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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2019年の日記  (最終更新日 : 2019/10/15)
9月11日(木)の記 ローマで危機一髪

9月11日(木)の記 ローマで危機一髪 (2019/09/19) ローマで危機一髪
イタリアにて


今日は、ローマ法王ヴァチカン滞在中の水曜日に開かれるオーディエンスに参加の予定。
連れ合いはこれの申し込みをブラジルからしていた。
メールは受け付けず、郵便かファックス!のみに限られるのだが、先方からの返信はメールでという殿様スタイルだ。

開始時間は午前9時半。
予約したうえでさらに行なう事前の受付の際に出会ったブラジル人グループはいい場所をとるため、午前5時に行くとか。

我々は午前7時に出るが…
ヴァチカンではすでに長蛇の列。
それを整理するスタッフは見当たらない。
ズルをする連中が後を絶たない。

前方の門が開いたようで、待機者の列をよそに、右側からどどどっと人々が前方に走り始めた。
ラテン語圏の若い男性が英語で「ちゃんと列を守れ!」と叫ぶが、それで引き返す人は皆無。
そちらに群がる連中の多さに、叫んだ若者までも本来の列を捨ててそちらに走って行った。
マナーもモラルもない、自分さえよけりゃ。
この宗教の最高位を希求する信徒たちに不快と絶望を感じざるをえず。

だいぶ経ってから、ようやく本来の列も動き始めた。
まずはセキュリティチェック。
けっきょく連れ合いが大変な思いをして入手した招待券は見られることもなかった。
我々も大広場に並べられた椅子に座ることはできた。
中央前方の広いスペースは誰のためなのか、開けてある。

法王登場時間が近づいてから、セネガルの国旗を持った民族衣装の人たちがちらほらとそのスペースにやってきた。
ローマ法王は9時半前に現れて、専用車で周囲を回って高座に着き、イタリア語など数か国語での挨拶と通訳がはじまった。
その頃になってもまだまだだらだらとセネガルの人たちはやってくる。
カトリックの長に会うという高揚感も、大切な場に遅れて申し訳ないという恐縮感もうかがえず、ただだらだらと。

真夏は過ぎたとはいえ炎天下で、法王がアフリカ3か国をまわってきました、という挨拶を5か国語以上で聞き続けるというのもなかなか…

苦行を終えて、ヴァチカンにいちばん近いマクドナルドへ。
ここで旧知の日系ブラジル人の神学生と待ち合わせをした。
遠藤周作の『深い河』を想い出す。
日本のテレビでは韓国のタマネギが話題になっているようだが。

彼に、オプスデイというカトリックのグループのローマ本部を案内してもらい、ラテン語のミサにあずかる。
電車とメトロを乗り継いで宿に向かう…

途中、メトロの車中にて。
連れ合いと車輛なかほどの手すりにつかまっていると、中年女らが近寄ってきた。
僕に時間を聞くので腕時計を見せると、女一人が両手の指を見せて数を指し示せ、という仕草をする。
怪しい。
その間、別の女の手が僕のショルダーバッグにのびてきた。
僕が腕でバッグを防ぐと、女たちは次の駅でそそくさと逃げ去っていく。

連れ合いのバッグもファスナーを開けられていた。
おかげさまで何も盗られないですんだようだが…
僕はスマホの電池があがってしまい、補助バッテリーをケーブルでつないでバッグに入れておいたので、そのごちゃごちゃが敵の盗っ手を拒むことになったようだ。
危機一髪。
こういう手を使ってくるのか。

凶器と力と早業で襲ってくるブラジルとはだいぶ勝手が違うぞ。
カトリックの総本山で、くわばらくわばら。


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