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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2020年の日記  (最終更新日 : 2020/07/10)
6月28日(日)の記 貝毒の買得ないし解読

6月28日(日)の記 貝毒の買得ないし解読 (2020/06/28) 貝毒の買得ないし解読
ブラジルにて


かつて親しくしていた動物学者から、そもそも大西洋は太平洋に比べて生物相が貧しいと教えてもらったことがある。
たしかに海藻や貝類を考えてみると、これがあてはまる。

家族から貝が食べたいという声が上がった。
日本に比べるとこちらでは手に、口に入る貝の種類が圧倒的に少ない。

もっとも一般的なのはムール貝だろう。
ついで、日系人がアサリと呼び、サンパウロあたりではボンゴレと呼ばれている二枚貝。
南部で養殖されるカキもあるが、お値段もよろしい。

今日の路上市の海産物屋では3種ともあった。
いわゆるアサリを買おう。
キロで10レアイス、約200円だが無難に半キロ購入。

時期、店によってはざっと見ても口の開いた死貝、割れた殻が累々というのもある。
今日のこの店のはほとんど固く口を閉じている。

帰宅後、まずは貝を洗うが、今日のはさほど汚れていない。
ひどいときは藻がこびりついて、何度ゴリゴリ洗っても水が緑に濁ってしまうのだが。
ボールに水を張って塩を入れて、厚紙でフタをする。
この貝の砂出しを観察するのが楽しみなのだ。

ちなみにブラジルアサリは日本のアサリより小粒でふっくらとして、殻そのものが厚い。
サントスあたりのマングローブ帯に生息するようで、塩水につけて吐き出すのは砂ではなく、軟泥だ。

活きのいい時は塩水につけてまもなく、口を開けて水を吹き、軟泥を吐き出してくる。
今日は待つことしばし、黙秘が続く。
これは初めてではないか。

ネットで検索してみると、日本のアサリだが冷凍ものだとこうしたことになるらしい。
アサリを殻ごと冷凍するのか。
恥ずかしながら、そんなことが行われるとは知らなかった。
魚屋でイワシを買うときは冷凍ものかどうか確認することがしばしばだが、アサリもその必要があったか。

検索によると、殻は閉じていても貝毒を持ち、煮沸して口が開いて全体におよぶことがあるといった恐ろしい記載も。
いずれにしろ冷凍もののアサリはすぐに煮沸調理すべしとのこと。
さっそく煮る。

以前、グルメで学究肌の先輩移民からブラジルアサリについてウンチクを教えてもらったことがある。
ブラジルアサリは、苦みがあるのだ。
先輩移民がこれを親しい在ブラジルのスシマンに尋ねてみると、ブラジルアサリは煮て沸騰させなければ苦くならない由。

今日はそもそも食べられるかどうかが心配で、そこまで余裕が回らず。
ブラジルの新聞記事で、南部のカキ養殖地帯で貝毒を防ぐための対策の記事を読んだことがある。
さすがにサンパウロの街なかの毎度おなじみの海産物店でリスクの高いものが売られるとは思えないが…

おやおや待つことしばし、湯は白濁して一斉に開き始めた。
ブラジル産の味噌を溶かし、おそるおそる試食。
うむ、苦味もさほど気にならない。

夕餉に家族でいただく。
殻の山。

想えばブラジルの大西洋岸には、巨大な貝塚が点在する。
以前、踏査をこころみたことがある。
アクセスが悪く、連れ合いが身重の頃で途中で断念したのを想い出した。

このあたりの先住民は、食人の習慣もあったようだ。
貝の味噌汁はダシいらずだが、ヒトはどうだろう。








 


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