11月23日(月)の記 麦と老年兵 (2020/11/23)
麦と老年兵 ブラジルにて
いやはや、いい歳こいて知らないことが多くて情けなし。 賞味期限が今年1月末だから、日本でいただいたのは去年だろうか。 二条大麦の蒜山(ひるぜん/ひるせん)麦湯というのを岡山のアミーゴからもらった。 麦茶用の麦である。
蒜山は岡山と鳥取の県境にある火山で、国立公園に指定されている。 高原の観光地としても知られる地だ。 この麦も製造は鳥取県倉吉、問合せ先は岡山県真庭と県をまたいでいる。
二条大麦というのは京都の二条に由来するものだと思っていた。 六条大麦というのもあるし。
ところが調べてみると、植物学的に小花か2列、6列から来た名前とな。
そもそも僕には大麦と小麦の違いもよくわからない。 調べてみると、麦とは「外見の類似したイネ科穀類の総称」だという。
ブラジルで cevada や cevadinha と呼ばれる麦を買ってきて、白米や玄米、キノアなどと混ぜて時々、炊いている。 いずれも辞書で調べると大麦だが、セヴァジンニャはセヴァダの小さいもの、の意で、色や硬さからしてこの二つは別物っぽい。
玄米は水に漬けて一日も置けば発芽が始まるが、このセヴァダ麦はどうだろう? そもそも麦の芽は麦芽というぐらいで、栄養価も高そうではないか。 これを試してみたが、二日三日と漬けておいても発芽の兆しはなく、気泡がぷくぷく出てきてこのままでは腐敗という観となった。 ネットで検索してみるが、よくわからない。 こちらに農の基本的知識が欠けているせいだろう。
そんなこんなで、炊いても硬さが抜けないセヴァダ麦を持て余していた。 先週、これを炒って麦茶にしてみようと思い立つ。 火の消し忘れでだいぶ焦がしてしまったが、もったいない。 麦焦がしともいうではないか。
そうそう、麦茶ではなく代用コーヒーになるかと思っての試みだった。 どこかブラジルの田舎で麦だったか、トウモロコシだったかの代用コーヒーをいただいたことがある。 悪くなかった。 調べてみると、大麦を代用したコーヒーは、スペイン市民戦争時の苦肉の発明の由。 コツは、よく濃く煮だすこととある。
やってみると… よく濃く煮だした麦茶の味で、珈琲とはかなりの距離を感ず。 が、悪くはない。
先の蒜山麦湯も三度出しまで可、とあったが、自家製麦茶も三度、いけた、 出しがらの麦はおかゆに使えそうだ。
今日は断食。 夜、ふたたび炒りセヴァダで麦茶をつくる。 おいしい。
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