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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2020年の日記  (最終更新日 : 2020/06/03)
5月19日(火)の記 自分史点検・海賊編

5月19日(火)の記 自分史点検・海賊編 (2020/05/19) 自分史点検・海賊編
ブラジルにて


自分があきれるほどものを知らないのに、あらためてあきれる。
コロナ巣ごもり中、すすまないことばかりで慄然とするばかりだが、ささやかな学びの時期と位置付けてみよう。
粘菌でいえば、子実体の時期か、変形体の時期か。

攪乱状態で愕然とするばかりのもののヤマをタヌキ掘り。
ほんらいなら即、処分すべきものが手をくだせない。

『楽しいわが家』という全国信用金庫協会発行の月間の小冊子がある。
わが東京の実家の近くの信用金庫のカウンターに置かれている。
これが欲しいので、訪日時にATMを使わずに開店時間にささやかな現金を窓口へ預けに行くほど。
これがコンパクトながら読みごたえがある。

玉にキズなのは、福島原発事故後も続く原発推進派の人間の毎号のコラム。
これが気持ち悪いので、この連載が続くのなら不快なので信用金庫との取引をやめるとメールを送ったこともある。

この小冊子、ブラジルに持ち帰ると高齢の日本人移民女性たちに喜ばれている。
これの2018年8月号、まあ新しい方なのが出てきた。
ざっと目を通してから、こちらの義母のところに持っていくか。
おや、これは読んだ覚えがあるぞ。

ブラジルに持ち帰って読みかけて、遠征やら編集やら訪日やらでそのままになってごちゃごちゃになるのの繰り返しで今日の混沌が築かれた。
うーむ、この号はスクラップしたい記事が複数あるぞ。

よしだみどりさんの「宝島への道」という連載。
〽死人の箱に這い登ったぜ 十五人
 一杯やろうぜ ヨ―ホーホー

これだったか!
幼少期に覚えて、いまだに忘れていない言葉、音楽などがある。
僕は、こんな歌を覚えていた。
〽死人の上に男が10人
 ラム酒を飲んでヤーヤーヤー

当時、白黒だった実家のテレビで見た、洋物ドラマの吹き替えだったと記憶する。
それ以上は思い出せない。
歌は覚えていたが、それ以上に想いを馳せることは特になかった。

歌の背景はカリブ海あたりのイギリス系の海賊だろう。
ブラジル製のラム酒を買うと、眼帯をしてインコをはべらせる海賊の男がラベルになっていて、これを見る時などに脳内の歌が再生されていた。
なかなかコウモリ印のラムには手が出ない。

ブラジル生まれのわが子は映画の『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、そして日本の海賊マンガ『ワンピース』を好むが、父は共有できていない。
この歌を覚えているだけで、あとは「海賊版」ぐらいしか縁がなかった。

そうか、わが脳内の歌はどうやら『宝島』が原点のようだ。
恥ずかしながら『宝島』のディテールはなにも覚えていない。
ネットで英語版を探してみた。

Fifteen men on a dead man's chest
Yo ho ho and a bottle of rum
Drink and the devil had done of the rest
Yo ho ho and a bottle of rum

僕の記憶の「10人」はまちがいないと思う。
日本語の調子で、15人から5人削減したのだろう。
考えることもなかったが、僕の見た映像はなんだったのだろう。

調べてみると、実写版の映画『宝島』が1950年に公開されていた。
ディズニー初の実写で、カラー作品とな。
わが家は白黒テレビだったから、白黒で見たわけだ。
これの日本語吹き替え版をテレビで見たのだろう。
海賊ラベルのブラジル産ラムでも買いに行くか。

幼少のテレビ映像の記憶で、僕のその後にも少なからぬ影響を遺したものがある。
第2次大戦中、南方で戦死したはずの父親が現地で生きているかもしれないと知った、たしか娘が主人公のドラマ。
まだ横井さんや小野田さんが実際に発見されたとニュースになる以前のことだ。
この記憶については拙著『忘れられない日本人移民』に書いたのだが、原稿を半分にしないと定価2000円以下にできないとのことで、泣く泣く橋本梧郎先生、佐々木治夫神父の章とともにカットしてしまった。
お蔵入りとなったが、いまより記憶が少しは鮮明な時に書いておいてよかったかも。


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