移民百年祭 Site map 移民史 翻訳
岡村淳のオフレコ日記
     西暦2019年の日記  (最終更新日 : 2019/10/15)
9月6日(金)の記 帰れと言われる前に行くのがややこしいソレントへ

9月6日(金)の記 帰れと言われる前に行くのがややこしいソレントへ (2019/09/13) 帰れと言われる前に行くのがややこしいソレントへ
イタリアにて


日程も諸手配も連れ合いに丸投げしていたイタリア巡礼の旅。
旅に出たからには一蓮托生だ。
これからフィレンツェを出て、今回の主目的の巡礼地、イタリア国をブーツに例えると、かかとというかアキレス腱の部分へ向かう。
いっきに行くのはむずかしいので、今宵はナポリの南のソレントという町で一泊の予定。

連れ合いは周到な計算があったわけではなしにそこを選んだとのことだが、驚き様々。
なにか聞き覚えのある地名だと思って検索してみると、日本でも流行ったというイタリア歌謡に『帰れソレントへ』というのがあった。
連れ合いにそれを伝えると、そういえば彼女の亡父が50年近く前、サンパウロでピアノを弾きながらこの歌をイタリア語で歌っていたというではないか。

これもヒヤヒヤだったが、昨日、予約した列車でフィレンツェからナポリへ。
ナポリから別の会社の電車に乗り換えるのだが、その駅は大混雑。
スト決行中とか。
13時には列車再開と連れ合いが聞いてきたが、さらにカオス状態が続く。
ホームで1時間以上待機。
現れたのは落書きだらけのスクラップのような電車。

ポンペイ遺跡を生んだヴェスヴィオ火山を望みつつ。
桜島と錦江湾といった感じだ。
いやはや、ソレントにたどり着く。

今日、予約を入れた宿は到着が遅れると50ユーロの追加料金の由。
それでいてネットで検索すると宿名もまちまち、先方から伝えてくる住所もまちまちではないか。
連れ合いが何度もスマホで連絡を取り…

ソレントとなると「地球の歩き方」に地図もなくこれといった情報もないが、なかなかの国際観光地だ。
レモンが特産で、レモンのリキュール、レモンせっけん、レモン飴などが並んでいる。
土産物店にはハングルの記載も。
日本語記載のあるのは、バブル期に日本人が群がったようなすでに時代遅れの高級品店で、いまや閑古鳥。

宿は18世紀に建てられたという歴史建築の一部を改装したものだ。
常駐のスタッフはおらず、客の到着に合わせてスタッフが合流するというシステムだ。
スタッフのイタリア人男性は連れ合いが連絡を取り合っていたのとは別人で、自分はジャーナリストだという。
観光スポットなど諸々の情報は自分のウエブサイトにあたってくれと言う。
紙の街の地図はないのかと聞くと、プラスチックと紙は使わない方針だとのたまうではないか。
シャワートイレがあるわけでもないのに、よく言うよ。
ビデはあるか。
そもそも電気電波電池がなくなれば、スリにスマホをやられてもアウトでないの。
いずれにしろジャーナリストという割には、泊り客の素性やなぜここに来たかには関心がないようだ。

ソレントには廃墟マニア垂涎の聖地がある。
僕もネット上でと記憶するが、その写真を見てたまげたものだ。
峻険な崖下に築かれた、前世紀初頭まで使用されたという製粉所跡。
今日ではシダ類に覆われているという。
それが現在の街中にあるらしい。

ジャーナリスト氏は明日の朝、チェックアウト時は部屋に鍵を置いておけばいいと言い残して歴史建造物から去ってしまった。
このシステムだとチェックアウト後に荷物を一時預かってもらうのもままならない。
さあ時間は押している、まずは垂涎のミルズの谷へ行こう。
そもそも崖下にどう降りたらいいのか…

たしかに至近距離に東京の等々力渓谷を二乗したような強烈な谷が。
おそるおそるのぞき込むと、なんと魅惑の廃墟は全面改装工事中ではないか。
がっかりとともにホッともする。
もし降りて行って踏査するとなると相当な手間暇がかかりそうだ。
そして情けないことに、崖上からだと手持ちのスマホごと引き込まれそうで、写真もままならない…

街の中心部のカテドラルの夕方のミサにあずかる。
参列者は年配の女性が中心で、なんだか人情味があふれている。
教会敷地内でイタリア人の写真家の撮ったマザー・テレサの写真展を開催中。
夜8時までとのことで、ミサ後にのぞいてみる。
「神のひかり」とマザー・テレサをして言わしめたという写真!

夕食。
地元ジャーナリストの彼氏がいちばんに推した街なかの店はかなりの空席があったが、歩かせて待たせて席がないとけんもほろろ。
次点の店はそこそこの距離で海辺までくだるが、値段もリーズナブル、海幸がいただけてゴキゲンである。
前菜には日本のママカリのような酢締めのひかりものの魚もあり、よろしかったなあ。


前のページへ / 上へ / 次のページへ

岡村淳 :  
E-mail: Click here
© Copyright 2019 岡村淳. All rights reserved.