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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2020年の日記  (最終更新日 : 2020/06/04)
4月13日(月)の記 指揮者をなくす

4月13日(月)の記 指揮者をなくす (2020/04/14) 指揮者をなくす
ブラジルにて


ブラジル国内のコロナウイルスによるものと確認された死者数の総数は、昨日で1300人を超えた。
サンパウロで巣ごもり中のミッションのひとつは、たまりにたまった古新聞のチェック。
時系列抜きで、折をみて目を通して処分をしていく。

今回、日本をからくも脱出した3月27日のポルトガル語の新聞をみてびっくり。
見出しにNaomi Munakataの名前と、写真がある。
ブラジルを代表するオーケストラの指揮者だ。

その前日に64歳で亡くなったとあるではないか。
しかも、コロナウイルスで。

日本も含めて、直接に知る人をはじめてコロナ禍でなくしてしまった。
宗像直美さんは1955年、広島生まれ。
2歳の時に家族に連れられてブラジルで移住した。

僕は父親の宗像基(もとい)牧師と親しくさせていただいていた。
宗像牧師は台湾の生まれ、キリスト者だったが大日本帝国海軍軍人となり、海軍の特攻兵器の指導教官をされていたという。
敗戦後、ブラジルでサンパウロ教会の設立に奔走。
拙作『ブラジルの土に生きて』の主人公の石井夫妻はこの教会の信徒だった。

僕が宗像先生とご縁をいただいた頃は、教会はサンパウロ福音教会と改名されて、小井沼國光牧師が主任だった。
宗像先生は日本に引き上げられて都下の教会で活躍、機関紙『バベル』で鋭い説教を提供し続けてくれていた。
昭和天皇に対する姿勢は映画『ゆきゆきて、神軍』の奥崎謙三さんをほうふつさせた。
それに呼応した僕のブラジルから郵送していた所感が何度となく『バベル』紙面に掲載されていた。

ナオミさんには何かの席でお会いして、基先生と親しくさせていただいたことを告げた覚えがある。
彼女のオーケストラも聞きに行ったことがあると記憶する。
基先生が亡くなり、サンパウロの夜遅くに音楽を聴きに行くことのコストとリスクを敬遠して、すっかりご無沙汰していた。

黙祷、とともに彼女の指揮した音楽を探そう。
https://observatoriodemusica.uol.com.br/noticia/2020/03/morre-regente-de-coral-do-teatro-municipal-apos-diagnostico-de-coronavirus

https://globoplay.globo.com/v/8451502/


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