親会へ。 橋本さんも参加されるという。
会場の居酒屋の座敷。 まず橋本さんが奥に入り、ほかのメンバーは気おくれして立ち往生。 ままよ、と僕に続き、因縁の原村政樹監督が橋本さんの前に座る。 原村さんはかつてドキュメンタリージャパンにも勤めていたというではないか。
橋本さんはおっかないどころか、実に気さくな人だった。 人を見下すようなところ、偉ぶるところがない。 僕が関係者向けにひっそりと進めていた企画にホンキで興味を示してくれたようだ。 大人(たいじん)にお会いした、と実感。
思えばわが壮大なトラウマ・牛山純一プロデューサーも、外部の人には気さくで人の好いおじさんにうつったようだが。
5月6日(土)の記 連休サウダージ 日本にて
いやはや、ようやくひと息つく。 残務雑務の取りこぼしは把握できないほどだが、よく身心が持った。
ここのところ顔も出せなかった流浪堂さんに寄る。 連休最終日の古本屋さんに若い人がたくさん来ているというのは、うれしい光景。 所用で、目黒駅まで歩く。
連休最後の日のたそがれのこの感じ。 あえて言葉にしてみると、ポルトガル語のサウダージだろうか。 まあ僕あたりには毎日が連休みたいなものだけど。
5月7日(月)の記 連休明けの奔走 日本にて
午後から急きょ、撮影予定が入った。 早朝よりようやく今回、購入した映像編集システムのインストゥールを開始する。
さっそく懸念の映像素材の取り込みにトライしてみる。 これが、うまくいかない。 どうしよう。 午前11時開店の秋葉原の購入店に、持ち込んでみよう。
かなりの賭け、綱渡り。 機材そのものの不具合のようで、賭けてよかった。
さあ午後の予定に間に合うかどうか。 バスを乗り継いで世田谷の現場に行くつもり。 スマホのアプリで確かめておいたのだが、三軒茶屋で指定のバス停とバス路線が見当たらないではないか。 タクシーを使うが、世田谷の迷路でメーターが上がるばかり。
ほぼ目的地あたりで降りると、雨。 うー、傘を持ってきていない。 5年前にうかがったことのあるお宅だが、ずばりどの家か思い出せない。 その所番地には、何軒もの家があるのだ。 先方に電話をすると、録音なしの留守番対応となっている。
不法侵入覚悟で入ったお宅の奥に、そのお宅はあった。 先回はさっそく撮影をさせていただいたが、今回は機材を取り出すことなく、お話にとどめる。 今後の課題だ。
5月8日(火)の記 八王子に応じて 日本にて
今日は、八王子市にお住まいの知人のお宅への出張上映。 用意されていたのは個人用のデスクトップパソコン用のモニターで、これはちょっと残念。 しかし集まった4人の方々は、食い入るように小さなモニターを見つめていた。 うちひとりはわが業界関係者で、共通の知人のもろもろが聞けて面白い。
小雨模様の夕方、散会。 駅に向かう途中に総合長髪1800円という、挑発的なプライスの散髪店あり。 先日、目黒の格安散髪に行こうとしたが、待ち客が多く断念していた。 レッツサンパツ。
格安散髪店では通常、事務的な会話しかないものだ。 髪が薄くなった嘆きあたりを契機に、話しかけてみる。 今日は閑散としていたせいか、店主でもある刈り手はたっぷり語ってくれた。 このマスターの蒸しタオル、そして刃物感のまるでない髭剃りは見事だった。
さあ思い切って新宿ゴールデン街の「ひしょう」へ。 女将の佐々木美智子さんとお店で所用を済ませたら、着席しないで失礼するつもりだった。 すると、なんと。 学芸大学からメイシネマまで拙作の上映会に来てくれているシンパの方がいるではないか。 この方の素性をよく存じ上げず、何か機会があればと思っていたのだ。 なかなかに数奇な歩みをされてきた人だった。
善行上映のごほうびか。 すでに善行先でごほうびをいただいているので、二重取りみたいで申し訳なし。
5月9日(水)の記 PARCでまなぶ 日本にて
A5番出口。 三つの地下鉄の駅にまたがっているが、これさえ覚えていれば、まず迷いはだいぶ防げる。 PARCさんとの付き合いはもうだいぶになるのに、今さらながら。
今日のPARC自由学校 岡村ライブ上映講座のテーマは、ブラジルの教育。 『ブラジル日系盲人の青春』と『きみらのゆめに』を上映。 岡村の、夢志向がよくわかる。
『きみらのゆめに』の生徒たちの明るさ、余裕は家庭が経済的に裕福な故ではないか、と現役の高校男子教員から指摘が入る。 するとブラジルでの教師経験のある女性が、生徒たちの親、家族からの愛情の影響の方が大きいのではないか、と声が上がり、別の女性が同調。 僕も彼女たちと同意見である。
それなら、家族からの愛情不足の子供は、どうしたらよいのか。 「誰から満たしてあげるしかない」とアモレイラのシスター堂園は僕に答えてくれた。 茨城のブラジル系学童保育の取材に取り組んだせいで、改めて僕にも教育問題が身近になった。
5月10日(木)の記 ナゾの希望の大地 日本にて
午後イチで横浜の放送ライブラリーへ。 ストリート系らしい人たちの放つ異臭が満ちて、呼吸も厳しかった前回と違って… 今回は風紀委員のような女性スタッフが厳しい。 僕の試写席は受付から丸見えのためか、靴を脱いじゃダメ、飴をなめちゃダメとなかなか手ごわいぞ。
さて先回、検索して知った『希望の大地 75万人の日系ブラジル移民』という日本テレビ開局25周年、ブラジル移民70周年を記念した3時間のドキュメンタリードラマを見に来た。 3時間の長さのものを置いているのに、風紀スタッフは利用は2時間まで!とおっかない。 試写が途中までであると訴えて、空席もあるので今回は再試写可能となるが、いま一つ腑に落ちない運営方針である。
さてこの番組、見ておいてよかった。 伴順三郎と沢田亜矢子が現地でのリポーター役を務めるドキュメンタリー風の部分と、4話のオムニバスドラマで構成されている。 演出は『前略おふくろ様』などの高井牧人。 脚本は『ウルトラマン』シリーズや大島渚の映画を手掛けた佐々木守! 佐々木守の脚本が、ステレオタイプの移民ドラマを少しひねっていて面白い。 ドキュメンタリー「風」部分は今村昌平の『人間蒸発』のような不可解な領域に踏み込んでいき、伴順三郎の役どころは『飢餓海峡』の刑事役をほうふつさせる。 ドラマパートでは大竹しのぶ、夏目雅子、桜田淳子ら、当時の旬な女性が登場。 協力:日本映像記録センターというクレジットにも驚いた。 僕が映像記録ともブラジルとも、まるで縁のない考古学徒だった時代のテレビの特番である。
余韻とともに、夜は辻堂で会食。
5月11日(金)の記 福建発チベット経由上野行き 日本にて
渋谷で買い物をいくつかしてから、東大の本郷キャンパスへ。 今日は各地の研究者を招いて、僕が5年前に撮影したインタビュー映像を見てもらうことになった。 事前に担当教官の研究室で、この試写のために京都から来た外国人研究者とお話しする機会あり。 共通の話題で異常に盛り上がってしまう。
各分野のスペシャリストから、もろもろのご教示をいただく。 この映像はこれとして、新たに撮影しようという意欲が沸き上がる。
この不思議な流れのキーパーソンと、帰路、上野近くでイッパイということに。 日本風大衆居酒屋を選ぶが、経営者もスタッフも中国人のようだ。 向こうが処理したいものをやや押し付けてくるなど、サンパウロの中国人商法と一緒だな。
カンバンとなって他の客たちは去り、会計の時にインチキな中国語を少し使ってみる。 店を仕切っていた押しの強い、まだ30代ぐらいの女性は福建出身だという。 中国を旅行したことがあるのかと聞かれて、僕は西蔵:チベットに行ったことがあると言う。 すると彼女は17歳の時にチベットに行ったことがあるというではないか! 僕の訪問時と30年近い隔たりがありそうだが、質問がいろいろと沸き起こる。 福建の17歳の少女がチベット旅行へ。 金持ちファミリーの観光だったのだろうか? そしてその少女は訪日して日本語を習得、上野の居酒屋を仕切るに至る。
その店に、かつてチベットで100日近く過ごした、うだつの上がらないブラジル移民が立ち寄る… このドラマの落ちを、どうつけるか。
5月12日(土)の記 学大二毛作 日本にて
今日の昼は、日本の実家筋の小学生女子とデートをすることに。 歩いて学芸大学駅付近へ。 自分からひっきりなしに話をしてくれる子なので、気が楽である。 意味のとれない単語が出てきたら、それはなんのこと?と聞いてみる。 前後の文脈で見当がついたが、「アブコー」という隠語を知る。 実家近くにある「油面(あぶらめん)公園」のことだが、僕が現役の頃にはこの語はなかったな。 ランチのいろいろなオプションを見せて歩くが、ラーメン屋の油そばがいいという。 こちらの懐には優しいが、もうちょっと冒険をしてもらいたいところ。
帰りに児童遊園を付き合うことになり、制限時間を次々と伸ばそうとするので、「夜のお仕事の準備があるから」と立ち上がる。 夜はふたたび学芸大学にて、今期最後の上映会だ。
上映作品は『よりよい世界のために アレイダ・ゲバラの伝言』。 地味な講演記録だが、それでイチャモンをつけてくるような人もおらず、やれやれ。 懇親会ではそれぞれが盛り上がってくれて、わが意をえたり。 流浪堂の二見さん、参加者の皆さん、応援をいただいた皆さん、今回もありがとうございました。
5月13日(日)の記 東横フリーウエイ 日本にて
昨日の昼は小学生女子、今日の昼は80代の女性とデート。 東横線を南下。 田園調布でお弁当をいただいてから、多摩川べりのカフェへ。 このあたり… 昭和どころか、半世紀前に僕が接していた光景が、そのまま風化して現存しているではないか。
さらに東横線を南下、大倉山駅下車。 北口の急坂をのぼって、大倉山記念館へ。 『国防プロレス大作戦』の新藤ブキチさんらの平面プロレスの観戦。 会場では横浜系の様々なアーチストの展示を開催中。 ざっとみてみるが、この人の作品に目を見張る。 わた ぬき けい さん。 https://twitter.com/__dog__mark__/status/796562607385624576
外は、土砂降りの雨となってきた。 ブキチさんたちは屋根のないパティオ部分で試合をするという。 出し物は、僕が撮影させていただいたのと同じ国防プロレス大作戦だ。 大半の観客は屋内から観戦するが、僕は傘をさして外の正面から拝見。 防水の運動靴、だいぶ中にしみてきた。
さあ、横浜パラダイス会館へ。 まずは先月、得度をした伊藤修真師と密談。 今宵の上映は蔭山キュレーターの『第二の祖国に生きて』のチョイスに、僕が『アマゾンをさすらう』を添えさせてもらった。 深く考えていたわけではなかったのだが、1986年に僕がまさしくこの取材でアマゾンをさすらっていた頃、伊豆大島冨士見観音を建立した藤川真弘師がアマゾンで入定されたのだ。
あなかしこ。
5月14日(月)の記 ボスの催眠 日本にて
明後日は、未明に出家のつもり。 今日明日で滞日中の残務雑務にかたをつけなければならない。 まずは郵便関係を手掛けつつ、少しでも荒れ放題の身辺の片づけを心掛ける。
今年で「優れたドキュメンタリー映画を観る会」による上映がなくなる下高井戸シネマから求められている書類がある。 今月中有効の招待券があるので、思い切って書類を届けに行って、ついでに一本見てくることにする。 時間的にも体力的にも、不急の映画を観ている余裕はないのだが…
『謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス』。 興味は尽きないのだが、映画館の椅子が僕の睡魔をとらえてしまう。 ああ、もったいない。
帰路、渋谷の東横のれん街でブラジルの連れ合いの実家あての品を見つくろう。 急ぎで返しをすべきメールが複数。 残務は、減るどころか増えているのでは。
5月15日(火)の記 故郷目黒の奇跡 日本にて
出ニッポン前日。 新たな映像編集システムでの、素材取り込みを行なってみる。 これにまた新たな不具合がわかり、ふたたびアキバの店まで駆け込むしかないかと思いつつ… ネットで調べ、設定をいじったりしてみて、どうやらこれはこういうものかと推察。
残務が山積みのため、アキバ詣では時間的にもかなり厳しくて。 それでいて、日曜から今日までの祐天寺のお寺での地蔵堂御開帳と、本日のみの記念口演「目黒のさんま」には思い切って行っておく。
学芸大学流浪堂さんで今日から新たな写真の展示が始まる。 最後の挨拶がてら、顔を出す。 するとなんと、富山妙子さん、アレイダ・ゲバラさんの本を用意してくれているではないか! いずれも他の荷物を削ってでもブラジルに持ち帰るべき必読書。 なんともうれしい古本屋さんだ。
帰路、地元で会っておきたかった人にバッタリ。 その人は、僕に渡すべきものを持参していた。 こんなことが、あるのだろうか?
先回、店主の芦川さんにお会いできなかったので coffee caraway さんに寄る。 今日は夏日和、麦茶感覚でストレートで飲めるさわやかなアイスコーヒーをいただく。
5月16日(水)の記 いざ出ニッポン 日本→イギリス→
浅い眠り。 午前3時台前に起きて、実家の身辺の最終整理。 午前5時祐天寺裏出家。 タクシーが捕まるか懸念だったが、数分で空車ゲット。 渋谷マークシティからシャトルバスで早朝の羽田空港へ。
英国航空機にて、ロンドンでトランジット。 機内は映画と睡眠、ロンドンでは佐藤眞さんの書名よろしくまどろむ。
特筆の機内映画、日本映画では『三度目の殺人』。 クラシック入り映画からチョイスした『羊たちの沈黙』を観直し、感じ入る。
5月17日(木)の記 たどり着いたらサンパウロ →ブラジル
朝まだきのグアルーリョス国際空港に到着。
・道中、機内持ち込み荷物が窃盗にあった形跡がない ・手荷物を破壊された形跡がない ・税関のおとがめなし ・空港からの帰路、強盗等にあわずに済む
この四つの僥倖のもと、サンパウロの我が家にたどり着く。 無事であることのありがたさ。
日本から、うれしい手紙がいくつか届いている。 さあ今週いっぱいは、だらだらさせてもらおう。 体調不全につき、とりあえずアルコールはやめておきましょう。
5月18日(金)の記 麻婆断念 ブラジルにて
日本からぶじにブラジルの我が家に戻ってきたときの喜びは格別である。 しかし、いかんせん12時間の時差ボケはきつい。
いきなりさっそくの用事があるわけではないが、思い切って買い物に出る。 豆腐がほぼまるまる余っているし、麻婆豆腐を作ろう。 自分も、食べたい。 ひき肉、長ネギを買いに出る。
日本で大阪・京都と二日連続、中華料理屋で麻婆豆腐をいただくが、イマイチであった。 離日前々日に下高井戸シネマへ行った際、明大前駅から歩いて往復した。 その際、明大前のチェーンの居酒屋が昼のワンコイン定食を供していて、この日は麻婆豆腐だと知る。 うーん、実家で出発前に消費すべき食材はまだまだあるのだが… マーボーの魅力、捨てがたし。 しかしまことにガッカリのお味であった。
さあ材料はそろったが、夕方5時、めちゃくちゃに眠くなる。 帰宅してきた家族に、夕食は何とかしてくれるか相談。 ピザの出前を頼もうということになる。 安心して惰眠をむさぼらしてもらう。
マーばあちゃんは、明日にでも。
5月19日(土)の記 俺の麻婆 ブラジルにて
昼前から、麻婆豆腐をこさえることにした。 自分好みの、味噌とジャンを効かせた味付けで。
映像記録のスタッフの時代に、中国チベットのロケ隊に加えてもらった。 チベット入りの際、四川州成都に立ち寄った。 われらが麻婆豆腐の故郷である。
何度か本場の麻婆豆腐をいただいた。 とにかく辛く、うまいのだが辛い。 辛口と称されるオカムラなど、甘美なものである。
口腔から肛門まで、消化器ぜんたいがひりひりするという稀有な体験をした。 約35年前のことで、どんな豆腐を用いてどんな味付けだったかはすでに定かではないのだが。
わが家では辛み塩からみに厳しい家人がいるので、僕としてはちょっと物足りない味付けにおさえておく。 赤と黄のパプリカ、ブラジル産シメジも入れた。 まあ、こんなもんでしょう。
残った麻婆豆腐にカレー粉を加えてもいけるのだが、なかなかそこまで残らなくて。
5月20日(日)の記 鮪鰯鱈鰆 ブラジルにて
さあ日曜の路上市でサカナを買おう。
イワシの開いたの、冷凍ではないのを確認してひとパック。 マグロのハラモと呼ばれる部位だろうか、半キロほど購入。 タラの切り身もひとパック。 刺身用に勧められたサワラも購入。
タラ以外を保冷袋に入れて、連れ合いの実家へ。 マグロのハラモはやや臭みがあるので、醤油とみりんでヅケにする。 大根をツマにおろして、ワカメを水戻しして。 サワラとイワシを刺身におろす。 ついでに大根を花形に切り、チューブのワサビの皿とする。
午後から観ておきたいドキュメンタリー映画があったが、いくつかかんがみてやめておく。 もう観る機会はないかもね。 行ってもこの体調じゃ、眠ってしまったかも。
夜はわが家で、マグロのハラモをニンニクとオリーブオイルたっぷりのステーキで。 今日もアルコールを摂取せず。 さて明日は一日断食だ。
5月21日(月)の記 ベータマックスと縄文 ブラジルにて
さあ新しいウイークデイの始まりだ。 いつまでも逃げてもいられない。 今回、日本で購入したビデオ編集システムをいじり始めてみる。 さっそく、あちこちで行き詰まる。
そもそもメーカーは、僕あたりにはそれで十分すぎただろう簡易版の発売を中止して、高価でそっちの方のプロが使う複雑系の新バージョンしか購入不能となっていた。
これを、どうたとえるか。 自転車があれば十分なのに、トヨタの高級車しか売っていない、とたとえてみた。 いま、ひとつな感じ。 さすがに路上段ボール生活、河原のシート生活は厳しいが、四畳半にトイレとキッチン、夏場に冷房があれば満足なのに、ドアの開け閉め、空調どころかトイレの流し方もわからない高級マンションをあてがわれたといった感じとか。
縄文を愛する日本の友人に、そんなボヤキを送った。 すると、なつかしいソニーのベータマックスが淘汰されたエピソードを伝えてくれた。
多様性を排して、利用者やマイナス面を考慮せずに金儲けと手抜きでテクノロジーが突っ走ることの怖さ。 原子力政策が顕著だろう。
いのちがけで洞窟壁画を描いた いにしえびと、8ミリや16ミリのフィルムをからから巻き上げていたかつての自分を思い出しながら、混迷のいまを歩いていきたい。
5月22日(火)の記 黒星納豆 ブラジルにて
今回ブラジルに戻って、ふたたび台所に立つようになり。 食糧品の引き出しに、引き割り大豆がのこっていた。 うわ、だいぶシバンムシにやられている。
捨てるのは…もったいない。 納豆をつくっちゃおうか、と思い立った先週。 ひき割りだからゆだるのも早いだろう。 ガスを節約で時折り消したり、とろ火だったので自然に消えちゃったりで10時間近く。 冷凍庫から出しておいた、だいぶ干からびたブラジル産納豆を種菌とする。 熱湯消毒したヨーグルトメーカーの容器で、スタート。 さて、待つこと24時間。
時折りのぞいているのだが、納豆菌が繁殖している気配がない。 あ。 プレーンヨーグルト作成の低めの温度設定39度のままだった。 ヨーグルトメーカーでは45度に設定しなければならなかった。 6度の温度差… すでに大豆は禁断のアンモニア臭を発している。
今回、水戸でいただいて冷凍して担いできた「そぼろ納豆」を新たな種菌として、改めて45度の設定にして24時間… 大豆は褐色にへなり、納豆菌がリバイバルした形跡はない。 ニオイは、さらにひどく。
うう、もったいない… 納豆の失敗作のレシピ… ネットで見てみるが、 ・味噌汁に入れる ・納豆オムレツにする ぐらいしか見当たらない。
いったん熱湯でニオイを減らし、ヒジキ等と煮てみる… まずい… 煮込みながら、ちょっとヤバい味と思いつつ、たびたび試食。 とりあえず吐くことも下痢にもならず。 しばらく大豆系はこりごりだ。
5月23日(水)の記 未明の臨死体験 ブラジルにて
時差ボケはだいぶ納まったようだが、夜は早寝、朝が早くなった。 未明に時間を持て余し、残りわずかだった立花隆著『証言・臨死体験』を読了。 さきの訪日の際、流浪堂さん店頭のヒャッキン棚で単行本版を見つけて買った。 この本、文庫版が出ていて、それを買って読んだような気がする。 しかし今回読んでみて、まるで読み覚えがないのだ。
ナゾだが、ま、いいか。 単行本版の表紙は離日直前にドキュメンタリー映画で見たヒエロニムス・ボスの絵ではないか。 この絵は、映画では取り上げられていなかったかと。 調べてみると邦題「地上の楽園・祝福された者の楽園への上昇」、なかなかいいチョイスだ。 さて本文の方だが、まことに多種多様な臨死体験が語られているのが面白い。
ふと思うが、自殺をしようとした人の臨死体験の記載は見当たらないようだ。 そもそも臨死体験は、「あちら側」に行きそうなところを誰かに引き止められたりしてこの世に戻った人が語るものだ。 自殺を決行する人は、あちら側に行こうとしているのだから、引き止められようとしても戻ってこないためかもしれない。
日本各地の上映で、アマゾンに行ったことがあるという人にしばしば出会う。 その目的を聞いてみると、奥アマゾンでサントダイメ:アヤワスカという先住民由来の幻覚剤を服用するため、という人が少なくない。 この幻覚剤による幻覚は、医学リポートによると現実以上にリアルだという。 臨死体験は普通の夢などではない、実にリアルで忘れられないものと体験者たちは語っている。 幻覚剤によるヴィジョンとの比較も興味深いだろう。
朝から臨死体験!
5月24日(木)の記 オール漬物の教え ブラジルにて
行き詰まっているビデオ編集の合間。 作業空間まわりのどっ散らかりを少しでも減らしたい。 『WOBORO』という日本のミニコミ誌が目についた。 「オール漬物」という特集が面白かったのを覚えている。 ぱらぱらと開く。 日本の雪国では、納豆の漬物があるという記事。 それをもとにネットで調べると、納豆をさらに一年も漬けたものがあるというではないか。 驚きと反省。
最新の納豆失敗作をヒジキなどと共に煮付けたものを、捨てないで冷蔵庫に保管してある。 いっときのケミカルな臭みはなくなり、まずいというほどのものでもなくなった。 七味トウガラシ、山椒粉、いりゴマ、青ネギ、ショウガ、チューブワサビなどいろいろ添えて少しずつ食べてみる。 そもそも薬味とは、そういうものだろう。
うーむ、なんだかんだで食べきってしまったぞ。 雪に閉ざされた冬の縄文人、飢饉のときの農民、補給の途絶えた南方の日本兵を想えば… 食べられるものを捨てる、というのは人類のあゆみを愚弄する行為ではなかろうか。
けっきょくこのミニコミも捨てず仕舞い。
5月25日(金)の記 降臨の刹那 ブラジルにて
そろそろビデオの新編集システムに見通しをつけないと。 7月の水戸芸術祭公開を目指す短篇を、ひとまず置いておいて。 ガイド本を繰りながら… 4月28日の笠戸丸出航110周年祈念に撮影させてもらったミニライブ映像の編集に取り組んでみる。 これならトータルで2カット、字幕入れも2箇所だ。
友人のミュージシャンが代表曲をうたってくれるのだが、後半、涙で詰まってしまう。 彼女自身、その理由がわからないという。 その、臨界に至るまでのプロセスを何度もチェックすることに。
なにかが降りてきそうな、気配。 拙作『神がかりの里 山口県嘉年村物語』をほうふつさせる。 村人たちが、神楽で舞いながら、次々と神がかりになっていく…
おかげさまで何度かやり直し、DVD焼きまですすむことができた。
久しぶりにテレビのニュースをみる。 こっちが引き籠りで編集システムにヤキモキしているうちに… ブラジル国はトラック運転手たちのストで輸送網がマヒして、大変なことになっているようだ。
明日から切実にこの問題と向き合うことになる。
5月26日(土)の記 ハラボジの末裔 ブラジルにて
今週のはじめに開始された全ブラジルでのトラック運転手たちの影響で、国の流通網がマヒしてしまった。 たとえば、ガソリンポストは在庫切れで見渡す限り開店休業だ。 燃料不足から航空便の欠航も相次いでいる。 わが車の燃料は、メーターの3分の1ぐらい。
今日は、子どもたちがお世話になった幼稚園兼学童保育の創立25周年のお祝いが隣の市のオキナワ会館で行われる予定。 その往復ぐらいは、いけそうだ。
この幼稚園は成長を続け、いまや託児所から初等教育の私立学校に発展している。 そしてこの幼稚園の創立メンバーの一人が拙作『ブラジルのハラボジ』の主人公、三田ハラボジのお嬢さんだ。 僕は彼女のすすめで、よく先方のことを知らないまま一期一会のインタビュー撮影を行なったのだ。
いまやこの学校はハラボジの娘と婿、そして二人の孫娘が中心となって運営している。 会場のオキナワ会館は500人ぐらいのキャパはあるだろうか。 車の燃料不足で来れないという連絡が続いたとのことだが、会食時には座る場所もないほどのにぎわいとなった。
参加者の過半数は日系人だが、日本人一世となると僕以外にいたかどうか。 朝鮮で、日本で、ブラジルで、僕の何万倍もの孤独を生きたであろうハラボジを想う。
5月27日(日)の記 3分の2市 ブラジルにて
収束に向かっているらしいブラジル全国のトラック運転手のスト。 サンパウロの街なかはその影響が広まっている感じ。 近くのガソリンスタンドは、車進入部にコーンを置き、休業状態。
さあ路上市はどうだ。 それでも通常の3分の2程度の出店率だ。 野菜類は品薄かつ、ふだんより高め。
今晩はわが家で刺身を好む人の率が高くないので、焼き魚にしよう。 アジか、アンショーヴァというこちらの焼き魚の定番のサカナか。 アンショーヴァは解凍モノだよ、と馴染みの売り子が小声で伝える。 「今日は焼き魚にするから」と告げて購入。
1キロ半ほどある。 今宵は欠員もあるので、骨込みの半身でいいか。 夕方にようやくおろし、あまり時間はないが塩麹を塗り込むことにする。
ブラジル産大根おろし、これも国産のライム、そして茨城でいただいたヴィンテージ醤油で。 塩麹はブラジルの市販品。 よきかな。
ちなみに晩酌はブラジル産ウオッカに本物のキニーネ入り国産トニックウオーター、そしてライムを絞って。
5月28日(月)の記 サンパウロ散歩メモ ブラジルにて
さて、いよいよ最新短編『未来のアミーゴたち』を超最新編集システムで編集せねば。 安くはない「パーフェクトガイド」には、僕に必要な作業のハウツーに言及されていない。 タイトル入れで苦戦。
家事そして健康上の問題から、日に2度は買い物兼散歩に出ることにする。 ブラジル全国でのトラック運転手ストの影響は徐々に回復というが… 近辺の3軒のガソリンスタンドのうち、給油をしているのは1軒のみ。 しかも前代未聞のクルマの列。 午前中も、夕がたも。 3時間待ちでもまだまだといった状況のようだ。
わが家族はおもにメトロ利用なので、さしたる影響はない由。
他に歩いていて気づいたこと。 徒歩圏にもう一軒、ラーメン屋を建築中。 わがサウーデ地区、サンパウロのラーメン激戦区になりつつある予感。
5月29日(火)の記 散歩と編集 ブラジルにて
次回訪日までにまとめなければならない短編映像の編集。 追い込まれもあり、またつないでいるうちに興に乗ってきた。 最新編集システムの使い勝手は悪いが… たとえばシベリアの強制収容所に送られながら、命がけで画文をしたためて残した人もいるではないか。 不便があっても、わが家で作業ができるだけでもありがたいというもの。
午前と午後ぐらい、努めて散歩兼用足しに出るようにする。 ブラジルの親類から型落ちで僕に回ってきたスマホ、勝手に万歩計としても機能していることを知る。 これは面白い。 今回、ブラジルに戻ってきて、スマホを持ち歩かずに蟄居していた日は、10数歩。 日本滞在時代は、けっこう連日歩いているな。 こっちはカッパライが心配だが、スマホを持って歩く楽しみが増えた。
近所のスーパー、生鮮食料品はまだ不足してるな。
5月30日(水)の記 定尺を決める ブラジルにて
7月の第50回記念水戸芸術祭の映像祭で上映予定の、わが短編映像。 一般応募の方々は15分以内という条件なので、僕もそれにならうつもり。
ひと通り撮影素材をチェックして、15分をちょっと下回るくらいでまとまるかなとみていた。 しかし、実際につないでみると… そうとうおいしい部分を削らなければならない。
今晩は19時からのブラジル国産ドキュメンタリー映画をシネコンに見に行くつもりでいた。 ギリの時間まで作業。 おっと、これからだと夕方のラッシュもあり、開映にまにあわないかも。
そもそも編集中の映像のことに気を取られて、他人様の作品を見に行く気が起こらない。 自作に集中しよう。 ひたすら作業。 気がつくと、23時を回っている。
絶妙なショットカットを割愛して、15分定尺きったりにまとめてみることに。 テレビ用の番組制作を去って以来、こうしたワザを使うのは20数年ぶりかも。 いやはやいやはや。 久しぶりに根を詰めた作業。 興奮さめやらず。
5月31日(木)の記 小エビ供養 ブラジルにて
今日のブラジルは「聖体の祝日」というカトリック起源の国民の祭日である。 そのまま週末いっぱい連休、という企業や学校も多い。 サンパウロあたりだと、海岸地帯に繰り出す人も。 そのために5時間近いガソリンスタンド給油待ちにじっと耐えていた人たちも少なくなかったのかな、と推察。
昨日、最寄りのスーパーに行ってみると、こちらの買い物リストの小麦粉、牛乳、トイレットペーパーが皆無だった。 なおも残っている品を買占めにかかっているとみられる客も散見。
他のスーパーまで足を延ばすと、やや割高でもいずれの品もあった。 やれやれ。
今宵は、お好み焼きをこさえる。 日本でもブラジルでも、地方のスーパーに行くのが嫌いではない。 さきの訪日時、茨城のロケ先の地元系スーパーで岩手産の小エビを安売りしていた。 これを買ってブラジルに持参。 一尾が2-3ミリ程度のプランクトンサイズだ。 まさしく、ちりめんじゃこに混じりこんでいるようなミニえび。 ひとつまみいただくと、お味はしっかりしている。
小エビ一尾をいただくたびに、般若心経ないし主の祈りを一遍となえると… それだけで人生終わってしまうかもしれない。 それぐらい、他のいのちのおかげで、生かせていただいている。
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