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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2020年の日記  (最終更新日 : 2020/08/07)
7月10日(金)の記 犬殺し猫殺し

7月10日(金)の記 犬殺し猫殺し (2020/07/10) 犬殺し猫殺し
ブラジルにて


「乱世にはくだものは育たない。これほどの時代でも、どこの国でも、どんな果樹でも同様だ。くだものは平和の象徴なのである。」
(『梨の来た道』米山寛一さん著、鳥取二十世紀梨記念館発売)

鳥取倉吉の上映でお世話になった時に。
クルマでの移動中のトイレ休憩で立ち寄った、鳥取二十世紀梨記念館の売店で買った本。
コロナ巣ごもりがなければ、「積ん読」に終わった可能性、大。
これが面白かった。
知らないこと、意外なことばかり。

「犬殺し」「猫殺し」は九州にあるナシの名前。
「ババ殺し」というのもある由。
それだけ巨粒で、落下直撃されたら犬猫ババなら逝ってしまうとか。

中国のナシの品種は、1000種を超えるという。
彼の地には幹まわり4メートルという巨木、樹齢300~500年という古木もあるとか。

あれ、ナシって日本原産じゃなかったっけか、と最初かすかに思ってしまった。
そのあたりについても恐ろしい言及があった。

日本のナシ分類学の権威は「日本在来のナシは中国系である」という渡来説をとなえてきた。
ところが日米開戦を迎える西暦1941年に日本固有説に変わったという。

昨今の「日本スゴイ」とも重なるような気配だ。
日本に閉じこもって日本のナシだけ食べて、日本固有、日本スゴイというのは、まさしく井のなかの蛙である。

愛しの鳥取をナシ大県にのしあげた二十世紀梨は、千葉は松戸のゴミ捨て場が起源というのも素敵な話だ。
かたや日本ナシのもう一つの雄、長十郎は神奈川の川崎の産とな。
江戸をはさんだこの2地点からナシの革命が起こるのはむべなること、と本書は分析する。

わが、ささやかなナシ体験はこの際、省略。
いまやブラジルで数種類の洋ナシを味わうことができる。
最近の日本ナシや、中国や韓国の絶品だというナシを知らないコロナ大国のカワズになってしまった。

そしてわたくし自身が、いまや用ナシか。


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