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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2020年の日記  (最終更新日 : 2020/02/16)
1月20日(月)の記 今日の「ものいい」と岡村作品の迷宮

1月20日(月)の記 今日の「ものいい」と岡村作品の迷宮 (2020/02/05) 今日の「ものいい」と岡村作品の迷宮
日本にて


江古田ギャラリー古藤おかむら上映まつり三日目。

今日のゲスト対談は、ギャラリー古藤を支える武蔵大学の永田浩三さん。
永田さんは聞き役の方が得意とのことで、お任せすることにした。
上野英信のこと、NHKの有名なブラジル移民ものの番組のこと、等々。

現在もNHKのディレクターだと名乗る輩から新たに不埒な目に遭わされている僕としては、わが意を得たりの言葉をいただく。

さて、昨日今日と会場で直接、僕に苦言を呈してくれる人がいた。
昨日は『ブラジルの土に生きて』の上映のあと。
その女性は自分の知っている伝聞推定の「貧しい」ブラジル移民像を延々と語る。
言いたいことはブラジル移民のほとんどが貧しいはずなのに、なぜ金持ちのブラジル移民を取材するのか、ということのようだ。
僕の他の作品を見るなり、拙著を読んでいただければすぐに解消する疑問だろう。
同じ話がエンドレスに続き、こちらの話を聞く気はないようだ。
周囲には僕にひと言挨拶をしたい人、さらにお買い上げいただいた拙著を持ってサインを待ってくれている人もいるので、そちらに会釈をすると「もういいです!」と背を向けられた。

今日の場合。
その男性はかつて、メディアへの露出度が高く世界的に知られる日本の炭鉱の閉山を写真に収めたという。
拙作は『消えた炭鉱離職者を追って』というタイトルなので気になって来てみたが、実際の炭鉱離職者の暮らし向きが出てこないではないか、というクレームだ。
この作品の誕生経緯については今日も語り、何度も語り、書いている。
それをさておくとしても、それではこの拙作の最後に登場する北海道からの炭鉱離職者のご夫妻とその証(あかし)はなんだと思われているのだろう?
炭鉱離職者=九州、という限定化。
さらに「貧しさ」「棄民」も期待されることもしばしば。
僕はそうしたワク組から自由でありたい。

この作品そのものが、迷宮である。
上野英信、犬養光博という強烈なキャラクターと「地味」なつくりで見逃されそうなこと。

今日は新たに伊豆大島冨士見観音堂の堂守を買って出てくれた伊藤修さんが「食うための仕事」を休んで横浜から来てくれた。
今日は岡村より富山妙子さんに詳しい和田翼さんも来場してくれた。
伊藤さんは和田さんに、すでに見ているこの作品のあることを確かめたくて来たのだと語ったという。

さすがは、伊藤さん。
はずすことも少なくないが、強烈な見抜きを以前にもしていただいている。

 


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