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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2019年の日記  (最終更新日 : 2020/05/03)
6月の日記 総集編 黒澤明の森

6月の日記 総集編 黒澤明の森 (2019/06/06) 6月1日(土)の記 夢とゴジラ
ブラジルにて


未明にDVDで黒澤明の『夢』を見る。
こちらにDVDがあるのだが、あらたに日本のDVDマガジン版を買ってきた。
この号はメイキングのDVDも特別に付いている。

画家の富山妙子さんの「狐シリーズ」のことを考えていて、黒澤監督の『夢』の狐の嫁入りのエピソードを想い出した。
黒澤監督は1910年生まれ、富山さんは1921年生まれ。
黒澤監督がもともと画家を志していたのも興味深い。
富山さんには黒澤監督の話をしても、これといったリアクションはなかったのだが。

あらためて『夢』を見ると、本多猪四郎監督の協力も得ているせいか、東宝特撮映画シリーズの枠を感じてしまう。
雪女のエピソードはセット感もろもろで、なくてもよかったような。
最後の笠智衆の台詞は、よく聴き直したい。
そしてラストカットは、タルコフスキーへのオマージュか。

今日は息子と世界一斉公開された『Godzilla 2』をシネコンに見に行く。
3D、および吹替えではないヴァージョンの上映を見つけるのに苦労したという。
初回の上映、さすがにすいている。

ううむ。
英語のセリフとポルトガル語のあっという間の字幕に付いていけない。
それにしても…
設定からして、そうとう多くの人間が死んでいる話のはずだが、血も死体も見当たらず。
さして魅力的でもない主要登場人物たちの生きるか死ぬかのシーンが続くが、それに思い入れができない。
なによりも、この時代に放射能を扱っていながら、被曝の恐ろしさが伝わってこない。

カイジュー映画とプロレスに理屈は無用、か。


6月2日(土)の記 炊事と運転
ブラジルにて


こちらの義母の調子がよくなく、昨日から拙アパートに来てもらっている。
昨晩は、不肖の婿がスキヤキ奉行。

午前中、路上市でカツオ、イワシ、アサリの剥き身など購入。
今日の昼は魚介のリゾットとカツオのカルパッチョ。

午後、義母を実家に車で送る。

ほんらい時差ボケ静養期間のため、疲れた。
帰宅後、夕食作成はパスさせてもらって横になる。


6月3日(月)の記 少女伝説・水戸喜世子さん
ブラジルにて


さあ今日は一日断食。
僕自身が気がかりで、期待もされている先月、大阪高槻で撮影した水戸喜世子さんの富山妙子さんに関するトークの映像の編集から着手。
Edius編集になってからまちまちに翻弄されていた微妙なアスペクト比も固定しないと。

関西の「たまい企画」さんの尽力により、水戸喜世子さんにカメラを向けたのは先月が3回目。
三度目にして、ようやくシュートとゴールを決めさせてもらった思い。
撮影素材に特にトラブルもなく、さらさらと編集。

家人に言われて測定すると、異常に血圧が高い。
時差ボケ過労期間に炊事や運転が続いたため、と自己解釈するが。
まあ、安静にしましょう。


6月4日(火)の記 市電の浦島太郎
ブラジルにて


水戸喜世子さんのトーク映像の編集は、目鼻がついた。
他の富山妙子さんがらみの映像編集に入る前に…

札幌で友情撮影させてもらったチンチン電車借切りの公演『煙のむこう』の編集を先にいたしましょう。
まずは素材を取り込んで、プレビュー…
おっと、映像にノイズが。

再生機をいくつか変えてみるが、やはりノイズ。
オリジナルテープの傷だ。
残念。

意気消沈しながらも、そのほかデータ取り込み時に発生したノイズが何カ所かあり、それらの修復にあたっていく。
それにしてもすごいお芝居だ。
30人近い方々に問い合わせて編んだという脚本がすごい。

先週からサンパウロで ECOFALANTE:国際環境映画祭がはじまっている。
まだストイックに、かつめんどくさくてプログラムもチェックしていない。
この作業が片付いて、富山さん編集体制に入ってからだな。

夕方、急きょ予約できた専門医の診察を受ける。
アマゾン地方出身の日系の女医で、話してみると共通の知人が複数出てきた。


6月5日(水)の記 聖市発酵生活
ブラジルにて


札幌の路面電車での『煙のむこう』公演の映像。
どうしたことかデジタルノイズを修復した部分がずれている。
ひとつずつ修正。
約1時間のお芝居のノーカット収録だが、今日だけで2回、通しで試写。

そのときそのときで別の箇所の台詞が、こちらの琴線にふれてくる。
つくづくすごいお芝居。

作業の合間に…
大豆を煮ておこう。
また納豆をつくるべし。

今回、ブラジルに戻ってから豆乳ヨーグルトづくりに挑戦している。
豆乳に玄米を入れるのみ。
まずは種菌づくりの段階だが、イマイチ生育がよくない感じ。
そもそもこちらで入手できた豆乳は500ccで約150円、安くない。
さっそく牛乳ヨーグルトはヨーグルトメーカーでつくっておいたけど。


6月6日(木)の記 自宅待機
ブラジルにて


さあふたたび富山妙子さんがらみの映像の編集だ。
今日から環境映画祭の作品をいくつか見始めるつもりだった。
とりあえず今日の上映作品をチェック、チョイス。
この映画祭の上映作品は、どれを見てもまずハズレがなく勉強になる。

が、こちらの一族の長老が集中治療室に入院とのしらせ。
わが連れ合いが付き添うことになった。

緊急事態に、わが家に誰もいないのもあずましくなかろう。
今日の映画は断念しよう。
夕食の食材の購入と散歩を兼ねて外出。
あ、スマホを忘れてしまった。
少し運動も兼ねて歩くつもりだったが、こういう時に限って緊急連絡が入るかも。
そこそこに帰宅、不在中の着信はなく、安心。


6月7日(金)の記 核問題を観る
ブラジルにて


内覧用に編集してあった富山妙子さんの掌編映像をシェイプアップにかかる。
面白いと思う。

集中治療室に入っていた長老は、一般病室に入った由。
日中、見舞いに顔を出してから環境映画祭を2プログラムはしごすることにしよう。

まずは『Abrigo Nuclear(核シェルター)』という1981年ブラジル製作の劇映画を見る。
核汚染で地上に住めなくなった人類のお話。
あまりカネをかけていないのがうかがえるB級映画だが、この時期のブラジルでこうした映画がつくられていたことが驚き。

河岸を変えて、核問題のプログラムを追いかける。
今度は2本立て。
まず『The Atomic Soldiers』、製作国はオランダで2018年、23分の短編。
1950年代のアメリカの核実験に参加して被曝した兵士たちの証言だ。
秘密厳守を命じられていた生存者が、声をあげた。
自国の兵士たちにこのようなふるまいをする国が、他国、しかも属国にどのように臨むか。

ついで『Atomic Homefront』、アメリカの2017年の映画。
舞台はアメリカ合衆国ミズーリ州サンルイス。
ここにはウランの製造過程で生じる廃棄物の埋蔵地がある。
その地表での発火が生じている。

付近には住宅地が広がり、住民、特に子供たちに発ガンが続いている。
当局は核汚染を否定するばかり。
住民の、特にお母さんたちが立ち上がった。

核開発のパイオニアの超大国が現在、このありさまだ。
絶望的な状況だが、こうして声を上げている市井の人たちと連なることに希望を見出そう。
すでに核汚染の先進国となった祖国日本で共有してほしいドキュメンタリー映画だ。

帰宅は午後8時をまわった。
今日の夕食は、宅配のピザ。


6月8日(土)の記 南の隣人たち
ブラジルにて


すでに後半を迎えたブラジル国際環境映画祭。
サンパウロでは今日に限っても、主だったところで5カ所にて同時に上映が行われている。
どのプログラムを、どうつなぐか、思案のしどころ。
入手した分厚いプログラムを繰るにつけ、見逃した作品を残念に思う。
かといって自分の作品づくりも、家族の事情も、こちらの体調もあるし。

今日は午後からアマゾンものの長編一本と、ブラジルの短編特集の2プログラムを見るとする。
短編には、思わぬ拾い物がある。
『渓谷の孤児たち』と題されたのがすごかった。

ブラジル南部サンタ・カタリーナ州。
拙作でいえば『すばらしい世界旅行』の「イルカ漁」の舞台であり、『ブラジルのハラボジ』の主人公がリンゴを植えたいと言っていた州だ。
19世紀以降、ドイツやイタリアからの移民が入り、ドイツ語が公用語にされている自治体もある。
その内陸のイタジャイ渓谷のラクラノ/ショクレンと呼ばれる先住民の今に至る悲劇を伝える。
入植者たちから様々な危害や侵略を受け続けてきた。
昨今では居住地がダム建設による水害で溺死者が出たり、周囲のタバコ農場からの「農毒」が居住地の土地も水資源も脅かしている。

こんな非道が許されていいのだろうか。
先住民地区で奉仕する「白人」の言葉をかみしめたい。
「もしブラジル人が先住民たちと人として交わり、学んできていたら、今のブラジルで生じている暴力ばかりの状況は起こりえなかったと思います」。


6月9日(日)の記 マリアおばさん
ブラジルにて


サンパウロの連れ合いの実家で、一族が集って昼食をすることになった。
わが家族が料理をこさえることになり、早めに訪問。

こっちは、手持無沙汰気味。
チア・マリアというアルゼンチン産のリキュールがあった。
実家ではアルコールをたしなむ人がいない。
いただくか。

氷を入れても、まだ強烈に甘い。
かき氷のシロップを原液で飲んでるみたいな。
牛乳割りでいただく。

明るいうちに帰宅。
夜は、軽食をつくるにとどめる。
さあ、読書だ。
富山妙子さん関係を読む。

むむ、さきの取材の前に知っていれば、と思う記載あり。
まあ勘弁してもらいましょう。


6月10日(月)の記 病院アート
ブラジルにて


サンパウロで月曜恒例の断食は、明日に延期。
わが体調を心配する向きがあり、その一環で急きょ病院で検査のハシゴをすることになった。
すでに検査で行ったことのある病院のため、いささか気は楽である。
今日の環境映画鑑賞は、中止。

ブラジルでも日本でも、そういくつも病院を知っているわけではない。
しかしどうやらこの病院、院内に展示されているアートが目を見張り、心地よい。
先回からさっそく一部、模様替えもされている。

wi-fiも通っているので、めぼしいアートの写真をSNSにあげてみるか。
うむ、さすがに電波は弱い。

二つ目の検査のあとで、オレンジジュースをもらう。
やれやれ。
夕方の家族との待ち合わせまで時間がある。
そこいらのカフェに行ってもそう長居はできないし…
病院のソファにゆったりと座り、しばし読書。
ああ、本の読める時間がうれしい。


6月11日(火)の記 見納め環境映画祭
ブラジルにて


今日は、一日断食。
午前中は自宅で映像編集。
拙作『狐とリハビリ』の手直し。
冒頭に、いったい何者がなにゆえにこの映像を記録して見せようとしているのかを字幕で加えてみることにした。

サンパウロで開催中の国際環境映画祭は、明日まで。
明日は用事が入ったため、今日が見納めだ。
水筒にお茶を入れて、3プログラムに挑戦。

一本目は英題『Survivoes』、アフリカのシエラレオネが舞台。
エボラ出血熱の流行で非常事態宣言が出されたシエラレオネで、牧師でもある映像作家が、発症者と家族、そして看護師たちの活動を記録していた。
その映像を欧米の映画人たちが結集して映画にしたもののようだ。
登場人物も撮影者も生死にかかわる深刻な事態が映し出されているだけに、息を呑む。

二本目は英題『Istambul Echoes』、カナダとフランスの製作。
イスタンブールの路上の商人たちを長年にわたって記録。
ムール貝売り、菓子パン売り、カーテン売り。
はじまりの映像ではエキゾチシズムと懐かしさを感じて、今後の訪日でトルコ航空を使って、ストップオーバーをしてみたくなるほど。
しかし当局の強引な都市近代化生活で、路上商は追い立てられて締め付けられていく。
見ている僕も苦しい。
それにしてもムール貝だと思うが、あれを路上で食べてみたいものだ。

河岸を変えて三本目、今年の僕の締めに選んだのはポルトガル語題『Agricultura Tamanho Família』、訳すと『家族規模の農業』。
広大なブラジル各地での家族農業を紹介。
西暦2014年完成のこの映画のデータによると、ブラジルで家族農業と企業的大農業を比較すると、
農業人口比では85:15、
農地面積の比は25:75、
そしてブラジル国内での食糧は70パーセントが家族農業に依っているという。
アマゾン水系、半砂漠地帯、ヨーロッパ系の多い南部と、多様極まりないブラジル各地の小規模農家がプロパガンダにおちいらない視点で紹介される。

僕自身のこちらの農地改革の記録をどうするか。
ああ、まずは富山妙子さんプロジェクト。
こちらの実家がらみの記録も早くなんとかしないと。
炭鉱離職者も、橋本梧郎先生も、松井太郎さんも鹿児島で撮ってきた映像もありあり…


6月12日(水)の記 勝手ちがえば
ブラジルにて


平日の午後、サンパウロ大学都市の近くの連れ合いの実家までクルマで約1時間。
遠めにカピヴァラの群れも見れた。

こちらの一族の老刀自の調子が思わしくない。
今日は僕が出向いて夕食をこさえて、お泊りすることになった。

小ぶりだが、冷凍のエビを買ってきた。
あんかけのヤキソバをつくりましょう。
勝手が違うと、なかなか。

こちらはNHKを受信している。
夕食後、しばし付き合う。
朝の連続ドラマと情報番組。
栃木県日光の「ゆば」とモヤシの話。
その前のニュースはSNSで指摘されている通り、安倍内閣大本営発表と忖度、および一億総白痴化になおも油を注ぐようなネタばかり。

ゆばづくりの行程は面白く、ゆばが栄養価で他の大豆製品を圧倒的に凌駕していることを知る。
して、なた状のゆばをすくった後の残りの大量の液はどうするのか?

モヤシ栽培に大量の水を使うのはわかった。
だが、どうしてそんなに大量の水が必要なのか?
使用後の水はどうしているのか?

そうした素朴な疑問はスルーされて話題は次々と変わっていく。
日本のテレビの摂取は、微量毒素程度で十分だな。


6月13日(木)の記 朝帰りの木曜日
ブラジルにて


こちらの義母のところで豆乳メーカーを購入していた。
水に浸けておいた大豆と浸けて所定の量の水を入れて、スイッチを押して30分待つだけ。
あら不思議。

わが家で豆乳ヨーグルトづくり用に買っていた豆乳は、昨日…
冷蔵庫に保管していたが、賞味期限から一週間経過。
なんとヨーグルト状にゲル化しているではないか。
悪臭はしないので、食べてみるが…
見た目も食感もトロロ状だが、決しておいしいものではない。
さすがに全部平らげる気にはなれず、遺棄。

そもそも常温でできるという豆乳ヨーグルトづくりにチャレンジしていたのだが…
時間が経過しても凝固が思わしくなかった。
して、ついにアルコール臭が。
これは味見もしないで遺棄していた。

さて、できたての豆乳のおいしいこと。
昨晩は残っていた豆乳をいただいたが、これも味わい深かった。
わざわざ豆乳をヨーグルトにすることはないな。

残りをもらって、わが家に帰る。
日中はなんだかだらける。
『狐とリハビリ』改訂版のチェックは進めておく。


6月14日(金)の記 サンパウロのストの朝
ブラジルにて


今日は、現政権の諸々に反対してサンパウロの地下鉄のストが予定されていた。
未明にラジオのニュースでスト入りを確認。

わが家族には、それぞれ影響あり。
「主夫業」の僕にも今日は影響大。

今日は朝イチで病院に血液検査に行くつもりだった。
事前12時間の絶食が条件なので、昨晩は19時には夕食を終えて、もちろんアルコールも控えていた。
超満員のバスで病院まで行く手もあるが…
病院のスタッフが通勤できているかどうかもわからないし、やめておくか。
また絶食からやりなおさなければならない。
日頃の断食で慣れてはいるけれど。

午後、外出するとメトロは動き出していた。
行きそびれていた散髪に行くか。
散髪と同じ値段をとられる髭剃りもフンパツするが…
複数個所に刀傷、出血しているが、詫びの一言もない。

30年近く前になろうが、東洋人街の日系の散髪店でやはりカミソリで血を見たことがある。
当時はAIDSが流行していたため、散髪師のいい加減な処置による感染を心配したものだ。
その床屋には二度と行っていない。

思えば日本の格安床屋の髭剃りで出血傷を負わされた覚えは、ないな。
なにがちがうのだろう?


6月15日(土)の記 早朝の路上で
ブラジルにて


昨日はメトロがストで止まってしまった。
そのため見合わせた病院での血液検査に今朝、挑むことにした。
6時台に出家。

わが家の前の大通りには、まだ路上宿泊者たちがたむろしている。
酩酊しているとみられるおじさんが、タバコをふかしながらダミ声をあげている。
なにかよこせと言われそうだったが、タイミングを外したようだ。

別のおじさんは上半身ハダカ、車道近くの植え込みの部分で、ポリ容器に入れた水を浴びながら石鹸で脇の下を洗っていた。

土曜の早朝とはいえ、すでに通勤者の人通りもあり、開店準備を始めている店もあるサンパウロの街なかの光景。

病院で番号を呼ばれて採血室に入ろうとすると、別の東洋人が入り込んでいた。
看護師が彼に番号が違うといってもなかなか出て行かない。

午後は、お気に入りのミュージアムのシアターで邦題『革命児サパタ』を鑑賞。
メキシコモードに入るため。
年代は逆だが、ペキンパーの映画を想い出す。

夜は、稲荷ずしをつくる。
これは、狐モードの一環。

そうそう、動画編集システムでありえないトラブルが生じて昨晩まで四苦八苦。
原因不明のまま、別の手段で乗り切ってみる。
数日間、ほんらいの作業が滞ってしまった。


6月16日(日)の記 ブルー魚とアロエヴェラ
ブラジルにて


今日は路上市で刺身用にサワラを買ってきた。
連れ合いの実家に行き、昼食用に刺身におろす。

義弟が持ってきた刺身もあるという。
ブルーなんとかという魚の由。
見た目は赤身に白い脂身と筋があって鶏肉のようだ。

ブルーなんとかのお味の方は…
脂が醤油に浮かぶほどで、とろりとしてマグロのトロのようだ。
しかし、なんのサカナだかわからないのが気持ちが悪い。

近年、ブラジルのスシで出される白味のプレゴと呼ばれる魚を調べてみると、サメだった。
ブラジルで、サン・ピーターという怪しい名前で売り出されている魚の正体は、アフリカ原産の淡水の養殖魚ティラピアだ。
ブルーなんとかとは、命名からして怪しい。

帰宅後に調べてみると…
該当しそうなのは、ブルーフィン。
連れ合いに確認すると、たしかそんな名前だったという。
ホンマグロではないか。

しかし値段はそんなに高くないはず、という。
ブラジルでも高級魚アトゥンとして知れ渡った魚を、わざわざブルーで浸透していない英語名で呼ぶのも面妖。
中国地方の山中のスーパーで買っていただいたサメの刺身も、色はマグロおなか身に近く、味も似ていたけど。

帰宅後、鉢植えで大きくなりすぎてきたアロエヴェラを…
レシピを調べて、刺身でいただいてみる。
これはよろしい。
素性がわかっていて、しかも植物性なので偏見なくいただける。


6月17日(月)の記 撞球床屋
ブラジルにて


さあ一日断食。
なんとか今日中で先週以来、手こずっていた次回訪日時に上映リクエストのあった2本の作品の新たな素材づくりを終えることが出来そうだ。

日中、散歩と運動をかねた買い物に出る。
地下鉄で一駅半ほど離れた卸売店に、料理用の白ワインと国産ラム酒を買いに行こう。
連れ合いの実家からもらってきたミントがさっそくわが家の小鉢で根付いてくれて、小粒ながら成長がよい。
ミントの合うアルコールは、ラムだな。
週末が楽しみ。

散歩と運動、そして探検も目的なので、やや遠回りしてしばらく歩いていない道を通ってみる。
なにがあるかわからないので、面白い。

気をつけてみると、けっこう散髪店があるものだ。
これまでサンパウロでは移民床屋の大塚さん、日本では目黒の実家周辺何軒かの格安床屋と決めていた。
しかし大塚さんを亡くして、その後に2度まで通ったサンパウロの理髪店では、剃刀傷を浴びせられて詫びもなかった。
このバーバーはこじゃれたバー風で気に入っていたのだが。

美容院ではない、男性相手のこじゃれたバーバーは他にも徒歩圏にいろいろある。
今日も新たに発見。
なんと一軒は入口に広いビリヤードスペースがあるではないか。
まあ僕は小遣いをもらっても玉突きなどしたいとは思わないが。

まだまだ奇想天外な理髪店がありそうだ。


6月18日(火)の記 六川さんと小津
ブラジルにて


今日は何の日。
1945年、沖縄のひめゆり部隊に解散が命じられた日。
パウリスタ大通りに出ると「職業化学者の日」という掲示を掲げたマニフェストがあった。
ネットで調べるが、それは見当たらない。
その他、
「自閉症プライドデー」
「考古学出発の日」
などがあって驚く。

31年前の今日。
僕はフリーランスのTVディレクターとして日本テレビで放送していた『すばらしい世界旅行』の取材中だった。
サンパウロ市内でこの日、行われるブラジル日本人移民80周年式典の取材許可を主催のサンパウロ日本文化協会に申し込んでいたが、却下されてしまった。
代わりにサントス港で行なわれたイベントを撮影したが、こっちのほうがよかったと思う。

その時の撮影をお願いしたのが、六川則夫さん。
サッカー映像ジャーナリストとして今も現役の六川さんが、コパ・アメリカの取材でブラジルに来ている。
今日は試合はオフということで、ピニェイロス地区のホテルにうかがう。
いやはや、話は尽きない。

ホテルから徒歩圏のトミエ・オータケ文化センターに寄る。
カルロス・アドリアーノというブラジルの映像作家のシネポエムを上映中。
マルチスクリーンでいくつもの作品を同時に流しているような展示。
ひとつひとつをきちんと鑑賞しなくてもいいということか。

小津先生の映像がひとつのスクリーンに映し出されているではないか。
『秋刀魚の味』か。
まさしく小津の映画の部分を解体して加工してつないでいる。
こうした作品がブラジルのドキュメンタリー映画祭で受賞したらしい。

思えば遠くに来たもんだ。
さあ、自分の仕事に戻ろう。
夜、家族の食事を準備してから気になっていた映画の鑑賞に赴くが…
上映中止の由。

この日は、一筋縄ではいかない。


6月19日(水)の記 Ryuichi Sakamoto:The Sound of Silence
ブラジルにて


昨晩は鑑賞を予定していた映画が、詳細不明で上映中止になってしまった。
タダの映画だったが、責任者は不在でらちがああかない。

さて。
今日は家内作業を早めに切り上げて。
IN-EDIT国際音楽ドキュメンタリー祭の、この一本。
『Ryuichi Sakamoto:CODA』。
今年のこの映画祭でに日本がらみは、これだけのようだ。

上映前にスタッフから「一部」音声が欠けているとのお知らせあり。
冒頭、311の津波と放射能の被災地らしい映像が続く。
音声は、風音らしい音のみ。
坂本さんが登場して、口は動いているが、音は風っぽい音のみ。
斬新な音の構成に驚く。
その後、映し出される文字で坂本さんが咽喉ガンを患ったことがわかる。
なるほど、その伏線だったのか。
そのあとで、坂本さんへのインタビューシーンが続くが、音声がまるでなくなった。
しかも、字幕もないのだ。
場内から激しいブーイング。
けっきょく3分の2ぐらいの観客は席を立ってしまった。
坂本さんの語りの音声トラックが欠けたヴァージョンの上映だったのだ。

エンディングロールまで残った観客は、僕のみ。
かつて16ミリフィルム時代の音声抜きでの試写の時代を思い出していた。
坂本さんの語りを抜きに推測するに、坂本さんは『惑星ソラリス』のバッハの使用に大きな刺激を受けたようだ。
僕も、ソラリスのバッハにはぶったまげたものだ。

今日の作品、「トーキー版」で見てみたい映画だ。
ヒコーキのなかででもやらないかな。
上映後に映画祭のスタッフは見当たらず、なぜこんなことになったのかは不明。
上映を見合わせてもよかったと思う。


6月20日(木)の記 ヴォンゴレの夜
ブラジルにて


今日のブラジルは聖体祭の休日。
多くのブラジル人にとってはただの祭日だが、カトリック教徒はミサに預かるべき日。

今日は僕が連れ合いの実家に泊まりに行き、義母の夕食をつくることにした。
ビデオ編集をひとつ片づけようと追い込むが、タイムリミット。

当地は冬至を迎える時期で暗くなるのが早く、少しでも明るいうちに出たい。
義母の夕食時間も早い。

夕食は、こちらでヴォンゴレとよばれるアサリに似た貝の剥き身をトマトソースでからめたスパゲティとする。
実家の冷蔵庫にあった白菜をサラダにして。
あると思っていた料理用のワインが、ない。
が、思わぬ隠しワインにありつく。

夜11時過ぎ。
床に就いていた義母が、脈拍が急激にあがったという。
薬を服用、様子を見るが下がらない。
一族の医師の判断で、心臓専門の救急病院に連れていくことになった。
その大任は、最寄りに住む義弟が引き受けてくれることになった。

僕は実家でひとり留守番、連絡待ち。


6月21日(金)の記 ジャパニーズブラジリアンスパニッシュオムレツ
ブラジルにて


義母と義弟は午前5時、まだ真っ暗ななか実家に戻ってきた。
救急病院でいくつかの検査をして、義母の脈拍も落ち着き、入院には及ばないということになった由。
義母も義弟も、ふらふら。
義母は床に就き、義弟は帰宅。

僕は朝食後に失礼するつもりだったが、そうはいかなくなってきた。
日中の約束のキャンセルの連絡。
夕方、交代要員が来るまで付き添うことになった。

まさかのことに備えて随時、義母の寝室をうかがう。
NHK国際放送でも流そうかと思うが、義母の救急コールが聞こえないといけない。
あいにく今回はノートパソコンを持参しなかった。
佐野眞一さんの『甘粕正彦』を持参していたので、読み進める。

義母は午前10時過ぎにいったん目を覚まし、空腹を訴えるが、また眠ってしまった。
食糧のストックを検討して、スパニッシュオムレツをつくることにする。
そもそも、スパニッシュオムレツとは?
ジャガイモを加えて、具だくさんのオムレツを言うようだ。
うむ、われながら悪くない味。

義母は午後になって起床。
大事に至らず、なにより。

僕が御役御免になったのは、夕方のラッシュ時間。
そもそも実家至近の橋で未明に火災が生じて交通が混乱中の由。
橋下の住民の失火だという。
わが帰宅路は方向が逆、しかも昨日の休日を受けて今日も休みにしている学校や職場が多いようで。
ふだんの平日よりスムースに帰宅。

やれやれ。
昨日のやり残しの編集に着手。


6月22日(土)の記 極北のマキズシ
ブラジルにて


夜はわが子と徒歩圏にある大衆料金のシュラスカリア:ブラジリアンバーベキュー店へ。
大衆料金といっても、土日祭日は平日よりひとりあたり10レアイス(約300円)高い。
それでも高級店の4分の一ぐらい。

サラダバーもいろいろあるが…
巻き寿司もある。
カタカナで呼んだ方がいいシロモノだ。

具は、どぶといニンジン。
シャリは、べっちょり。
ノリがひどい。
タタミイワシぐらいに粗く、色は褐色。
さすがに食指がまるで動かない。

話のタネにスマホ撮りして、フェイスブックにあげておこう。
べつにスシを食いにきたわけではないので、かまわないけど…

祖国日本の、エスニック料理の数々を想う。
ネイティヴの人には度しがたいモノも少なくないだろうな…

当地ではマズいニホンメシより、そこそこのブラジル料理がずっとよろしい。


6月23日(日)の記 金柑食
ブラジルにて


ああ、気が重い。
遠方での知人の法事に、運転手として出向くミッション。
サンパウロ市内の幹線道路にかかる橋が火事のため閉鎖中で、えらい回り道をしなければならない。

帰路は高速道路の料金所の先で事故、1時間近い渋滞。
お連れしたお年寄りから法事の説教が長い、渋滞がひどいとクレームが続き、いやはや。

香典返しのほかに、柑橘類のキンカンをいただいた。
恥ずかしながら、キンカンは虫よけに使うものぐらいと思っていた。
調べてみると、どうやら虫よけのキンカンは柑橘のキンカンとは関係がないようだ。

そのまま食べられるとブラジル生まれの家人から聞かされて、びっくり。
えらくすっぱいものかと思っていたが、甘いではないか。
果肉の部分がないに等しいのも驚き。
日本では南日本が主生産地で、エドツコの愚生がこれまで縁がなかったのもむべなるかな、とエクスキューズをみつける。

晩酌につかってみよう。
ブラジル産のラム酒にキンカンをスライスして寝かせて、トニックウオーターで割る。
いけます。
トロピカルな色合いと心地よい甘さ。

この年にして、しかも原産地から遠く離れて知る金柑の喜び。


6月24日(月)の記 筑豊のアンダーグラウンド
ブラジルにて


さあ今日は一日断食。
『富山妙子 自作を絵解く』と題してみたシリーズの新たな一編の編集着手。
絵解いていただく作品は『筑豊のアンダーグラウンド』。
作兵衛さんがらみで最近、東京で上映された土本典昭監督の『はじけ鳳仙花』で登場する絵画だ。

この絵について検索すると、こっちがタイトルをまちがえたかと思うくらいヒットしない。
かろうじてすくえたのが、なんと旧知の本田孝義監督のブログの記事。
http://www.fune-yama.com/diary/archives/730.html
ちなみにただ今日本で本田監督の劇映画『ずぶぬれて犬ころ』を渋谷ユーロスペースで公開中。
http://zubuinu.com/index.html
訪日後にどこかで見ることができるといいが。

僕の方は富山さんの絵解きシリーズのこれが2作目。
最初の『光州事件編』は『試作』と銘打つことにした。
試行錯誤の最中だが、「試作」よりかは作品として進化深化できているかも。

ふつうでは、そして他の人の取材では出てこないだろう、「雑味」とされかねない味わいが持ち味かと。
通常の僕の流儀では、映像のインサートは基本的に行わない。
このシリーズは例外としてインサートを多用。

なれない手法と編集システムであり、現場での限界もあって、心配だったが…
そこそこいけそうな感じ。

他にも必須の宿題があり、来週の訪日までにまとめられる映像はこれまでかな。


6月25日(火)の記 ブラジルの用心
ブラジルにて


今日は盛りだくさん。
午前中、キャンセル待ちの医師の診察が可能となり、その足で日本国総領事館へ。
旅券の手続きだが、盗難に用心していったん帰宅。
いま、旅券やブラジルのIDカードをかっぱわれたら再発行が間に合わずに来週の訪日を見合わせざるを得ないだろう。

午後、所用も兼ねて速足の美術館詣でを考えていたが、長蛇の列であきらめる。
旅行エージェントでの手続き。
夕方、近郊から出てきた日本人の知人と、はじめてのカフェで待ち合わせ。
かつてのロケ地の至近にあった。
話は尽きない。
うう、米を研いでおけばよかった。

だいぶいい時間になり、押っ取り刀で帰宅。
けっこう冷蔵庫に冷ゴハンがあった。
それをふかすので、勘弁してもらおう。
急ぎゆえレシピも確認しないでエビチリをこさえるが、けっこうなんとかなった。

無事がなにより。
なぜか目が覚めてしまい、ここのところ読み耽っていた佐野眞一さんの労作『甘粕正彦』 を読了。
執筆リサーチチームにブラジルコネクションの知人の名前があるのを、あとがきで知ってびっくり。


6月26日(水)の記 チャイナ化タウンをゆく
ブラジルにて


午後、サンパウロの東洋人街リベルダーデで友人と待ち合わせ。
訪日土産の買い出しもある。
メトロでひと駅手前のサンジョアキン駅で下車して、東洋人街のメインストリート、ガルボンブエノ街を歩く。

思えば今回、ブラジルに戻ってからこの地区に来るのは初めてだな。
店舗の変遷、川の流れのように。
うーむ…
中華料理屋がやたらに増えているな。
その分、日系の諸々が消失している。

中華料理屋もひと頃よりモダンな、カフェに近いような店構えが増えた感じ。
世界における東アジア情勢の縮図、近未来を見る思い。
はじめてここを訪れたのは、36年前。
こんな事態は想像もしていなかった。

日はのぼり、日はしずむ。


6月27日(木)の記 鳥取の峠
ブラジルにて


鳥取の峠といえば、ウラン問題の人形峠。
鳥と峠というと、今井友樹監督の傑作記録映画『鳥の道を超えて』を思い出す。

こちらの方は先回の訪日中の上映会に参加してくれた方々への御礼メールを作成、送付の日々。
アンケートにメールアドレスを書いてくれた方々が対象だが、なかなかの数である。
いちばん多いのが鳥取で、これがこの作業の峠。
鳥取との奇縁に感謝。

夕方、リサイクル資源をピックアップに来てくれた友人とカフェ。
ついでに訪日土産の買い出し。

さあ次回の出ブラジルまで一週間を切ったぞ。


6月28日(金)の記 日本語でモロヘイヤ
ブラジルにて


一昨日、東洋人街に出た際、中国系の食材店でモロヘイヤ入りインスタント麺を買ってみた。
タイ語らしい文字、英語、そして日本語でパッケージに表記されている。
日本語にいわく「モロヘイヤは野菜の王様 コシが強く、つるつるとおいしい」。
日本語のフォントも文章も、日系大国ニッケイスゴイを自画自賛するブラジル産のものよりずっとしっかりしている。

裏面を目を凝らしてチェックすると、原産国はタイランド。
お値段は6レアイス、邦貨にして約180円。
プアジャパニーズにとっては決して安くないが、思い切って購入した。

今日の昼餉にいただくことにしよう。
裏面の英語の解説が面白い。
件の植物はエジプトでは Mulukiya と呼ばれ、英語では Jew's Mallow Vegetable と呼ばれて、日本語で Moroheiya と言う、とある。
モロヘイヤは、日本語か!

ググってみると…
ほぇ、日本語は シマツナソ(縞鋼麻)とな。
われらがポルトガル語では Caruru-da-bahia というそうだ。
して、「モロヘイヤ」という日本語の呼称はエジプトの方言からきたそうだ。
外来モノの呼称は、その搬入ルートや搬入者の意図が察せられて面白い。

さて、お味の方は。
2種、購入したうちの「トムヤムスープ麺」をいただくが…
後足しのチリペーストが辛すぎて、緑色の麺の味そのものはわからないほど。
ペースト類にも日本語表記がされているので、日本国内にも流通していそうだ。

モロヘイヤは、拙作ドキュメンタリーにも登場している。
すぐわかる人は、橋本梧郎先生クラスだ。


6月29日(土)の記 黒澤明の森
ブラジルにて


深夜、眠れず。
もうすぐ訪日だから、どうせ体内時計ははちゃめちゃになる。

自分の映像編集作業もあり、DVD鑑賞は控えていたが、気になるのを見ちゃおう。
黒澤明監督『虎の尾を踏む男達』。

これを劇場で見たのは、40年以上前になるかな。
銀座並木座あたりだったろうか。
黒澤映画ということで必須として見たのだが、なにせ台詞からして聞き取れず。
プリントの状態もよくなかったと思う。
あまりいい印象はなかった。

さてさて。
おお、冒頭から字幕による説明が何カットも続く。
僕が今、富山妙子シリーズで用いている手法ではないか。
そして字幕があけると、森のシーンだ。

黒澤明の、森!
すぐに浮かぶのは『羅生門』。
そして勝四郎が村の娘を追いかける森、『七人の侍』。
それを反芻するような『八月の狂詩曲』の森。
狐の行列が進む『夢』の第一話の森。
『蜘蛛巣城』の老女の森、などなど。
ちょいとした論文でもひねれそうなテーマかもしれない。

そして、ラストシーンの、あの雲。
実写か、書割か。
大日本帝国崩壊前後を股にかけて、こうした映画をつくっていたという事実が圧巻。


6月30日(日)の記 日曜日に海老を焼く
ブラジルにて


わが子の心身の調子がよくないとき。
僕はおろおろすること、そしてせいぜい子らの好物の食べ物をこさえることしかできない。
今日は、そんな日となった。

そうだ、日曜の路上市でエビを買おう。
それも、大きいのを。
エビはそもそも牛肉より割高だ。
特に大ぶりのものは縁がないものと思い込み、ハナから値段もよく把握していない。

まあまあ大きめので…
より安い店にて1キロ80レアイス、邦貨にして約2400円。
半キロ買うか。

家に帰って数えてみると、ちょうど10尾あった。
1尾が頭と尻尾とヒゲと殻込みで約50グラム、120円か。
恥ずかしながら、僕にとっては「大」になるこのサイズのエビを調理したことはない。

日本から担いできたグリルパンで、塩焼きということに。
あったはずの竹串が見当たらない。
台所用品を探していると、10年以上の年季が入っているとみられる未使用の割りばしがいくつも出てきた。
これを使おう。

ううむ、いけるではないか。
途中でフタを開けた際に漂う磯の香りもよろしい。
簡易タルタルソースをつくるが、これもよく合う。
肝心なわが子も喜び、やれやれ。


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