7月16日(火)の記 砂丘散策そして出雲 (2019/07/22)
砂丘散策そして出雲 日本にて
祖国は午前5時には日の出の季節だ。 地図類はないが、鳥取砂丘を歩いてみることにする。 車道脇の遊歩道でウオーキングとジョギングの年配の男子2名にあったほかは、海岸までの往復で砂丘内ではまるで人を見かけなかった。
砂の諸相、風紋、ヒトと獣の足あと、人類のゴミを見やりながら。 いい散策と思索の時間だ。 宿から海岸線まで約1キロ半。
もう、砂はいいかも。 森に還りたい。 鳥取駅より特急おきにて、出雲路へ。 出雲市駅に今日の上映の主催者三人衆の一人、中山さんが待機してくれていた。
ディズニー映画から飛び出してきたような色とかたちの中山号で、ひたすら山へ山へと向かっていく。 今回の会場である美郷町の廃校活用スペースで、地球を股にかける陶芸家の橋本白道さんらが機材設置で四苦八苦されていた。 さあ、なんとかしよう。
畳の間で善男善女が寄り合い、まずは『KOJO ある考古学者の死と生』を再生。 これをお見せしたかった広島の人も来てくれた。 前後編合わせて3時間半の作品を、思い思いの姿勢で。
中山さんのこさえてくれたビーガンカレー、そして中山牧場で飼育するヤギのお乳のアイスクリーム、いずれも絶妙なり。 夜の部は『40年目のビデオレター アマゾン編』。 これがぜひ見たい、とチョイスを強行した主催者のひとり、メイさんにそのこころを尋ねると、 「なんとなく」。
本人は、当たった!というが、そうみたい。 はからずも新暦のお盆の時期にふさわしい、死者を呼ばい再生させるマツリの場となった。 河岸をさらに山中に移して、岡村がこの地と縁ができる結びの人・白道師のくじら窯へ。
橋本白道さんは私財を投じて、さらにクラウドファンディングで奔走してブラジルやアルゼンチンを始め、世界各地の陶芸のプロを目指す若者を招聘する奇特なプロジェクトを続けている。
橋本さんがいちばん招きたかった、ブラジルの経済的に厳しい学生には親の所得証明、預金証明などの不備のため日本国がビザを発給しないという。 憤ると同時に、そんな祖国がますます恥ずかしい。
|