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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2020年の日記  (最終更新日 : 2021/01/01)
11月8日(日)の記 虫こぶのワルツ

11月8日(日)の記 虫こぶのワルツ (2020/11/08) 虫こぶのワルツ
ブラジルにて


「積ん読」蔵書のなかから『虫こぶハンドブック』(文一総合出版)を発掘して読了。
本体価格1200円。
2011年発行の第4刷だが、どこで買ったかは覚えていない。
「ふつうの」本屋ではなかったと記憶する。

昨今は「きのこ」から「粘菌」「ツノゼミ」なども美しくアート領域に達する写真をちりばめた図鑑が少なくない。
いっぽうこの「虫こぶ」は昔ながらの地味な図鑑写真ばかりで、かえって味わいもある。

「虫こぶ」とは植物の主に葉の部分に昆虫や菌などが寄生してコブ状に変形させたもの、というのがなにも見ないで書いてみた僕の定義。
このハンドブックではわからないが、さらに調べてみるとまことに面白い。

寄生されて変形させられる植物の方にメリットがあるかどうかは不明。
いちばん虫こぶを利用している生物はヒトのようだ。
皮なめしや江戸期の女性のお歯黒、マタタビ酒…

昆虫に限っていえば、まずある植物に卵を産み付けられて孵化、ある段階まで成長してから虫こぶを「脱出」、まったく別種の植物に移動してその後を過ごす種もあるようだ。
虫こぶの存在は、そのままその生態系のゆたかさを現わしているといっていいだろう。
探検昆虫学者の西田賢司さんは「虫がつくった究極の芸術作品」と称している。

ブラジルの大西洋海岸森林の小径を逍遥すると、ツノゼミよりずっと簡単にみられた覚えがあるが、その頃の僕はまだ虫こぶに「開眼」していなかった。
ポルトガル語では galha か。

ああ、森を歩きたい。


  


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