移民百年祭 Site map 移民史 翻訳
岡村淳のオフレコ日記
     西暦2020年の日記  (最終更新日 : 2020/06/30)
3月19日(木)の記 いなりにいのる

3月19日(木)の記 いなりにいのる (2020/03/31) いなりにいのる
日本にて


深夜に覚醒。
ここのホテルの魅力は、天然温泉入湯が深夜でもオッケーなこと。
一昨日は未明に風邪の初期症状を感じた。
その後は回復したように自覚するが、さて入湯は to be, or not to be?
スマホでググってみると、湯冷め発汗に留意すれば、かえっていいようだ。

いざゆかん。
深夜零時で男女入れ替えで、地下の浴場へ。
うーむ、入れ替え前の浴場の方が格段によかった。
オフィーリアのように身を温泉にゆだねる。

ホテルの朝食はあっぱれだった。
愛知県ホテル朝食グランプリに輝いている由。
コロナウイルス問題のため、バイキング形式を中断して松花堂式の仕切りの盛り付けになっている。
松花堂は十字の仕切りの由だが、こっちは井の字の仕切り。

格安料金のもと、すべてが困難な状況でよくがんばっている感動モノの朝食だ。
名古屋人の心意気を見る思い。

さあ京都へ。
まずは伏見稲荷を目指す。
日本のお稲荷さんの総本宮だ。
コロナウイルスの非常時ながら、京都駅も奈良線内も最寄りの稲荷駅もそこそこの観光客の出。
平常時はさぞかしごった返しているのだろう。

いろいろな民族人種国民のさまざまなマスクが見ることができて面白い。
大学の卒業式か、袴姿の若い女性グループも。

拙作『狐とリハビリ』のタイトルを飾ることになった画家の富山妙子さんとの「なれそめ」の落とし前としてここを訪れた。
伏見稲荷は「千本鳥居」で知られるが、確かにここにくると鳥居群に圧倒されてキツネは埋もれがち。

そこそこ歩くが、稲荷山頂上まであと40分、と表示を見てここまでとする。
まだいくつも予定がある。
まずはJR円町駅へ。
昨年、引っ越した古本店カライモブックスさんを訪ねる。
これはスマホがないとむずかしいかも。
京都の街は歩いて楽しい。

ほう、達磨寺か。
寄り道もまた楽し。
あった、「古本」の看板。
まだ先か。
古民家を改造したお店に入ると、店主の奥田さんに異変。
つい先ほどぎっくり腰をおこしたという。
お連れ合いの直子さんに案内いただき、メインのドーム空間を拝見。
何冊かの本に呼ばれる。

蒲団に倒れ込む奥田さんと雑談。
寄ってきたばかりの達磨寺、それから思い出した黒澤明監督の脚本『達磨寺のドイツ人』の話を持ち出す。
するとなんと、この近くに山中貞雄監督の墓があるというではないか!
あの、『人情紙風船』の。
1938年、中国戦線にて若干28歳にして戦病死。
惜しんでも惜しみきれない。

墓所の寺には観光や史跡の標識も見当たらず。
山中監督の墓所の掲示も見当たらないが、なんとか探し当てる。
陸軍歩兵曹長。
合掌。

ついで、丸太町の待ち合わせのカフェへ。
日本映像記録センター時代の後輩に会う。
ネットで探したカフェだというが、バナナの樹の植わった古民家、ナイスチョイス。
彼は昨年、首都圏から故郷の京都に帰っていた。
うむ、話せば思わぬ話が。
アルコール抜きで。

締めは京都駅近くのイノダコーヒー。
かつてクルージングで出会ったアミーゴと。
常に日本脱出願望を語っていた京都で生まれ育ったアミーゴ。
いま、一気に暮れゆく京都を見届ける決心をしたようだ。

新幹線で帰京。
後輩の大久保ちゃんがバナナ古民家カフェ前でのツーショットをSNSにアップしている。
なんと、それにさっそく書き込みをした人は、僕が富山妙子さんの映像作品を越境させる件でお世話にならんと今日も連絡を取り合っていた人のお連れ合いではないか‼

奇跡のめぐり逢い。


前のページへ / 上へ / 次のページへ

岡村淳 :  
E-mail: Click here
© Copyright 2020 岡村淳. All rights reserved.