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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2020年の日記  (最終更新日 : 2020/08/07)
6月9日(火)の記 蠅帳の記憶

6月9日(火)の記 蠅帳の記憶 (2020/06/09) 蠅帳の記憶
ブラジルにて


未明に覚醒。
DVDを観るか。

個人的な動機で、小津監督の紀子三部作をいま、見ておきたかった。
縁談をすすめられる紀子の歳はいくつといっていたか。
20代後半だとは記憶している。

『麦秋』が第一作だと思い込んでいて、『麦秋』を観る。
(見終わってから『晩春』の方が先だったと知る…)
西暦1951年、まだ日本が独立国になっていないときの製作だ。

『ゴジラの逆襲』でさえ見どころは少なくなかった。
こちらは見どころだらけで、何度かメモを取る。
戻して再再生もしばしば。

「ハイチョウ」という言葉が琴線に触れる。
文脈からして、蠅帳のことだろう。
なつかしい。
僕の幼少期にこの言葉はまだ生きていた。
ハエなどが食べ物や食器にたからないようにかぶせる傘状の網だ。

検索してみると今の日本では「食卓カバー」「フードカバー」「ランチパラソル」などという名前で売られているようだ。

戸棚も蠅帳と呼ばれるものがあるようで、ポルトガル語のウイキではパラソル状はなく、家具形式のものがあげられてた。
ちなみにポ語名称は英語そのもので「Pie safe」というそうだ。

思えばブラジルで少なからぬ日系移住地をまわってきて、ハエにも不自由しないほどたかられてきた。
白ご飯に黒ゴマをまぶし尽くしたようにハエが、というのはよく伝え聞く。
僕が味わったのは、せいぜいゴマ塩ぐらいの密度だったが。

しかしこの蠅帳についての記憶が定かではない。
手で追い払うか…
『ブラジルの土に生きて』の石井夫妻はハエたたきを駆使していたが。

「便所」「チチ(おっぱい)」から「ひのし(アイロン)」まで日本古語が用いられる当地の日系社会だが、ハイチョウの言葉を拝聴した記憶がない…

  


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