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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2020年の日記  (最終更新日 : 2020/08/07)
6月14日(日)の記 トゥオンブリとロスコ

6月14日(日)の記 トゥオンブリとロスコ (2020/06/14) トゥオンブリとロスコ
ブラジルにて


コロナ禍巣ごもり中、身辺から発掘した諸々の本を作業の合間に濫読している。

『絵画は二度死ぬ、あるいは死なない』という林道郎さん著の冊子を昨日、読了。
サイ・トゥオンブリというアメリカの画家についての講義を書籍化したもの。
どのようにこの冊子を入手したのか、はっきり覚えていない。
5年前の東京の原美術館でのトゥオンブリ展のときに買ったのかもしれない。

トゥオンブリの作品について、言葉が追いつかないでいた。
落書きというより、ボールペンの試し書きのさまざまなパターンをコラージュしたような…
そう、文房具売り場にあるような。
それでいて、惹きつけるものがあるのだ。
トゥオンブリのことは、画家の森一浩さんが好きな作家として教えてくれた。

「(前略)、トゥオンブリの作品は、有機的に統一された絵画空間をもつというよりは、むしろ、映画のスクリーンに映し出されたレンズ上のゴミの震えのような、物質的な微振動を思わせるものの集積となっています。」
(『絵画は二度死ぬ、あるいは死なない』)

小津監督の『晩春』(西暦1949年)をDVDで見直したばかりで、一部のカットに写り込むゴミが気になっていた。
美術批評家は、こういうところからも紡ぎだしていくのか。

今宵は、読みかけだった『マーク・ロスコ』(川村記念美術館 企画・監修)を一気に読了。
これは学芸大学のSUNNY BOY BOOKSさんで思い切って買ったと記憶する。
ロスコのことは、ブラジルの画家の大竹富江先生に生前、好きな画家を尋ねて教えてもらった。

この本の冒頭近くに、ジャクソン・ポロックの作画の写真で知られるハンス・ナムスの撮ったアトリエのロスコの写真が見開きで掲げられている。
スナップ風にみえるが、入念に演出したという。

手前味噌だが…
スマホ撮りばかりになっていて所在もわからなくなっていたデジカメをようやく発掘した。
そのなかにあった富山妙子さんをとらえたわが写真をすぐに思い出した。
富山さんは写真を撮られるのがキライと宣言されていて、僕の方は入念も演出もあったものではないシュートなのだが。

この本のなかにも書き出したい言葉がいくつもあるが、とりあえずひとつ。
「シーグラム壁画は、ある人にとってはなにも意味しない。これが絵だと気づかない人もいるくらいです。つまり、その人にとってはこの絵との間に隔たりがあるわけです。一方で、この絵にひどく魅了される人もいる。すぐに絵のなかに入っていける人です。」
(前提書『マーク・ロスコ』収録の林寿美さんの言葉)

僕の最近のグラフィティ求道、そして富山妙子さんの映像を編んでいくうえで、いい刺激をもらった。

  


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